ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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少女・乙女・処女 フィンカ・マヨールの聖母信仰と現代日本若人の溌剌健康さ


マグデブルグを知ったのはドイツ民主共和国を名のる共産国家が無くなった後です。初め思ったのは、東独は四角な変哲も無いアパートばかりと言うことでした。今でも東ベルリン地区やライプチッヒでそんな印象をうけます。古い教会を別にすれば、共産主義の建物は味も素っ気も無い。マルデブルグの住宅街も20年程度で大変容しないのでは…。

この無名の街が世界テーブルテニス・チームカップの開催地です。日本女子は銀メダル、男子も4傑に入り、卓球界/ファンの人々に記憶に残る街になりますね。偶然に今朝、ゆかりの花が一つ出ていた。連荘の話題で、しかも前に触れていた[参照10月7日:カムナ月7日 なかなかの日和]。銀に輝いた若き女性三名の健闘をたたえる気持ちで、Magdeburgのリンクまたはリング≒円環に思いをはせよう。

Vinca major Grote maagdenpalm Kazaguruma 01

ご覧のように花弁がカザグルマで出てくるのが分かります。10月7日に書くように、風車の向きが一枚づつの花びらに示されている点が文字通りの風車花ヨイマチグサと異なる。[参照;9月23日:待宵草が揺れている後編]  出てくる回転の方向が示されていると言うこと。

これはツル性の木本(モクホン)で、学生時代メロディーに掛けてあげたファン・ゴッホのツルニチニチソウ(蔓日々草)。地中海沿岸の常緑自生種なので、晩年(と言えどまだ若いわかい)の彼が見ていたのです。Vinca属 major種と記述され、個人的にフィンカ・マヨール。マーガレット・サッチャーを継いだ英首相名をメイジャーと言った。ブリテン政治家だけに植物名が多いわけでありませんが…、キク科マーガレットは既に過ぎさり、このメイジャーが今朝一つだけ出ているのです。年中出るような気がしてきました。

フィンカ属に下の画像のような、葉も花も一回り小さい文字通りminor(ミノール)がある。マイナーどころか売れ筋のカバーリング植木です。この小に対して大のツルニチニチソウに「二つのうちの大きいほう」と言う基本義majorを勿論当てているわけ。軍隊で「小さい」佐官=少佐を示し一寸混乱しますが、少佐になれば"大官”なんだ。ただジョン・メイジャー先祖は大男にすぎなかった可能性もありますが。

Vinca minor 003 Kleine maagdenpalm the lesser periwinkle triming

花びらが青紫。青い鉱石ラピスラズリ (lapis lazuli)色と言われ、和語で瑠璃色に当たるそうです。グラフィック屋さんが用いるパントーンや日本色彩研のサンプルと比べると、どうでしょう? 分布地・個体差も出ますが、昔から伝えられる呼称が文学的連想にすぎない場合があるんですね。

この色がある人を象徴する。イエスの母マリアです。数限りない聖母図が存在する。全て(を確かめたわけでありませんが)青い衣服を彼女はまとっています。この色が象徴するのは純粋や至高(あるいはそれに導かれる愛)、決して汚されない処女と言うこと。

西ゲルマン系に限れば処女を現代独英virgins、蘭maagdenと綴る。フィンカ・マヨールを蘭でmaagdenpalmと呼ぶ所以です。palmは柘植の葉などを指し、似ているからでしょう。同じ発想が他言語にもあるかも知れません。

ザクセン・アンハルト首都Magdeburgの第1音節magdeはmaagdenと同語彙なのが分かります。つまり蘭語はザクセン域の言葉。ザクセン語は‘高ドイツ`古語で現代の独/蘭/フリース/北欧諸語の先祖のようです。マグデブルグのネーデルザクセン語綴りはMeideborg(マイデボルグ)。御承知のようにborg=burg=砦、聖母マリアに見守られる砦なら敵も攻めにくい。

英語彙housemaidは家事を助ける少女/若い女性です。このmaid(メイド)は独語Mädchen(メーチェン)、蘭語 meisje(メイシェ)と同義語で、同じ語源から発生している。それはネーデルザクセン綴りMeideborgの第1音節あたりからでないでしょうか。

メイドとはお手伝いさんでなく、汚れ無き乙女・少女、純粋な処女を示すんですね。この純粋性は言うまでも無く、受胎告知として知られる現象、というか"神話"に繋がる。さもなければナザレのイエスは神の子になりえなかった。

日本ピンポン女性陣の溌剌ぶりを拝み、我ながら戸惑いつつ、開催地マルデブルグも絡んで、若い女性・乙女・少女そして処女神話を思い浮かべたんです。処女で子を宿ると言う受胎告知のタブローもヨーロッパ中に多くあります。ギリシャ正教に一杯作られたらしいイコンにも描かれている。無知ながらイコンと言うのは母マリアと赤子イエスが殆どでありませんか?昔イコンを知って、映画スターのプロマイドを連想してならなかった。

受胎告知は一種の神のアナウンスメントです。私がイイナァーと思うのはクレタ島から出たエル・グレコの画。樹木の根っこのような雲の上で、背中に羽根を持つ数人のヤンチャ餓鬼デモが遊んでいる。頼りなく傾いた雲に立っている大天使がマリアに告げている場面。大天使はふつう”少女”ガブリエラながら、グレコは少年のように描き、筆使いも荒い。荒いのは地が板もしくは壁のせいかも知れません。彼はルネッサンス期の人で、イェルーン・ボッシュより半世紀ほど後なのでその画風を見ていた筈。場面に漂う雰囲気はシュール・レアリズム的で、ボッシュ的な感じが無いでもない。

昔エル・グレコを習いました。演習で西班牙までこれれば粗相をすることは無かったと思います。マドリード美術館に大作が沢山並んでいた。これらも実感を失って、殆ど忘れている。汗をかくのはそれだけでなく、私は彼をスペイン画家と思っていたんです。案内を当時きちんと読まないから、ギリシャ出身と知る由もない。El Grecoと言う綴りはスペイン語のギリシャを指すそうな。

そんな次第で、ギリシャ騒動トンネルの明かりはいっこうに見えないですね。

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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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