ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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The Harvest Moon 中秋の名月

日本列島の夜空を見上げると、こんな大きな満月が見える。関西の友人Kさんから贈られてきた中秋の名月。 上手に撮られている。月面の青い模様が濃紺の背環と微妙なコントラストをなしている。パターンは兎の餅つきで無いようだ…。写真であるが、近くに大きく浮かぶ月のイメージに接したのは何時だったか? 遠い昔だ。中秋の名月と言う言葉もずいぶんと久しく、懐かしい。

中秋の名月の画像を、実はKさんの了承を得ないで↓に掲載。Kさん静かに就寝中なので、夜が明けてから了解を得たい…。団子をそなえ、ススキを立てて、縁側で満月を眺めたのを思い出す。お袋が歌を歌ってくれた記憶がある。どんな歌だったか? 「月を崇めて、秋の風情を味わう」程度が精一杯で、心を揺さぶるような感情表現が出来ないのが残念。左京太夫顕輔と言う人の詩も添えていただいている。

            
      秋風に たなびく雲の絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ  左京太夫顕輔

もう一つKさん曰く;今、季節外れの台風に襲われている。
ベルギー23時ニュースの主要トピックは日本から。軽自動車だろうか、石ころのように風に飛ばされている珍しいフィルムを紹介している。何故か「神の風」を思い出した。高句麗か高麗かそれとも百済か?全く知らないけれども、征服した半島人を傭兵にして蒙古が九州を襲った。「神風」つまりKさん仰る季節風・台風にもみくちゃにされ、散々の体で逃げ帰ったそうな。

この蒙古の末裔が清国かもしれない。そして言わばその清の代替わりが21世紀共産支那と言えるのでは…。清国は蒙古と同じ風情で、直ぐに勝てると自惚れ日本に宣戦布告した。支那特有の自己過信現象である。それをこの大陸民族自身分らないんですね。神風が吹かぬ季節であったが、支那の一方的大敗だったのは、皆さん御存じの通り。似た様な惨敗がローマ史にあり、16世紀末フェリーペ2世の大艦隊も同様なシッチャカメッチャカ、QE1の小回り効く軍船に打ちのめされおまけに嵐に翻弄され、わずかが西班牙に生還できたに過ぎない。

支那がセコハン旧ソ連空母ワリャークを外面だけ一人前に仕上げた。清国が19世紀末にドイツに発注した装甲艦2隻(鎮遠と定遠)は馬鹿でかく支那人の手に負えなかった。旧ソ連海兵ユニフォームまがいを着た兵たちを並べた空母がどこでどう外洋基地機能を発揮するのか、もう一つよく分からない。中華支那にとっては、威嚇できる体裁整えが大事なんだ。

`張子の虎`と言う分け。今回のような大風が吹くと、ひっくり返り、近代支那戦史にいつも伺えるように一目散に逃げ出す…。つまり空母たる基本性能が、過重積載トラック数台で潰れる出来立て高速橋梁と同じように、満たされていない可能性がある。神の風が支那法螺を吹っ飛ばすと言う前座の一席になると幸。

今年の中秋の名月は9月30日の夜だそうだ。正確には、30日の夕方から10月1日の朝が明けるまで見える満月と言うべきか。The Harvest Moonと英語彙で、De volle maan rondと蘭語彙でそれぞれ綴る。前者は収穫の時期に見える満月、後者は単に「真ん丸の満月」と言う感じ…。この土地で収穫作業は延々続くトウモロコシ畑だろう。葡萄も9月中旬から10月初旬までか…。他に10月に収穫する穀物・野菜など、私に良く分からないが、ジャガイモやカボチャ…

    121001 The  Harvest moon

私に珍しい満月をいただいたので、さっそく外に出て探してみる。南22度辺りに発見。この月は小さいながらKさんや沢山の同胞がご覧になった同じ月である。中秋の名月の日付は毎年異なるそうだが…、毎年出る満月と言うことで独蘭でも``愛でる``習慣はある/あったと言う。北半球のどこからも見える恒例自然現象だから、土地によって様々な習慣があって不思議でない…

偶然、金太郎さんと鯉との相撲/格闘シーンを描いたノボリが夜風にはためいている。珍しい組み合わせだから記念に写真を撮ってみる。Kさんのように月が大きく見えないのが残念だが、親父が気合いを入れて注文してくれた男児誕生の旗との共演である。 

収穫祭の満月と言う主題で、主食のじゃがいもでない植物に触れたい。バラ科バラ属の果実の収穫だ。寒冷地に育つ種類だから、チェコ・オーストリアから独蘭まで生えている。白を含める色変わりの幾つかの野ばらはキチンと果実を実らす。下画像の例だと、紫の花びらと赤い果実とからハマナスを思い浮かべる方が多いだろう。

紅い果実をジャムにする。ボケのリンゴ型果実のような得難いジャムになる。日本ではどうして食するのか?画像の種(シュ)はハマナスの兄弟分に当たると思われ、林縁や河川沿いの藪を形成する自生種。乾燥させた葉っぱを茶にしたり、匂い袋に入れ香り材として用いられるようだ。

    Rosa canina 04 Hondsroos
     左の花びらの下に果実が見える。子房下位の植物とはこんな状態になると言う見本だろう。右写真の右上に半分かじられた果実が見える。フランダースのカケス(青と薄茶の日本のカケスに似ている)を見かけたので、彼らにもかけがいの無い中秋の食糧と思われる。

