ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Politics and economics 政治/経済

ユネスコの口承無形文化財 アールストのカーニバル

カーニバル2月19日・日曜日、時々雪と雨。サテライトニュースは世界各地のカーニバルの様子を伝えている。リオデジャネイロは昨日の土曜から始めたのかな?それとも時間差のため、日曜日なのかも知れない。ベルギー19時のニュースは毎年必ずアールスト(Aalst) のカーニバルの光景をながす。ベルギー1の規模、大掛かり、観衆多し。

Aalst in Oost Vraanderen


アールストは地図のX印位置。上半分であるフラームス言語圏の東フラーンデレン州の区域。デンデルと言う川に沿う幾つかの街を束ねる。右下の小さな囲いはブリュッセル域だから、おおよその見当を付けられる。1次大戦後にカーニバル準備委員会が市の機関になって以来、地元お越しの手段になり、2次大戦後にアールストと言えばカーニバルと言う知名度を確立した。カーニバルを支えるカトリックの教会が目立って多い点を除き、ほかにどんな特徴があるのか良く分からない。
Aalst 01 collage


フラーンデレンは中世以降、織物で栄えた。例えばスコットランド羊毛の買い手はフラーンデレンだった。ルイ14世のフラーンデレンへの度重なる関心はこの産業故である。東インド組合会社が大名や将軍におくった飾り織物はフラーンデレン製のものだ。
低い地域の織物産業は1970代に斜陽になり、アジア開発諸国に肩代わりされた。現在の具体的なことを知らない。アールストの北に東フラーンデレンの核都市フェント(Gent)がある。ハイテック農園業に於いて欧州の雄だ。

Aalst 02 collage


フラームス語はオランダ語の変種と言える。発音や会話の調子が一味異なる。一例としてvanを見よう。vanは~のと言う意味で、英語ofのように用いられる。ところがフラ-ムスの苗字に入る場合、前後固有名詞と連続して綴られる。数世紀前の家系が北のオランダと南のベルギーに分かれると別の発音になるわけだ。

何より異なる点は女性の声音質に顕著にみられる。喉にひっかかるような擦れ音で、オランダ女性のそれより明らかに低い音域になる。語彙の構成的差異が音を作る器官に構造的変化をもたらしたのだろうか。では何故、女性声帯にのみ影響するのだろう? 両者の違いを聞き分けるのは簡単だ。蘭と白との数名づつのニュース読み手を比べるだけで充分だ。

Aalst 03 collage


アールストのカーニバルはユネスコの口承無形文化財だと言う。世界文化遺産を知っているが、これは初耳。ユネスコはさような指定をする官庁らしい。8万人口の街が税金つかって行う祭だから、言わば信州山岳の高山市の洒落た鉾祭に匹敵するのかもしれない。山車の精巧なつくりは定評がある。

2年前選挙で、フラームス(V)のキリスト教民主党が圧勝した。他党保守を集め「新フラーム同盟(N-VA)を立ち上げた。既に4年市長を務めるのはイルゼ・ウイテルスプロトで、いま彼女はN-VAに属する。法律を学んだフェント大学卒業後、元市長の父親家業を継ぎ、アールスト市議会委員などを務め、40代初めに8万人口の市長。離婚して子供2人と言うので、高教育を受け働き盛りの平均的独立女性になる。

市長であるので、警察・消防・総務など基本行政部門の他に情報・市のプロモ-ションにも責任を持っている。住宅とか文化いろいろ他部門は副市長や常務執行役員が責任を持っている。街の宣伝も市長の役職だから、今年のカーニバルは‘‘‘若き貴族の奥方‘である。リンブルフ州都ハッセルトの市長は‘黒幕‘クラースの娘ヒルデだが、イルゼの場合も多少似ている。体躯はご覧のように、がっしりとした女史で、小柄細見のヒルデと対照的だが…。 

イルゼ女史のまとうのは奥方の衣装らしい。ドイツユンカーのユンカーは貴族と解釈される場合もあるが、地主でふだん農業を営み、ことあると戦いにはせ参じる田舎騎士階級だった。これに相当するフラームス語はJonkheer(ヨンクヘール)、その上さんはJonkvrouw(ヨンクフラウ)。19世紀ベルギーで貴族称号になっている。苗字に名残としてJonk(ヨンク)Junkers(ユンカース)Jonker(ヨンカー)などがある。

王侯貴族子女が嫁ぎ、旦那の死で出戻りする例は寿命の短い時代の常だった。そして直ぐに女房を無くしたヨンクヘールと再婚/再々婚となった。現代のヨンクフラウは出戻りでなく、三行半ももらわず、自分の意志で(子持ち)一人になる。独身貴族を謳歌するとは、実は離婚後を指すのである。結構な市長手当てがあるウイテルスプロト女史がヨンクフラウとしてカーニバルに出演するのは誠に自然なのである。

[蛇足]
イルゼとヒルデは親の七光りと言うより、(地方)政治家の家庭に育ち、最も慣れ親しんだ世界に身を落ち着けていると言う印象を受ける。北の兄貴分オランダでほとんど聞かない。南のある意味での`後進性`である。それを‘素っ頓狂‘で私は括っている。しかし地盤継の2代目3代目がウジョウジョいる日本事情はベルギーどころの比ではない。日本政界の後進性だ。と言うか、世襲によって地域人間関係と利益配分を固定維持するメカニズムが働いていると言うこと。これは革新左派(ヒルデ:社会党)、保守右派(イルゼ:キリスト教民主)と無関係である。厚顔無恥でなければ成立しない世襲的頑迷の世界なのだ。従って、イルゼもヒルデもカッコ良い演説をしても、政治家ならぬ政治屋の類である。

以下画像はヴェネチアのカーニバル風景。
水に挟まれ、沈んでいくような異国情緒が一杯。
Venetie 01

雪がちらつく、現状イタリアに相応しいブルッとくる。
Venetie 02

ヴェネチアは仮面のカーニバルだ。
Venetie 03

伊太利亜の人々がみっちり用意した衣装の豪華さは、暖かいブラジルのへそ丸出しと違う。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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