ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Miscellaneous Human History 雑史/外伝

誰がために鐘が鳴る カリオンを鳴らし、ピィーピーと笛吹くは敬虔カソリック信者たち

For whom

誰がために鐘が鳴る:この白黒映画のマリア役でイングリッド・ベルフマンはオスカー主演女優賞に初めてノミネイトされたそうな。取ったのかどうか? とまれこの賞を3回取っているそうですから、ハリウッド映画史でも際立つ人。この詩的な題名を含む詩を詠んだ文学者にアーネスト・ヘミングウェイが傾倒していたらしく、それにつられ「鐘を鳴らす人々」に熱心になっています。

元旦の電話が幾つか入り、ああ2012年なんだと気づきました。息子はイングリッド(偶然同じ名)と共に、ニューマルクトと言うアムステルダム人手の出る場所でシャンペンを明けて新年を祝っている。

白ワインで…私も、おめでとうございます。新年の明るい気分に以下の話は遠慮しなければなりません。三が日を明けてからお越しいただければ幸と存じます。外で恒例の花火が炸裂し始めた。耳をつんざく爆発音。年越し蕎麦や除夜の鐘とドエライ違いデスね。はしたなくていけません。

みなさん 良き2012年をお祈り申し上げます。

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教会の鐘が鳴る。時に美しく、時にもの悲しく。悲しく聞こえるのは死者を送る時。我が村でも追悼ミサを終えると、鐘の音が小さな谷間を行ったり来たりする。私は、正午頃の鐘の音を聞くと、亡くなられた村人の霊柩車と家族等の車がどの墓地に向かうのだろう…と奇妙なことを思う。我が界隈に新/旧教の幾つか教会内墓地に加え、整備された広い専用墓地数ヶ所があるからだ。

その一つに大理石の墓標が何列も美しく並ぶ所があり、それらに影を落とす樹齢数百年ナツナラやマロニエを観るために時々そこを訪ねる。墓地と言うのは消え行く植物種がまだ踏んばって残っていたり、新しい北上雑草がそっと忍び込む場所でもある。雑草と過去の実在人物名を観つつ拝みつつ、私の未来も想像してみるのですね。

会葬ホールは明るく、埋葬地は広々として緑がうたれ、人々は小鳥のさえずりを聞きながら、棺に連れ添って歩を運び、やがて一握りの土をかけてくれるだろう。そこに石と厚ガラスをステンレス棒で結わえる小粋なオブジェを添える。私の墓だ。傍らにトチノキを植えてほしい。赤い筋を走らせる白い大きな花びらが集まる円錐形のキャンドルが無数に灯るのを下から見上げる楽しみを想像してみる…。

2003月8月マサチューセッツ州は中北部にある小村/町シェアリーにある監獄でJohn Geoghan (68)が亡くなる。ただの収監所でなく更生センターと名の付くUSきってのモダンなハイテック監獄らしい。にも拘わらず他囚人に滅多打ち?などで殺害されたのだ。何故か?

彼は司祭教育を終えた後、州都"ボストン大司教”管区の六つの小教区の神父=司祭を務めていた。一教区在任中、あるいは他教区に配置換え後、○的○用の噂が付いて回った。1980年初期(彼は40才前半)、教会上位組織への内部告発が出現した。

ハイウェイ・パトロールと言う半世紀以上前のクラシックUSテレビシリーズを覚えている方がおありでしょう。信じられない高速道路網とデカク格好良いアメリカ車と、そのポリスメンたちが始めて私たち日本人の目に入ったのではないでしょうか。TV放送始ったばかりで大変な資産家の友達の家で垣間見た記憶です。 パトロール官3種の神器は首から下げ胸ポケットに収めている笛(ホイッスル)、そして勿論ピストルと棍棒。違反者や犯人に向かい、昔のおまわりさんは必ず笛を吹いた。今は昔…

Whistle-blowerと文字通りの語彙がアメリカ由来かどうか知りません。柄の悪いテキサス野郎がキュートな女性に口笛を吹くのかと思えたり…ですが、先に触れたとおり、この”笛吹き”が独蘭語彙”鐘突き人=警鐘者”に当たる第一義になっている。笛吹き童子の横笛でない、競技会で用いられる”あの笛”と言うこと。

