ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Sport スポーツ/ホビー

キムとキャロライン 

久しぶりでベルギーTV2局een(エエン)、CANVAS (カンヴァス)を覗く。前者で最も視聴率の高い19時ニュースを、後者で毎日ある20時Terzake(テルザーケ)と言う時事番組を見る。ルポ新首相のユーロ通貨に関するリヨン会議デビューの報道あれども、熱心に見たのは19時最後のスポーツニュース。

彼女が誰か? ご存知の方は沢山いらっしゃるでしょう。日記8月19日「ハッセルト野外音楽会…」でチラッと触れたキム・クライスタース。半年余り、脚の負傷でベルギー人をやきもきさせていましたが、充分な治療と休養に励み、昨日キャロライン・ウォズニアッキとエキジビション・マッチをした2分ほどのニュースなんです。わずかの打ち合いを見ただけながら、ウム直っているようです。ユスティーン・エナンも復帰して全豪決勝以降に負傷、ほんとにピリオドを打ちましたから、ベルギーの人々はキム最後の来シーズンに心を寄せて期待しているでしょう。

キャロライン(とポーランドでもデンマークでも言いませんが、テニスは英語世界なので)はグランドスラムを制したことの無い世界ナンバーワン。それはそれで話題になり、克服すればホントの一番だ。両親それとも父親のみか、ポーランド移民でデンマークの人。ウォズの魔法使いを思い出しますが、ウォズニアッキ風な苗字はポーランド10指にはいるそうな。

共産主義国家が総倒れした元もとの契機はポーランドです。それはかつて東プロイセン時代から造船の町だったグダンスクで生まれた。1981年頃からのレフ・ワレサ"連帯"の民主化運動ですね。その前後から非常に多くのポーランド人が国外に逃れました。政経共に過酷な時期で、人々は祖国に見切りをつけ…。周囲の西側諸国のもてないとか離婚したとかそんな男たちが休暇にポーランドに行き、若い女性を連れ帰る。愛を装ってでも国外に逃げたかった。勿論ポーランドに限らず、常にそうした商いをする組織が介在しますが。

キャロラインの父親はテニス専門家で、他の世界と同じで我が子を一流にしようと鍛え上げ、成功した人物に思われます。ならば30年ほど前に近くのデンマー クに国籍を得て、テニスパパに打ち込んできた…と想像出きる。キャロライン本人はポーランドの(日本と支那の両オープンを制した)アグニェスカ・ラドワンスカと親 友でポーランド語で駄弁るそうですから、恐らく移民2世と言うことなのでしょう。30年前、西側欧州は移民受け入れに現在に比べると遥かに寛大だった。今は昔…

Kim  Caroline
オリジナル画像が消失。28/01/2012に上を添付。右:全豪準決勝 左:本文通りのエキジビション・マッチ

エキジビションマッチは真剣と言うよりファンに楽しんでもらう試合。アントウェルペンのインドアーですから、キャロラインが負傷明けの先輩に譲ったのかも知れません。とは言え、二人はグランドスラムの決勝/準決勝で当たっており、いずれもキムがあぶなげなく勝っています。来シーズンで引退する予定のクライスタースはそれゆえ負傷治癒に全力を尽くしたのでしょう。

ベルギー側リンブルフ州の小さな街ブレーで育ち、今も住む彼女はテニス史上のユニークな記録を作っています。母親になるので引退して、産後1年で復帰(つまり2年余テニスと無縁)。復帰するなり全米と全豪を制したんですね。母親になって復帰した先例は幾つかありますが、実際に一つの大会優勝した例は無く、グランドスラムなのでよけいに目立つ記録になる。

ベルギー連邦は1千万に少し満たない人口を持つ(10月06日:ベルギーは素っ頓狂ほかご覧ください)。5~600万のデンマークやノルウェイに比べると大国だ。ポーランドや韓国に比べると小人口国ながら、ウーマンテニスに限ると過去15年一流中の一流。フラームスのクライスターとワロニアのエナン、それぞれ3回と7回のグランドスラム勝者。お産後二度をくわえると、ベルギーの人々の郷土愛が高ぶりますね。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

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