バラ科は大きな科である。本州から北海道の緯度にある北半球の秋に、多くの樹種の実りが収穫されるに違いない。中秋の名月に相当するUK語彙が「実りの秋」なのは面白い。ろくな料理が無かったと言う彼らの謙遜はそれだけ自然そのままを享受した証かも知れない…。酒作りはブリテン人の得意種目で、例えば黒棘酒。充分に熟したサクラ属ブラックソーンの果実も深い秋に収穫するのだろう。その仲間に梅干しがある。東北小南部の特産・梅干、その仕込みを知人に教えてもらったが、それを中秋の名月とつなげることはなかったようだ。

ユーラシアの極東・日本民族は抒情を、極西・ブリテン人たちは`酒情`を選択した…。


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Oh every day 日々そうそう

Facebookfeest =フェイスブック祭 : Project X Haren

オランダ北部ハーレンの16才少女・メルテの誕生日は9月21日。彼女は親しい友達たちに「みんなお祝いに来てね、大歓迎よ!」と言う誕生会通知を、フェイスブックで送った。誕生日に前もって知らせるのが普通だから、9月初め頃だろう。

ソーシャルネットワークの雄・フェイスブックには様々な機能があるそうだ(私は使わぬので知らない)。宛先は、特定個人、(親友・家族・スポーツクラブetc)グループ、不特定(つまり世界中の誰でも…多分)などを選択する。

メルテは日時と住所を添えて親しい友達だけに送ったつもりだった。しかし私的な小さな誕生会と書かなかった。その上、手違いで、不特定多数に発信されてしまった。ポートレートの可愛い女の子から「みんなお祝いに来てね」メッセージを受け取った連中は直ぐに出席返事をした。初め7000名だったそうだが、ドンドン増加。

Project X Haren Cor A

誰かが早速、Project X Harenと言う祝い祭イヴェントを計画。ロゴやポスター、さらにビルから垂らす20㎡ほどの大幕やTシャツを用意する。これもフェイスブック上で公開される。準備は着々と進み、事態を知ったメディアはこの祭り取材に備える。ハーレン市長バッツさんは警察警備の段取りを整えるため、形相をかえなければならなかった。

驚いたのは勿論メルテ本人と家族。小さなミスが村を大騒動に巻き込むのは必至である。遠くからの誕生会参加者は列車を利用する。そのNS(国鉄)無人駅からまっすぐ西に150m歩き`スタチオン・ヴェフ`に入ると、5分ほどでメルテの家である。33番は奇数だから左手にある。

1週間前になるとイヴェント参加表明数が3万人を超えた。ハーレン村は閑静な住宅地で蘭国2番め高級住宅地である。そんな村だから、緑に覆われた屋敷が並ぶ`駅通り`は両側に歩道があり相当広い。しかし、数万の祭り気分の若者たちを収めることは不可能だ。北部一の新聞が紙面とフェイスブック上に、近くの広大なフットボール場を会場とすることを通知する。

メルテのうっかりミスはUS企業フェイスブックに責任ありとする意見がある。なぜなら同様な事件が既に各国で発生しているのだ。つまり思春期の女の子をウッカリさせるような作りがいけないと言う理屈である。幼い子供たちをひっかける。それで宣伝を集める魂胆が見える。Facebookに責任あり、私も同意する。ニューヨーク上場時、一株38ドルが昨日半値に落ち込み経済面をにぎわし、そして今や社会面の常連になった感がする。

例をあげよう。ブリテン15才少女レベッカが一昨年、同じミスで2万1千人から参加返事をもらった。両親は直ぐに誕生会中止をフェイスブックで宣言。当日ハートフォードシェアー警察がレベッカ住まい周りを厳重に警戒パトロールをした。昨年6月ドイツの16才少女テレッサの場合1万6千名が出席表明、警察の警告によって実際詰めかけたのは千六百名。祭りの酒で暴徒化して10名余が逮捕されている。オーストラリア男の子の例では数万が集まったとか…。

    Tシャツが仮に1万売れれば、イヴェント計画はそこそこ元が取れるわけだ。
    Project X Haren Cor C
     祭り大好き女の子たちもメロメロ風になっている。


メルテのフェイスブック招待状を受けた同世代のある男の子はプロジェクトXほどでないが、やはり50名ほどを組織してバス1台借りて参加する計画を立てた。列車で2度の乗り換えで2時間かかるから、バスの方が簡単でまた賑やかで楽しいと言う理由。

メルテ両親が村民向けの謝辞を込め、中止声明書をだす。しかしイヴェントプロジェクトは国民の自由意志だから、もはや止めることは出来ない(と私は解釈する)。仮に警察が中止措置を採っても、不特定多数の若者たちの動きをコントロールできない。プロジェクトは自らの意志で既に動きだしているのだ。近所住民は事態を把握できるはずがない。経験したことが無いから、のんびり楽観していたようだ。まさか村民が暴行を受けようとは想像すら出来ない。

駅から歩き`駅通り`に入るところだったか、小さな白いチャペルがある。三差路だから、緩やかにカーブする歩道傍の芝生部分が広く、きっとそこではビールを飲む連中がたむろするに違いない。たまたま私はハーレンに数年いたので、33番が何処か分る。もしも千人が彼女の家に押しかけるなら、通りはもう一杯になる。21日当日、それが現実化した。彼女と家族はドアを閉めて、ひっそり息を殺していたそうだ。

21日昼にビルから大幕が切って落とされ、遠征組を含め隣州や隣町からも、祭好き男女がどっと集まり、プロジェクト・エックス・ハーレンが始まった。警察は万全をきしていた。騎馬警察も出たらしい。しかし時間が進むにつれ、酔いが回り、やはり暴徒化した。スーパーマーケットの略奪や住宅街の窓を破壊、老人住民への乱暴が起こった。

