ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Here&there lands 雑なるアレコレ大地

[前編:ハッセルト] 仲良し馴れ合い政治 あるいはフリーメーソン暗躍ゴッコ

Hasserte vrijmetselaar Affair Symbol

コンパスと定規とGの組み合わせ。右はペーズリー模様を入れた実物例だが、実用でなく飾り。コンパスは鉛筆を挟んでかくタイプでなく、両方とも鋭い金属先をもち、木や石などに直接円弧を描ける言わばコンパス原型。

角度をかえるには力を要する。つまり簡単に開かないので、寸法を他(石/材料)に移すことも主機能。先をナイフ状にして紙をそのまま丸く切ることも出来て、数個持っていて損をしない道具ですよ。箸代わりには無理デスが…

直角定規は左右同じ長さのタイプ。10センチほどのを私も持っています。独winkelmaßは”角(カド)を計る”と文字通りに言っています。蘭語彙/winkelhaakは計る代わりに”引っ掛ける鉤(カギ)型”と組み合わせ、日本語は”サシガネ”で金属で計ると言う具合。いつも思うのですが、星座Normaをサシガネ座と呼ぶと味がでてくるような気がしますね。

この定規の大工用として一方の長いタイプが普通で、まさにサシガネだ。各種サイズが揃う。この頃メイドインチャイナの軽いアルミのセットとか、水準器付きなど、支那のアイディア商品が出回り、家庭便利常備品として役立つのでは。

昔コンパスと定規二つの道具は石細工に用いて、石工/煉瓦職人に欠かせなかった。真ん中のオッサン氏は19世紀ブリテンの人で、ひょっとすれば煉瓦積み屋だったかも知れない。仲間の会合で、この衣装を着て司祭のような役割をしたのでしょうか。

二つ道具の組み合わせマークとして、鎌と金鎚の組みあわせに続くのでは無いかと思う。共産主義がこの先輩マークを真似たと私には思われる。これがかのフリーメーソン友愛会のシンボルなんです。漢字の友愛は文字通り、友への愛あるいは友との愛だから、歴史にこの種の会/組織が万とある。最近盛んに取り上げられるモスリム・ブラザー・フードも、石工職人道具を掲げるこのフリーメーソンもその一つ。

メーソンはブリテン語綴りmason=石工の仮名読みで、この職業組織をFreemasonry と言う。これでググっていただくと沿革がわかる。国際的な広がりをもつ他組織と異なる独特な発展をとげ、一寸秘密めいています。他と違うエリートのような雰囲気と秘密好きの方には格好のグループではないでしょうか。
Vrijmetslaar 01 Symbol etct

日本刀の鞘や柄(ツカ)、特に鍔(ツバ)は勝れて芸術性が高く、コレクションする美術館が少なからぬあります。西洋太刀の握り部分も同じ意味で、意匠を凝らす。実用でなく王侯の所有ですね。公/侯爵の正装時のアイテムであれば、コンパスとサシガネを器用にあしらった太刀が作られている。

歴史上のさまざまな知名人が入会しています。彼らは最早、コンパスと定規に縁の無い輩ばかりで、しかも職人などと言う分際と遠い。組織発展のために。ブリテン本部はハノーファー朝5代目の会員誘致に成功したそうな。陛下の組織であるならばと、ドーヴァー海峡を超え長い西部戦線に張り付いた多くのブリテン将軍将校達もフリーメーソンの会員だったわけです。

軍隊にフリーメーソン組織があたかもダブってあるような印象を与えた時があったそうです。すると連合軍諸国も勿論同じ事情と想像される。戦後のGHQ進駐軍も当然でしょう。今は昔…ながらも、残滓は見られるのでは。共に戦ったフランスには空からみて分かる記念墓地みたいなのがあるそうで、驚きますね。

Vrijmetslaar Symbol Tomb Kamer

Grand Lodge=大きなロッジと言う組織の語句は各地の本部を言うようです。各国別に国本部があり、州別にその下位本部があるのかどうか…よく分かりません。フラームス語でde Grootloge と綴り、ベルギーに19箇所あるそうです。なお半分はメーソンのワローン語maçonnerie(マッソネリー)でしょうが。とまれベルギー全域にあると言うこと。欧州各国で同じ事情に違いなく、ふっと考えるとゾットする事実ではないでしょうか。

ロッジは日本語で山小屋っぽい気分ですが、簡単な家屋と言うか仕事場と解すべきでしょう。ベルギーのリンブルフ州(マース川東はオランダ・リンブルフ州”と呼ぶ。国境線を南北に見ると、オランダ側を北ブラバントと言い、南ブラバントはベルギー・リンブルフになっていると思います。ベルギー側の州都がハッセルですね。