口笛吹き

マンニング(25)君はイラク戦争従軍中、US軍事情報の大部をウィキリークに伝達。ヴァージニア州に収監されるホイッスル・ブロアーである。USアパッチヘリが軍人でない住民を闇雲に射殺するヴィデオなどが公開された。ヴェトナム戦争と同じ性質の告発だが、説得性に映像時代の歩がある…。

このピーピーとやかましい笛によって、ジョンを含むボストン区5名が初めて教会上位に内部告発されたんですね。大司教区執行部は該当神父たちに充分に言い聞かせ、しかし具体的調査せず、制裁罰則せず勿論解職せず、配置換え措置に留まった。臭いものに蓋をする昔から続いてきたやり方。どの世界にも観られる"普遍的"と言いませんが、温情風な妥協…。

既に調査ジャーナリストが動き出し、うわさを検証する著述が刊行され、社会問題化する。同時に全世界のカソリック諸国/土地で同じ”○的なアビューズ≒乱用≒虐待”が一挙に表面化する。教会自身による調査/制裁など自浄活動は生ぬるい。各国に信者ほか関係者のヴォランティア組織が数多く立ち上がり、汚辱に満ちた過去体験を具体的な証言として記録した何千何万のファイルが積もり始める。

一方で、検察・裁判当局が例えば”小児○○”罪で司祭を逮捕/裁判/判決/収監する実例が出始める。ジョン・ゲーガン他5名は初期の実例である。80/90年代の長い調査・糾弾の社会的広がりを経て、2002年ジョンの10年の懲役が決まる。

彼はシェアリーにあるソウザ・バラノウスキーセンターに収監される。(幼児を○対象にする成人男子)ペド○フィレ療法、心理学的分析と治療を受けるが、思わしい結果を得ないまま、ジョセフ・ドゥルースに殺される。ジョセフはしばしば○○愛者に暴行を行う過激モスリムと同じ考えか、あるいは2次大戦ナチスに近い考えの人物だったのだろうか。

ゲルマン民族の勝れた血を選択すると言う狂信的思想によって、1942~45年、ユダヤ人狩りが行われる。同○○・児童○もろもろの○的異端者も同じ理由によって排除されなければならなかった。彼らを親衛隊管轄の収容所に隔離してガス室に送るインフラストラクチャーは警察と親衛隊の責任者ハインリッヒ・ヒムラーによって構築された。

ナチスの悪夢にダンマリを決め込んだとされるドイツカトリック教会が○虐待の嵐のような批判にさらされるのは2010年であろう(参照9月23日: ローマ教皇の里帰り)。ドイツ人同胞ラージンガー教皇の信頼度は1月60%から8月39%に急落。ヴァティカン政庁二位の時、世界から集まる笛吹き告発を巧みに隠蔽していた疑いもある。さもあらん…

21世紀に入り、北の欧州諸国でそれぞれ議会調査が行われ、顕著例はアイルランドだ。アングリカン英国教会の王国連合に海峡を隔てて対峙するローマカソリック伝統国家である。戦後に起こったアビューズ調査が確か数度あり、そのうち二度のマーフィー報告によって、司祭スミスとウォルシュ2名犯罪が知られる。

アイルの司教10数名がローマの教皇べネディクトォスによって解雇されたそうな。多くの司祭が有罪判決を受け、同時に被害者に総額で莫大な賠償金が支払われつつある(最大賠償総額はUSと思われる)。調査をサヴォタージュしたと当時首相ケニーが2009年べネディクトォス16世に噛み付き、アイルランドとヴァティカン双方の大使引き揚げまで問題がこじれた。つい先々年の出来事で、アイルランド教会離脱者が増大している。

12月16日午前10 時半”ローマカトリックRKに於ける性乱用調査コミッティーが1年半の調査レポートを発表。キリスト教民主同盟党員で、前教育相ウィレム・デートマンが一時間の概説を行い、欧州メディアがライブ放映をした。関心の高さを物語る。

オランダ・カトリック司教と僧院らの組織そのものが2010年春に調査依頼をしたもの。ドイツとアイルランドに於ける申請犠牲者数の増加に呼応するように、蘭に於いても勇気を出し過去体験を公に訴える人々が続出したのだった。議長他5名委員、補佐スタッフ+事務局からなる調査活動が昨年5月にスタート。戦後から今日に至るまでの期間、法的に殆ど時効になっている地道な聞き取り・検証調査だ。