    ハーレン村の真ん中を貫く国道、駐車自転車が見事に破戒されている。
    Project X Haren Cor B
    スーパーマーケット略奪。YouTubeに様子をうかがえる。若者たちを特定するのは難しそうだ。


ソーシャルメディア犯罪と言うべき? サッカーのホリガンのような暴動煽りの25名が逮捕され、留置された。事前の警備体制が不十分だったのでは? と議会討論があった。責任者・市長も警察コミッショナーも初めてのSM・Facebookウッカリ事件で見当がつかなかった節がある。Project X Haren現象に関するヴィデオがYouTubeに既にたくさんアップされている。担当警察はこの材料を綿密に調査・検証するそうだ。するとさらに逮捕者が出るかも知れない。

ソーシャルメディアのマイナスもプラスも、途方もない展開が続くと思われる。社会体制の変革≒革命から、映画ドラマや政治議会に関わりつつ、日々そうそうたるあらゆる社会事象まで…。思わぬ使い道が発見され、驚きの波が寄せるに違いない。
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Oh every day 日々そうそう

極東と極西 

美術館展示品を盗む仕事。実話も作り話も沢山ある。いかに見事に洒落て盗むか? 誰もが好奇心を抱く。したがって映画やテレビで繰り返される。また一つがこの9月から始まったばかりである。

半世紀余を遡るコメディーが直ぐに思い浮かんだ。美術館はパリのルーブルだったと思う。盗みだす作品はヴィーナス像。それは贋作を作り商う父親の`作品`。、父親思いの娘がばれるのを恐れ盗み出そうとする…。投げると手元に返ってくるブーメランが一役果たすアイディアを懐かしく思い出す方がいらっしゃるだろう。

    The Spiral 10
1966年作 ウィリアム・ワイラー監督コメディー。主役は9才までロンドンで父親と、その後オランダ・アルネムで別居する母親と過ごす。初め英独戦のため蘭名Edda van Heemstraとしてバレー・ダンスを学ぶ。6年だから少女としてもかなりの踊り手になっていた。独逸第三帝国占領中、レジスタンスの叔父と甥が目の前で射殺された。食料欠乏の冬を辛うじて過ごし、解放後にアムステルダムへ。アンネ・フランクの初版を読み、アンネと重なるような戦争体験が後年のユニセフ活動につながっていく。プロバレーダンサーを志し、ロンドンでオーディッションを繰り返すが、夢を果たせず。しかし`発見され`銀幕の女王に育つ。Audrey Hepburnは父親で母親再婚相手Joseph V.A. Hepburn-Rustonから。アンネ・フランクは1929~1945、同い年5月生れオードリーは癌で(確かローザンヌで)1993年没

極東は欧州からみてユーラシアの東端を言う語彙。初めて使われたのはポルトガル・スペインあるいはイタリアあたりでは…。その横文字を漢字に翻訳して「極東」になった。対応語は「極西」になる。東アジアから西の端を見ると、極西のEUが見つかる。

2次大戦後の極西は冷戦との関係で軍事同盟としてまとまらねばならなかった。目の前の共産陣営・ワルシャワパクトに必死で対峙する協力が必要だった。またキリスト教文化圏と言う文脈に於いて、極西は共通項を備えている。ただしギリシャ正教と言うキリスト教圏で無い点に留意されたい。

この文脈で言うと、極東は仏教文化圏なのだ。なんとなく同じ仏さんだから…と考えたわけであるまいが、大東亜共栄圏と言う目玉が懐かしく思い出される。EUのような共同経済繁栄圏の構想。東アジアにおけるグループ≒連合だ。アジア唯一の列強・近代軍事大国・大日本帝国を要にして、可能になると考えた短い論考である。しかし林房雄が2012年の支那と韓国の言い分を聞くなら仰天して泡を吹かすに違いない。

ドラマThe Spiral場面。女優Tuva Novotny。発声をツヴァ・ノボテーネのように聞いた。知人と喋っている途中なので定かでない。スエーデン/デンマーク/ノルウィの北ゲルマン諸語とは舌を丸めて音を優しく転がすような感じ…そう言う印象を私は持っている。発音は互いに違うが、互いに分かり合えるそうだ。彼女は歌も歌うそうだ。盗難6名チームの女性2人の一人。アップルのラップトップとiPHONEとがこのドラマで重要な道具になっている。[補足註1]
    The Spiral 02
右;フラームスの役者リーン・ファン・ド・ケルデル。インターポール捜査主任を演じる。男社会の警察組織で30才女性が捜査責任者と言うのはまずありえない…。BBC放映のPrime Suspectシリーズ(主役ヘレン・ミレン)やドイツ警察シリーズに女性の不利と葛藤しながら事件解きする捜査官の先例がある。2012年、責任者が若い女性と言う点はもはや強調されていないようだ。中;オランダ役者のテウン・ライクス。6名チームのリーダー的役割を演じる  左;フィンランドのトミ・コルペラ。ブリュッセル国際警察でリーンの相棒役として勤務するフィンランド人と言う設定。


つい5~6年前か、「友愛」共栄圏を説いた人がいた。鳩山御曹司だったけれど、かの人は沖縄駐留米軍を抑止力として考えられない雲の上の人のようだ。尖閣問題は支那と日本だけのテーマでない。毛沢東によるリパブリック・オブ・チャイナ成立後、かの支那はフィリピンやヴェトナムの実効領有諸島を圧倒的軍事力で略奪。チベットを含む弱小民族地を侵略支配。確実に数百万チベット人が殺戮されている。鳩山若殿は侵略共産国家は存在しないと`夢見られる`珍しい人である。