Willy en Hilde Claes

リンブルフ州の”石工職人組合”本部名をLa Tolérance=寛容と名づけています。会員は地域政経界のお偉方。左の人物を記憶している方がいらっしゃるでしょう。Willy Claesと言うフラーンダレンの人。クラースはご存知、聖人ニコラスに因む苗字。20年ほど前ベルギー社会党から経済相/外相を経て、「たまたまタイミングよく」NATO委員長に就任。1994年からわずか1年だったのはオーガスト-ダッソーの賄賂スキャンダルで辞任せざるを得なかったため。軍ヘリコプター購入の際イタリアからの大枚の賄賂を懐に収めたんです。国内的に被選挙権を5年喪失、社会党に打撃を与えた。ベルギー版の椿山荘の主。

右の女性はHilde Claes、ご想像通り賄賂の主の娘。この一年半ハッセルト市長職。角栄の娘・眞紀子が要職を歩く如し、地方地盤からブリュッセルを目指すと解釈すべきでしょう。ベルギーにも世襲的な雰囲気あり、と言えるでしょう。気分を変えた党名SPaで選挙民に訴えるフラームス社会党はオランダ語圏ハッセルト地域で、なお一番の支持を得ている。

ウィリー・クラースの同僚で前党首のルイ・トッバックは80までレウベン市長をするそうな。あと7年したいわけで、新風が吹きそうに無い。息子は党首を継いで、これも世襲っぽい。労働党や社会党なる政党が地方・国を問わず、政権に長居すると埃垢がねっとりと付く。日本戦後史の”たらいまわし”自民党になる。人間の性=サガ(=saga≠grate history)と言うべきかも…。

父と娘の間の画像は”石工職人組合”ラ・トレランスの徽章。コンパスと定規の両側に立つ柱は集会場内部にあるテンプルと呼ぶ礼拝堂(への門)をあらわすのでしょう。フリーメーソンの入会式や会合最後の台詞は唱える本人も分からぬ奇怪な呪分なそうな。伝統と言うのはその時、分からなくても、徐々に体で理解できるそうです。

外部から伺うと、彼等の儀式はセクト=秘密結社、つまりかのオーム的に見える。いやオーム教と同質と言って良い。父クラースはこのメンバー、娘の亭主Coonenもメンバー。有力新聞の調査記事によると、この地域警察”金の亡者”スキャンダル主謀者Beckersと組織の弁護人Lamon、州判事のRubens もすべからくラ・トレランスの会員になっている。

Hasserte vrijmetselaar Affair 01
Klokkenluiders=警鐘者=内部告発人の4名。左画像左から:Mary-Ann Vonckx (マリアン フォンクス)、 Serge Delvaux (セルジェ゙ デルヴォウ)、 Anita Vanoppen(アニタ ファノッペン)、 Vera Vrancken(ヴェラ フランケン)

一つの警察組織HaZoDiはHasselt-Zonhoven-Diepenbeekと言う3行政区の治安に責任をもつ。ほぼ300名の組織、その6分の1の50名が事務職員。トップはホーフト・コマッサーリス(署長)1名とコマッサーリス(副署長)2名の3頭制。事務担当組織はフランケン女史を部長格に、その下に課長/係長10名ほどがいる組織のようだ。ヴェラを補佐するのが上の他三名だった。

4名はトップの指示による事務をこなすので、全ての流れを知る立場にある。ほぼ十年の間に成長した”金の亡者”の実態に、彼らも巻き込まれずを得ず(つまり目を瞑る代償としてでっち上げ経費を受け取ったとされる)、ついに良心を目覚めたと思われる。4名結束して弁護士を持った上での”決行”。鐘を鳴らすのである。

しかしハッセルトに巣食うエスタブリッシュメントの力の前には無駄な抵抗に思われた。市長から判事、警察、政治家まで、落ち着くべき地位と連携を保ち、互いの保身と相互利益のために動く。多くの警察官・職員も他が享受する”恩恵”を同じようにダンマリ受ける仕組みにどっぷりとつかっている。あるいはベルギーと言う土地柄の一面なのかもしれない。

4名は退職または自宅謹慎措置を受け、土俵際に追い詰められる。民主主義度が高いと思われるベルギーにして、現実は魍魎(モウリョウ)世界だった。金の亡者が連鎖的にひろがり、脚の抜きようがなくなるのだろうか。”石工職人組合”とはつまり、持ちつ持たれつ汚いが甘い汁を吸うための言わば互助組合に過ぎないように見える。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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