この間にベルギーに於いてもロジェル・ファンへルーゥェ(68才)司教の過去告白と辞職がある。衝撃が広がった。若い時の姪/甥らとの戯れで、直ぐにローマがこれを認め、メディアの追跡から身を隠すため彼はフランス僧院を渡り歩いていると言う。訴えられる前に罪を認め、司教区を退いたが、司教という職は剥奪されなかった。フランスの"隠れ僧院"にて民間テレビのインタヴューに丁寧に答えている。しかしこれをベルギー一つの追求組織は全く認めていない。彼の幼児たちとの接触話がありえない綺麗ごとだからだ。犠牲者一般例に見つけられない内容だと言う。

皇太子フィリップとマチルダ婚姻のクワイア(教会コーラス)指揮を務めたロベルト・ボッレマン(57)神父は2年半懲役判決を受けたが、告発者(30)がライバル男子への妬みからでっちあげ・作り話だったと証言した。既に多くの司祭たちが実刑判決を受けているが、こう言う世界の人間模様が絡むとややこしくなる。ホモを声明する聖職者は今後受け入れられていくと思われる。

素っ頓狂ベルギーらしく、カトリック組織自身の調査進行中の資料が法務検察当局によって押収され、彼等の調査がストップさせられた。教会側が検察に抗議して、複雑な様相を呈した。○モ○△ビの世界では常識と思われるが、ベルギー最高検の一人が少年に対する成人男子の''強○"やペネット○レイトは語義上矛盾だが、性学上充分に認められる…と分かるようで分からない解説をしている。”王に指名され王に仕える”検事と言うような大げさ古色蒼然としたベルギー連邦法務システムは(部外者には)不思議なトンチンカンな存在に見える。

デートマン・レポートは過去半世紀の埃が溜まる教会記録と告発者証言と、関係者聞き取り証言らの具体的事実の総合であるそうだ。1万から2万と言う巾の広い犠牲者数ハ何故か、○行為の細部にわたる定義、犠牲者の自殺比率の多さ、行為の度合いと継続期間に比例する賠償の考え方など多岐にわたるようだ。更にカトリック教会の汚物を穴に埋める体質や、犠牲者援助の不十分な現行社会法整備を指摘している。

委員メンバーに心理学、性、教会史、犠牲者サポートなどの学者が揃いバランスの取れた報告書に思える。しかし、犠牲者のある会はレポート公正さを認めないと言う。なぜならレポート依頼者が当のカトリック組織であり、資料の公開性に疑問があるためだろう。

聖人も○坊主も一緒くたの闇の宗教世界だけがこうした事件で糾弾されるのではない。法はなんびとにも公正に適用される、されなければならない。とは言えローマカソリックに限ると、お爺いさんである親分が一つ咳をしても世間に余波が伝わる影響力を持つ。何でも16億の信者がいると言う。教皇を補佐する100人弱の枢機卿とその管轄行政組織が世界に張り巡らされている。世界にいったい何百万/何十万の聖職者がいるのだろうか。

カソリックの説教をたれる人は本来男子に限られ、司祭職は独身でなければならない。ミサ待者も本来少年である。神と関る組織だから「神話のような」世界には違いない。神話に同一性間の愛は普通に登場する。しかし21世紀現代と同じで、○児○は許されないのだろう…

アメリカ/カナダ/アイルランド/オランダのこれまでの調査統計によると、聖職者(男子)の4~5%が○○乱用を行う数字が出ている。世間一般の○犯罪統計と比べて同じならば、納得がいく。それより高いならば、独身制度の弊害が考えられる。低い場合、カソリック者の高潔さを認めなければならないのでは…。

七千人ほどの小さな町シェアリーはボストン大司教区に多分属するのだろう。その小さな幾つかの教区で30年カソリック神父として勤めたジョン・ゲーガンは2003年8月に亡くなった。彼のために更生監獄センターのチャペル、それともシェアリーの小さな教会の鐘が追悼の音を響かせただろうか。

【追伸:<わいせつ、もしくは公序良俗に反すると判断された表現が含まれています>と言う赤い警告が出てUPされません。文脈と無縁な語彙選択による警告。"表現の自由"の束縛で、苦労します。デモ○印部分はお分かりいただけますね】
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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