極西の共同圏に匹敵する友愛圏が極東に可能だろうか?
ブリテンとフランスはライバルとして常に戦い続けてきた。ナポレオンとウェリングトンとのワーテルローの戦いは比較的新しい。両国の間にある小島ジャージーはかつて紛争の種だったが、ブリテン住民が住みすっかり落ち着いている。第5共和制ド・ゴールの後は常に`友愛`関係にある。デヴィッド・キャメロンとフランソワ・オランデの二人ぽっちの雑話も板についてきた。

9月から始まった美術館展示盗難ドラマは6カ国の共同事業。幾つかの言葉があって、ややこしいのだけれども、6か国のテレビファンがほぼ同時にスリリングを楽しめ初の試み。

支那と韓国と北朝鮮と、それに海を隔てる日本とが、こんなドラマを共有できる日が来るだろうか? 分子が違っても分母が同じ,それが言わばEUだ。債務問題を単なる分子の違いと捉えると、カンカンになる人々がいることはいるのだが…、大陸と半島と列島、この三つ。大陸支那≒半島朝鮮と、列島日本との分母違いは著しいと考えざるを得ない。

北朝鮮/韓国/支那の理不尽/頓馬/不可思議/一人よがりが22世紀までに知的調和を得て冷静平和になるか? 嫌な夢を見る。侵略軍事帝国主義≒共産主義によって、そのプロパガンダに酔った支那人とその同調者によって、21世紀半ばまでに日本列島は叩きのめされ奴隷化されるか、台湾と共に支那一州として雲散霧消している…。

6名若者を演じる役者は北ベルギーのフラームス(英語カナ;フランダース)、デンマーク、スエーデン、フィンランド、ノルウェイ、オランダと6か国から。共同企画だから等しく各国から出ているわけ。
    The Spiral 08
左下の左;ハッセルト出身の役者ヨハン・ライセント。盗難プロジェクトの頭脳・あざなArturoを演じている。右;いかにもノルウィの若い女性らしく思える。本名はヴィクトリア・ウイーニァのように聞こえる。ツヴァと同じで彼女も歌えるようだ。私が聞くと、そんじょそこらの女の子の下手糞な歌に思える


2つ目画像左上にarteの文字が見える。アルテのドイツ語放送を示す。このTVスリラーの題名はThe Spiral。スパイラル=螺旋(ラセン)と言う英語彙になっている。アルテは独仏の2ヶ国によるテレビ会社。このシリーズはアルテの他にVARA(オランダ)、VRT(ベルギー)、SVT(スエーデン)、NRK(ノルウェイ)、YLE (フィンランド)、TV3(デンマーク)、各国TV企業の協力。

極西このドラマは父親の贋作を盗むコメディーではない。6ヶ国の美術館にかかっている人物画が対象。小脇にかかえられる小寸法の作品である。フラームス古都フェントで発生した大掛かりな盗難であるファン・アイク兄弟の祭壇画二つ部分ケースと異なる。それら美術館の予防措置をどう潜り抜けるのだろう(補足註2)。

登場する美術館と作品は;アントヴェルペンのルーベンスハウスからルーベンス自画像、オスロ国立美術館からムンク作、コペンハーゲンのトールヴェルセン美術館からエッケンスベルフ作、ストックホルム国立美術館からラルソン作、ヘルシンキのディードリッセン美術館からヘレーネ・シュヘーフベック作、アイントホーヴェンのファン・アッベ美術館からピカソ作。最後例の抽象的描写を除いて、各国自身の著名画家による写実的な逸品。

`芸術的`若者たち6名。組織コンピューターに侵入するハッカーの達人を含む。まちまちの国籍。プロジェクトの頭脳はコペンハーゲンをベースにするカリスマ的な画商、アルトロと言う字(アザナ)で呼ばれる人物。彼らと並ぶ主役はブリュッセルの国際警察(Interpol)の捜査チーム。そして若者たちに分からぬ第3勢力。

盗む側とそれを横取りしようとする組織、そして捜査官たち。場面によって話す言葉が母国語と英語などに変わる。フィンランドの該当警察はフィン語を、ブリュッセルの捜査官はフラームス語を、デンマークから橋を渡ったチーム本拠地・スエーデン・マルモの場面ではスエーデン語を、オスロではむろんノルウェイ語と言う塩梅でコロコロ変わる。と言うことは、参加各国それぞれの放映に於いて、他国の場面に字幕を必要とする。めんどくさい手続きが居る…

何のことはない、これが極西の姿。欧州共同体で馴染んだ多言語翻訳がそのまま欧州連合に持ち越され、今やテレビ/サテライト世界に普遍化しつつある…。左様に解釈してみる。ブリュッセル議会があるのだから、インターポール・ブリュッセルの管轄範囲にある国際事件物語が生まれて不思議でない。

3回目の放映が済んだばかりで、あと2回で佳境に入るらしい。私の場合、日/月/水のずれる3日間に3ヶ国で放映されるので、見逃しても追い直すことが出来る。またドイツはオランダより2週遅れのように思われ(未確認なのだが…)、この点も便利。もちろん各国のインタネットサイトで、放映分を見ることが出来る。

フラームスTV局eenの放映。フラームス人の捜査官ロースとフィンランド人の相棒ユハの会話は英語なのでフラームス語字幕が出ている。The Spiral 12
6か国絵画盗難事件を担当するチーム。左ロースと右ユハと、ブリュッセル本部の情報担当者ヤコブ。彼が犯人側連絡をハッカーして、同時的に仲間に連絡する。パウ・ヘンリクセンと言うデンマークの役者のようだ。


