ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Nature 雑草 フローラ/ファウナ

雪かぶり 香りしたたか ローズマリー  

ローズマリーが雪をかぶっている。鮭切り身をオーブンで焼き、ワインのつまみにと思い、一枝を採りにでる。うちつづく冷え込みに香りはどうだろうかと、一葉を指でこすり、かいで見る。春夏の普段と変わらない感じがする。人の鼻も冷え、鼻水を出そうものならカチカチ凍りそうで、匂い具合を当てにできないが…。

Rosemarijn 03

ローズマリーは台所でもっとも用いられる薬味ではなかろうか。元々地中海周辺に育ち、北国に強い改良種のおかげか、ブリテン・オランダ経度あたりで平気で花を咲かせ、小枝を折ってそのまま料理素材の上に置いたり出きる。数ヶ月前、鉢植えローズマリー5ユーロほどを見かけた。この十年くらいだろうか、ローズマリーが日常的な台所用の小木になりだした。

私の一代目ローズマリーは10年前にトリノ中心ロンバルディアから知人が持ち帰った一株。花が咲き、順調に育ち、背丈60cmになった。8年目に何故か枯死した。しかしワイン瓶に取っておいた数枝が根を出し、2代目を半影に移植したのが根付いていたのでホッとした。1代めは知人の兄が住む山のもので、改良園芸種でない。こんな寒波だと、やはり影響を受けるのではないかと心配する。ローズマリー自生種の血なのだから…。寒さしのぎの囲いをすると良いかも知れない…。

伊太利亜と希臘(ギリシャ)も数十年ぶりの寒波で大雪とツララに襲われている。家庭菜園の本場ローズマリーは、耐寒性ある園芸種でない筈だから、驚いて縮こまっているかも知れない。北欧やシベリアの住民は氷や雪におどろかない。南欧の人々は慣れないので、ビックリする。植物も生き物だから、同じ理屈が当てはまる。

Rosemarijn 06


ローズマリーの英つづりはRosemary。思いつくままに他言語を並べてみよう。 伊太利亜→Rosmarino / 丁抹(デンマーク)→Rosmarin / 捷克(チェコ)→Rozmarýn lékařský / 露西亜→Розмари / 阿蘭陀→Rosemrijn / 日本→万年朗 / 葡萄牙(ポルトガル)→alecrim / 仏蘭西→Romarin / 土耳古 (トルコ)→Biberiye こんな塩梅になる。露つづりは読めないが、露の翻訳する人に聞くと、ロゼマレーのように言うそうだ。

名前の発祥が同じだから、欧州系もスラブ系も似た様な綴りだと思う。葡萄牙と土耳古の綴りにローズマリーの面影がないのだが…。薬草としての学名をRosmarinus officinalisと記述する。後者は薬として正式に用いられてきたと言う意味である。前者は属名で、二つのラテン語彙ros とmarinus からなっている。”海の露”と訳せる。暖かい地中海性気候に育つ常に緑葉を持つ樹である。海の色のような青紫の花からの連想だろうか。あるいは地中海沿岸に咲く花を”露”に見立てたものか。

ローズマリーは海の露なのだ。”海の露”の葉(+小枝)が放つアロマが強く芳しい。近い仲間にヒソップと言う一見やはり針葉樹っぽく見える小木がある。雄蕊の長いなかなかの花で、花色も青紫で似ている。だがこちらの薬味はまろみある香りで、強さを感じない。つまりローズマリーの烈しい風味が料理/台所で愛される理由である。

Rosmarinus officinalis  001 Rozemarijnmaマンネンロウ属マンネンロウ Cooseup

海の露が"薔薇と聖母マリア"Roos+Maria"(蘭)"Rose+Mary(英)の意味と綴りになるのはリンナエウス(=リンネ)が学名として命名した後である。二つの語は直ぐに結びつく連想ですね。可愛い花の名が女の子の名前になる例としてローズのほかデイジー(ヒナギク)が知られる。ローズとマリアとの組み合わせは聖母のような慈悲に溢れる薔薇のような美しい女…マア左様な親の望みと言うか、欲張った名前ですネ。

女性名ローズマリーが新生児名に登録されるのは第一次大戦前からと思われる。今から百年ほど前ですから、女性名ローズマリーはキリスト伝統名でないと言うこと。独蘭英に於いて、少なくともその頃から女の子に付け始められた。もはや原意″海の露″と無関係。独蘭名に綴り変化が幾つか見られる。その一つはRosemarie、yに換えて ieだが、省略形としてRomyやRomieが特にドイツで流行ったようです。

海の露と言う綺麗なイメージと違い、薔薇とマリアならば負荷が大きすぎるかも…。音節も多く、何かシンドイ。そこで文字抜かしでRo-m-yと1音節に短縮してみると、呼びやすく新鮮な可愛い感じになる。何故、この愛称がドイツだけに留まったのか、不思議な気がする。

Rosemarie Magdalena Albachと言う女性について、思い出す。二つめはキリストの妻と言われる女性名、三つめはオーストリア地名(Al+ bach)? 雪をかぶってもローズマリーの緑はしっかりと輝き、香りはいつまでも心に残る、、、そんなイメージを彼女に掛けて、次会に触れてみます。



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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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