ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Politics and economics 政治/経済

3月11日は東北大震災の1周忌

明日3月11日は東北大震災の1周忌だ。東北各地現場で、また全国で、東北大震災の慰霊・記念行事が行われるのではないでしょうか。世界のメディアも特集を組みますね。

サテライト主要局の大抵は数名を常駐させ、様々な視角から追跡報道をしてきました。あらゆる場所と時間を含む克明な動画を駆使し、それぞれの視点を添えたドキュメンタリーが世界の多くの配給企業から放映される筈。

120310 Tohoku Earthquiake Map 03
These images are in the public domain of the WikipediA

老舗CNN、台頭著しいAl Jazeelaなど特集番組を予告。ナショナル・ジェオグラフィックは明晩、大作を放映すると盛んに宣伝している。科学的側面に焦点を当てるのでは…。また各国のキイ局によって特別な関心が寄せられる…。

津波を遠い過去に経験したことのあるアメリカや南米東部沿岸諸国も我が身の問題ですから、日本のその後と今後を注目しない筈はない。それら番組はあまりにも多いのでカバーすることは誰にも出来ない。とまれ、凄まじい惨状と犠牲者数にくわえ、これら今後の展望と``日本民族の選択‘‘についての放映ドキュメンタリーの市場価値は大きい。

犠牲者の数を見ると、インドネシアやマレイシアの津波の方が今回の10倍以上と思われる。予防策の無い国で発生する人災的な災害である。数年前のシリア第2の都市(今激しい政権軍の砲撃が続く)アレッポと、西インド諸島ハイチとの地震における死者/行方不明者数も桁違いの数か、あるいは東北震災約2万の数倍と思われる。

すると地震だけに限ると、シリア・ハイチの数万(数十万?)犠牲者数に比べると、その直接犠牲者をほぼ防ぎ得た点を評価しなければならない。しかし地震によって発生した想定外の津波対策がなかった。学者と原発施工運営者と政府と…諸々の事情が絡み合った`大漏れ`だった。*[蛇足]

対策を十分に練っていた先進地震大国であった。しかしTunami語彙のオリジナル国家にも拘らず、恥ずかしながらも先進津波大国でなかったのだ。それ故に連鎖して発生した福島原発災害にも無策だったと言うこと。 これに政権の危機管理能力が関係する。この部分が同じ原発先進国である欧米政権にグサッと来たことを私は強調しなければならない。

確かに管政権はうろたえ、為すべきことを円滑にできなかった。政権は適格な情報をえず、進行する原子炉事態に対し原発専門アドヴァイザーも内閣に殆ど助言を出来なかった。ハインドサイトは政治に常に出てくる便利な言葉で、結果論から言えばカクカクシカジカと言う論である。世界の専門家から続々集まる意見・助言も有効でなかった。彼等はハインドサイトの焼き付け刃意見を述べたに過ぎないように思われるが、どうか。

もしも同じ規模の津波がUS東部海岸を襲いカリフォルニア原発を破壊したとしよう。それは大いにあるうる話だ。オバマ政権は迅速に打つ手を採れるだろうか? 1988年師走に、UKの小さな村ロッカビーにパンナム乗客機が墜落。リビア・ガダフィー政権テロの結果、隕石衝突後のような大穴を作り、住民生命を巻き添えにし、凄まじい破壊力を世に知らしめた。もしもそこに原発があったならば、ダウイング通り10番の主は適切な措置を採れただろうか?アイアン・レイディーことマーガレット・サッチャー女史すら手におえない``フクシマ``になったであろう。

オサマ・ビン・ラーデンの如し周到な計画テロ成功と、例えば飛行機墜落による原発サイトの直撃は想定外の津波と似たような確率かもしれぬ。さような想像力を働かせることは大事だ。と言うか必要である、とくに国を預かる政権担当者にとって。アンゲラ・メルケルおばさんが果敢に素早くとった原発延長稼働決定の白紙化はこの想像力の結果である。[参照2011-08-13フクシマがドイツを変えた]

東北の災害は人災による面が大きい。議会の法整備と官僚の政策実施が`想定外`に対応できなかった。また地震学者や(列島変動の)文献研究者のリスク・イメージの欠如だった。さような想像力は神だけに属するものかも知れない。

普通の人々のように地震・原発を知る知識人もふっと気が付いてみれば、総エネルギー30%を原発に依拠していた事実に唖然としたのではないか。そして原発は安全なのだと誰もが信じてきた。神話が崩れた3.11以降に専門家も分からなくなったのである。経済と政治の運営効率、、言わばコストパーフォーマンスの選択結果であったに過ぎないのだが。

以上これらのハインドサイトは日本を含む先進西側諸国に共通する。手短に言うと、日本の津波―原発事故は想定外と言う嚆矢(カブラヤ)になったのである。東北`人災`が彼らに警鐘を打ち鳴らしたと言うこと。ドイツスイス→イタリーの採った予定稼働期間後の原発サイト破棄はチェルノビル後初めての比較し得る核事故に見舞われた日本の`功績`と言えよう。

Tohoku Earthquake Collage 01
右; 津波の一年後の日本と題する蘭主要紙フォルクス・クラント掲載

印刷メディア新聞雑誌、特に今日明日の世界の新聞は地震・津波・フクシマの記事で数頁を費やすだろう。地方新聞でも取り上げるから、同時中継で伝えられた膨大な映像が一役を買った言うこと。映像インパクトと内容の濃さ…。自然災害と人災、そして政治とエネルギー政策。

英語のジャパンを始めにして、あらゆる言語の`日本`がかつてこれほど語られたことはないと思われる。日本人がこうした外からのレポート(観察と批評)を眺め読むのは、自身を照らし顧みることになる。


[蛇足] 政府にも東京電力にもドラーイブックがなかった 

Draaiboek(ドラーイブック)はオランダ語彙。draaiは回る/回らせると言う意味。日本語にネジ回しを指すドライバーと言う仮名語がある。球に回転を加えるdriveからの名詞化転用だが、おなじ状態を示している。ドラーイブック熟語の本意は「首尾よく回転するための本」である。意訳すると「上手に事を運ぶための本」となる。漢語を連ねると「指針書」とか「行動計画書」のような感じになろう。

面白いことにDraaiboekに相当する語彙が姉妹諸語である独/英に存在しない。この蘭語を独・英辞書で引くと、出てくるのはSkript/Scriptにすぎない。いずれのスクリプトも「書いたもの・手書き・文書」が第一義である。即ちオランダは近似言語にない概念を日常語にしているのだ。

日常生活の様々な場面にドラーイブックは登場する。子供の小学校の遠足や祭について、いつ準備をはじめ、誰が下見をして、雨の場合の代替案は、途中子供の事故が起こった時の連絡先、などなどを過去の例と体験を見出し箇条書きした虎の巻なのだ。親戚会や同窓会、サッカークラブの年末パーティーなど。チョットした組織ならばドラーイブックを持っている。

企業ならば、ドラーイブックはビジネス行動計画書である。あるいは工場で突発事故に対する行動指針書になる。誰が何処に連絡するか、ある事態が起こった時に為すべき優先順序が記されている。採るべき動き・行為が上手に回らなければ、その企業活動は停滞しよう。(いくさの場合は様々な展開を織り込んだ柔軟な戦争遂行計画である。)



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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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