支那語と朝鮮語と日本語との関係…、支那の文法は基本的に違うが、朝・日語の関係が私に不明。不幸にしてインドゲルマン大グループに属するゲルマン系に値するほど詳細に分かっていない。万葉集は朝鮮(新羅/百済の)語彙と共通するという説があったが、その後の経緯を知らない。それを別にして、極西のような兄弟姉妹言語を仲介して、親しくなる状況を考えることは出来ない。大陸と半島の両民族の癇癪が収まらない。日の丸を惹き裂き燃やしつつ絶叫するデモと言うのはイスラムを信じる人々と同じ狂信性に思われる。イスラム原理主義に、支那と朝鮮の愛国行動様式が似ている…。

一昔前のフォルクスワーゲンのヴァンが彼らの脚。
    The Spiral 09
リーダーArturoがプロジェクトをチームに説明する場面


反日デモが幾つかの欧州都市で行われている。小ざかしい小日本メが尖閣諸島を東京都の売却しおって、けしからん! と言うデモ。支那本土のように暴徒化に至っていないのだが。支那の軍事力で日本をひねりつぶせ!そんな按配のせりふを叫びながら、300人ほどが日本大使館に押し寄せている。

若い女性が差し出されるマイクに向かって「犬畜生に日本」と絶叫している。熟年男性がニヤニヤしながら曰く;軍事武力を直ぐに用いたくないが、日本が意固地ならば仕方ないな!と。彼は軍事衝突を期待している。そして直ぐに支那の勝利を信じている。こうした支那の人々の多くは、香港や福建省経由で(経済)難民として欧州に密入国してきた。自由の無い貧困の祖国を捨てた人々が、その祖国への愛国心に駆られている格好なのだ。

同じ日、ローマでも150名ほどの支那人が集まり、日本大使館に押しかけようとした。それは許可されていないので警察に押し留められた。世界各国の支那の出先組織に派遣されている共産党員(殆どは大使館員身分のいわば秘密警察/スパイ工作員)が絡んでいる筈。支那本土において北京政府が数千名要員をしてインタネット情報を管理しているように、各国の支那出先は同胞支那人を常にチェックしつつ、同時に北京のプロパガンダ情報を彼らに植え付けている。反日教育を半世紀続けているのだから、支那を捨ててきた人々もすっかり染まっている。敵ながら`見事な洗脳`と言うべきだろうか。

わずか数百名に過ぎないが、こうした見え見えの反日デモを見聞すると、「極東は極西にあらず」感を強くする。支那は自らの民主主義革命を知らない。お定まりの反日常套文句を繰り返す人々はわずか60年余の共産支那``反日刷り込み``生産物と思われる。しかし実は数千年前からの「中華思想」なのではあるまいか。

大陸と列島の狭間・緩衝域≒韓国は特殊解…、李承晩/朴政権以来の反日エネルギーがますます高まっている。自らの力で近代革命と民主主義を成し遂げなかったことと貧しさからの離陸、これらが過剰な愛国心に油を注いでいる。彼らの雄叫びは支那と同じ軍事力整備と比例している。

支那人は全ての民族の頂に立つ存在と言う考え。日本であれ、欧州であれ、支那の僕(シモベ)であらねばならない。共産主義は中華思想の一時的な仮姿に見えてくる。あたかもプーチンが一時的ソヴィエト・レーニン・スターリン時代後に帝政ロシアの覇権主義に舞い戻ったように…。

来る23日の日曜夜に4回目のスパイラルが放映される。彼らが盗んだ小品の名作を見られるかも知れない。このEU即ち極西のドラマが近いうちに極東に輸出されるだろうと思う。その時、視聴者は自らの極東が極西から遥かに遠いことを新たに思い知るだろう。大陸と半島と、そして列島の絵画が互いに異質である認識を含め....

蛇足であるが、60年ほどフラーンデレンのどこかに厳重に保管されているファン・アイク兄弟の祭壇画一部「正義の裁判官」の聖堂(Sint-Baafskathedraal)復帰はまだ報告されていない。展示中の模写の役目はまだ終わらずだが、私は原画の統合を年内に期待している。

[補足註];
1.位置確認情報や生中継映像と言う機能が(知的)犯罪と捜査に欠かせないと言う2012年現在のシナリオ。アップル製品が探偵や警察シリーズに登場する。サムサング(三星)製もあるのだろうが…。iPHONE製品化以前のフィルムに出てくる情報機器はタイムマシン物語と同じ``お話`道具だった。逆に言えば、衛星情報と同時映像とコンピューターを一つにする道具を織り込み書きこなせぬシナリオは古臭い旧式になる。ソーシャルメディア時代の達者な視聴者は放映中に互いに`呟きあい`且つ放送局にファエスブックする。つまりドラマ自体が視聴者を交えて進行する。ブリテン盗聴スキャンダルの議会公聴会の実況中継も同じ環境だ。テレビ局メディアとソーシャルネットワークが絡みながら進むのである。

2.近作ミッション・インポシブルに、トム・クルーズが見えない探知ラインを潜り抜ける場面がある。過去半世紀、多くの同工異曲の場面が作られている。このオリジナルと言うか、モデルになったのがオードリー・ヘップバーンのコメディーと思われる。ヴィーナス像の周りに張り巡らされている赤外線(か紫外線?)のような見えない仕掛け。これに触れると警報が鳴り、お縄を頂戴する。ブーメランを用いて何度も警報を鳴らし、頓馬なパリ警察諸君を鈍感にさせると言う筋がコメディーの味噌。
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Politics and economics 政治/経済

戦術的投票のディテール

オランダ選挙の答えが出た。ニュースサテライ各局のコメントが伝えていわく;EU各国がホッと胸をなでおろしている。

ドイツ昨夕のニュースが、ブンデスタック議会でおばさん然たるメルケル宰相の演説を紹介。債務危機国への融資は憲法に沿うと言うカールスルーエ最高裁判所の憲法解釈決議があったから。続くように昨夜の蘭選挙による共同通貨への後押し…

反EU/反Euro気分が流れる中で、そうでは無いと言う支持政権が生れる。保守・国民党と左派の労働党の二党が断突勝ち。41vs39議席をとり、国民党10労働党9の増席。政策で相当な違いがあるが、EU維持に関して両党は同じである。とは言え、西班牙(スペイン)他への追加援助が自動的にされるのではもちろん無い。ギリシャのEU離脱や否や?も先行きは全く分らない。晴れやかな雰囲気が、当分ともあれ欧州連合を保つと言う程度だろうか…

最後の選挙予測で戦術的投票行動が概ね読み取れる(画像下半分)。それが、上半分の実際の結果に明確に反映されている。つまり最後の予測が出てから行われた最終弁論がさらに選挙民の戦術的投票を加速したと言うこと。蘭放送協会NOSによる主要政党代表マニフェスト討論会は250万の視聴者数があったと言う。フットボールの欧州選手権のオランダチーム戦に匹敵する数だから、固い政治番組として異例の出来事。2時間余に渡る論戦が好みの議席最大政党へ投票行動を促したのである。

この大波を、議席数において中間的な政党すべてがこうむったのである。画像の上グラフがそれを端的に物語る。中間組はこれまでの支持選挙民の三分の一から半分以上をトップ2党に吸い取られた。これに対し、数名だけの小粒政党は動かぬ支持者を基盤にしているので変化がほとんどない。 

前項で紹介した参加22党のうち、議席を得た11党がグラフに示されている。殆どの新政党が議席0に終わったが、例外は「50歳+」党が2議席を得た。熟年になり聞き耳を持つ頼るべき党が無いと感じる人々がいるのである。1議席当たり少なくとも16000票が必要とされ、50+党は全国の行政選挙区合わせて32000票を得た勘定になる。日本と比べると、なんと些細な数と思われるに違いない。あきない上手の小国にとって1万6千は非常に重い意味を持つと言うこと。

Verkiezing 12


こうした現象は蘭選挙史で時々あった。だがこれほどはっきりと出た例は初めてだと思われる。同時に流動票と言う概念の定義付けに、新しい要素を加える選挙になったと思う。立憲君主国で、君主が商いして回る典型のオランダ故にこうした面でも先端を切るのである。いばらない、もったいぶらない、常に実質的、塩漬けニシンで生きながらえてきた連中だから、尊厳死の初例、同性結婚の初例、かくかくしかじかの初例を作る…。

日本も多数政党と言えるのでは。幾つあるか詳しく知らない。知人いわく;首相を順繰りにくる総裁が受け持つと言う日本事情即ち自民党政権のマンネリが終り、ヤレヤレ一寸進歩すると思った…と。浦島太郎的輩にとっても、何となく分る気がした。ところが受け皿の民主党は半分だかが元自民党だから、疲れるなーと知人の溜息が流れて来たのを思い出す。

もしも多数党一つの日本の政党党首が今回のディデリック・サムソムのような魅力を持つならば、日本の政治は多少`進歩`するのではないか。`進歩`云々は好い加減な語彙ながら、何か溌剌とする変化が起こるのではないかと言う意味。政局運営だけに腐心する政治。その政治屋にならざるを得ない日本的事情を超える何か…

Verkiezing 02

塔が見えるユトレヒト中心街、選挙演説するDiederik Samsom(41)。Mark Rutte(45)の国民党予測議席数に接近しつつある時点。

労働党は2010年選挙でヨブ・コーヘンを先頭に国民党ルッテと31対30と言う1票差で敗れた。野党の2年間、コーヘンのイメージが落ちた。教授から移民大臣として入閣。ユダヤ系の温和なおじさんと言う印象がアムステルダム市長時代は良かったのだが、党首として溌剌さに欠け、映像時代の犠牲者だったかもしれない。

その結果、倒閣後に党首選挙を経てサムソムが立った。8月初旬の労働党予測数は15議席まで落ちていた。TV選挙討論が始まってから、徐々に上昇し始める。ディデリックの話術の巧み、新鮮さが人々を惹きつける。それまで左翼代表であった社会党の支持者が中道左派の労働党に引越をはじめたのだ。

左翼のみの天秤を見ると、労働党がかつての重力を取り戻したと言うこと。右翼を見ると、キリスト教民主CDAは沈んだまま、かつての第1党勢いを取り戻せず、国民党VVDの独り勝ち。こうして9月12日の数日前に、ルッテとディデリックの対決構図が鮮明になる。なぜ10日ほどの短期間にずっと17^18で低迷していた党が倍増して、選挙前日に国民党と並ぶ40予測議席に達したのか。数の増え方に前例を見ない。

前例のない選挙。予測が短期間に地すべり的変化を起こした。理由は数日ごとに発表される調査予測に被調査者(選挙民)が対応すること。蘭の場合、各メディアが依頼する調査組織(企業/大学など)が七つある。調査方法はインタネットによる任意3000名、電話による1500名、個々の組織によって様々な手段/組み合わせと人数のようだ。当然、7つの間に差異がみられる。Aの調査発表の翌日にBが調査すると、既にAの結果を知る被調査者がそれに反応して投票先を変更する。

12日、緑環境党誕生以来の敗北をきした。党首Jolande Sapへのメディア攻勢。[補足註1]
Verkiezing 13

26議席を得る以前から欧州右翼政党で輝いたウィルデルスの敗北声明。[補足註2]


首相は慣例上、議席数一の政党党首に収まる。過半数を得る党は無いのが通常だから、殆どは複数政党の連立組閣が焦点になる。複数だから、色の組み合わせによって紫や赤緑、白青(?)と言った字名を持つ内閣が誕生する。この色味を左右するのが権力第一人者の首相である。

この数週の経緯から、選挙民個々は自分の支持する党またはそれに最も近い予測最大議席数の政党に投票する。その殆どは左右いずれかの好みをもちつつ、まだ党を選択できない浮動層。潜在的浮動票は投票資格者30~40%と言う。この部分が各調査発表ごとに投票をかえ、トップ2党に集中していったわけだ。具体例は、気持ちの上では社会党なのだが、左主導の政権になってほしいから、労働党に投票すること。これを戦術的と呼んでいる。

選挙予測集計に時間がかかった時代に起こりにくい現象だった。インタネット・ソーシャルメディア時代の産物。呟きや書き込みメディアの反応によって、投票行動が左右されるのだ。そして戦術的投票は、今回例と違う形でも起ころう。例えば、左右いずれかの第1党が明確な場合、連立に参画する中規模政党間の順位つけに適応されよう。

オランダ選挙は今後の戦術的投票を暗示する。少なくとも欧州連合圏で見られるようになるのでは…。これは2大政党国家で起こり得ず、またソ連邦などの旧共産国家体質を持つ疑似民主主義諸国でも起こり得ないと思われる。選挙予測調査が言論の自由の原理下で保障されなければならないからである。呟きメディアやソーシャルネットワークの自由が無ければ、実現されない出来事である。

自由にものを言える筈の日本でも発生するだろうか? それは私にはちょっと分らない。真面目で行儀のよい大多数の同胞がこんなそそっかしい反応と言うか対応を良しとするか…私に見当をつきかねるのだ。


[補足註];

1.党名GroenLinksの英訳はグリーン・レフトだろう。敗北理由は倒閣後に起こった党首争い。緑左の党勢弱化はテレビ討論以前から明らかなので、戦術的投票結果に当たらない。前党首はディベイトの達人で華やかなフェムケだった。ヨランデはフェムケから1年半前スムーズにバトンタッチされた。だがサップ女史は器でないと反旗を翻したディディと言う若者がいた。スッタモンダの経緯を経て党首選挙になった。サップが大多数の支持を得て党首に留まる。自信を取り戻したヨランデだったが、お家騒動の傷は深くドンドン支持を減らした。環境党にさえ人種差別があるかのような奇妙な事件。誰も口にしないが、ディディのモロッコ移民2世と言う事実も影響した…?
環境志向の政党はドイツ・グリューネンが嚆矢。以来全ての既成政党も環境重視し始めたので、緑を主題にする環境党の舵取りが難しくなっている。スター的党首が消えた上、お家騒動が起これば、大幅な縮小になるのもやむを得ないか。

2.9議席を失う(とは言えど尚15議席を占める)。反イスラムと反EUのマニフェストの説明不足だったと彼は言う。欧州一般の論調は未来にとって歓迎すべきというもの。ウルトラ右翼はしばしばポピュリスト党と形容される。安っぽい人気取り政党の意味。その後退がブリュッセル議会で喜ばれるのは当然だ。恐らく未来の選挙に於いて、15~10議席ほどの右翼的警鐘政党として生存権を持つのではないだろうか。

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Politics and economics 政治/経済

オランダ選挙 9月12日

隣村からライン沿いに旧ローマ街道を遡ったの数か月前だったか。あちこちの選挙看板が立ち並び、ウルトラ左からウルトラ右までの政党が激しく争っていた。ピラーテン/海賊党の生存率5%クリアーが印象的だった。ノルトライン・ウェストファーレン州は最大選挙民を抱える。前州政府は少数与党SPD。選挙後、ハンネローレ・クラフト総理大臣が多数派与党として再選され、連邦政府を預かるCDUメルケル首相を冷感させた。

仏蘭西にそのあと、戦後二人目の社会党大統領フランソワ・オランデが生れた。同時にマリー・ルペン右翼政党が堅実な伸びをしめした。左右の亀裂が独仏に於いても明らかである。クラフト女史が連邦レヴェルに出るならば、保守連合CDU+FDPを覆す可能性がある。オランダでは中道右派・保守だったが、昨日今日の地滑り的な予測から、あるいは独仏に続く中道左派が生れる可能性がある。欧州の債務危機≒徹底的緊縮政策と直截に絡む選挙である。[註1]


9月12日 オランダの選挙日。あと2日。
日本で総選挙と言うのは衆院と参院の両院選挙なのだろうか? そうならば、今回は第2院又は下院選挙と言うべきかも知れない。上院あるいは第1院と言うのはオランダに於いて有って無しの飾り制度のような印象を受ける。第1院の廃止説が強い。そこで選挙と言うのは実質的政治を行う第2院の重要事と解される。

蘭内閣は6月に倒閣。少数与党は内閣に組さない`自由党`が重要案件を支持する約束で成立していた。しかしギリシャに端を発したユーロ危機/債務援助などEuroZone問題で、自由党が約束を反故にして戦線を離脱。EUへの政府援助に自由党のNoだから、少数与党内閣は直ぐに倒れた。

自由党はフェールト・ウィルデルス(49)が国民党を離脱して一人で始めた右翼政党。移民とEU専横を良しとしない人々に支持を受け、前回26議席の大兆進を果たした[参照;欧州の右翼]。挙党以来、党運営は党首の独裁だから、騒動が後を絶たず既に4名ほどが離党。

Kermis(ケルミス)=Jahrmarkt(ヤールマルクト)とは本来年末のキリスト誕生を祝う祭。現在は季節ごとに村や町に巡回してくる移動遊園の祭を指す。キリストとの関わりは微塵も残っていない。子供たちが楽しみにする秋のケルミス。蛸(オクトパス)遊具が激しく回転する向うに選挙看板が立っている。選挙ポスターは管理委員会が用意するパネルにしか晴れない。ただし個人住居の窓に張るのは自由。
Verkiezing 10
今回オランダ選挙に出るのは22政党。主な政党;VVD, PvdA, CDA, PVV, D66, SP, Groen Links, Christen Unie, SGP en Partij voor de Dieren (PvdD)。順に和訳すると、国民党/労働党/キリスト教民主党/自由党/民主66党/社会党/緑-左党/キリスト教連盟党/カルヴァン派新教党/動物愛護党。


ブリテンUKとアメリカUSと言うアングロサクソン直系がなぜ伝統的に二大政党なのか?、それは17世紀後期のウィリアム3世とメアリーとの夫婦共同統治の議会から始まっている…。メアリー父親側(Tory)と新王夫婦側(Whig)。現在トーリーはデーヴィット・キャメロンの保守党を指し、ウィッグはニック・クレッグの自由民主党にほぼ重なるような気がする。ブリテンは厳密に3党体制だが、とまれ少ない。

妻メアリーとその夫は従兄妹のウィリアム3世。彼はオランニェ・ナッソウの若君ウィレムである。その蘭共和国に源を成す現オランダとベルギーは常に多数政党である。平和で裕福な小国は少数意見が尊重されると言うか、俺も俺もと言う個性の強さからどうしても小党乱立になる…と私は解している。

本日の選挙予測統計を含めた予測議席数。選挙予測統計を取る組織(企業や大学など)が7つある。その内の3つの予測を順番に11党並べた結果である。水平の赤い線と数字は前回選挙の取得数。
Verkiezing 07 peilingen2


浮かぬ顔の…左;D66(民主66)党首アレクサンダー・ペッフトルト。右;社会党党首エミール・ルーメル。
8月半ばまで20議席以下で低迷していたPvdA(労働党)が急上昇。その煽りをもろに受けたのが社会党とD66
。社会党の新党首ディデリック・サムソムの選挙討論が渦を巻き起こした。中道右派のD66はVVD(国民党)に食われ、社会党は労働党にガブリともぎ取られた。両党に投票予定だった左右の選挙民が首相職をそれぞれ支持の左右最大党から出させるために、戦術的に最大党へ鞍替えしたのである。ディデリック旋風前に予想会得数30議席でトップを争ってエミールにとって腹の虫がおさまるまい。アレクサンダーにとってもおなじだ。5議席増予想が現状に舞い戻ったから。
Verkiezing 11
右;元グリーンピース活動家だった労働党新党首ディデリック。左;当確前のVVD党首で首相マルク・ルッテ。この二人が最大議席数を争う。最大党が首相を出す制度故に、強烈な追い込み討論が行われている。


戦後CDA(キリスト教民主)と労働党は共に政権を分けあい、社会組織のトップ人を独占してきた。自民党にさえ籍を置けば、分け前が良いと言う戦後日本にやや似ていた。例えば、市町村の長は議席数に応じて配分される。キリスト教民主と労働党が殆どを占めると言う澱む気分があった。バルケネンド前党首のお粗末からCDUは小政党に凋落。宗教政党離れは今後徐々に国際化するかも…

戦後、鉄鋼連盟から欧州共同体へ、さらにマーストリヒト協定から欧州共同通貨を実現してきた機関車の一つは1500万人口の立憲君主国家オランダである(半世紀後の今、1650万)。蘭語よりも国際語である英語を国語にすると言うほどの欧州統合理念の塊である/あった。

その国に今、EU離脱とEuro圏離脱を唱える政党が生れている。ギリシャなど地中海沿岸のお粗末な国々に血税をこれ以上つぎ込めないと考える人が多くなった。典型がPVV(自由党)。選挙民の最大議席政党作りのために、中間政党が痩せ細る気配だが、そうした反欧州の気分は強く立ち込めている。

ギリシャを救済しなければ共同通貨ユーロが傾く。この信念で一筋メルケルとサルコジー2人三脚でやってきたが、企業も国家もそろそろギリシャ離脱の心構えがを出来たようだ。オランダの選挙結果と傾向がキリスト教民主CDU+自由党FDPドイツ連邦保守政権に影響を与え無い筈がない。明後日夕方の選挙即票が欧州の耳目を集める所以である


[註];
1.オランデ大統領は数日前、資産家/大企業トップに70%とか言う高率税を決定したそうだ。100円稼いで70円が税金に持って行かれる。これで200億円の税増収になると言う。さすが左翼政権。しかし保守との溝はますます深まる。プジョー・シトロエングループの工場閉鎖で8000人の失業者が出る。欧州債務危機で自動車産業に黒い影が落ちる。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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