ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Ordinary People 雑人雑名

マリーヌ・ル・ペン フランス大統領選

マリーヌ・ル・ペン(44)と言う女性、なかなかの偉丈婦です。スイスのトンネル事故と並んでのニュースは彼女についてだった。フロント・ナショナールと言うフランス極右政党の党首ですから、偉丈で勇敢で、口が立たねばならない。

あの日のニュース価値は彼女がフランス大統領選挙に正式に認められたと言うことだった。正式? 真の民主国家は選挙手順の公正なルールを持つ。フランス大統領の例では、500名の地方議会メンバーの署名を得れば立候補できる。ただの署名ならすぐ集まるので、その署名者の身元確認が署名簿申請後に選挙委員会によって行われる。

Le Pen 01
インタヴュー場面の字幕; フランスの一市民で、同時に子供を持つ一人の母親です。

もうひとつ重要項目がある。候補者の選挙費用(候補確定後に得る政府資金と個人資産や寄付金)の詳細開示が選挙後30日以内に必要。もし資金内容に不正があれば、1次選挙を通過していても失格になる分け。他の条件、例えば選挙違反に当てはまる細かなルールなども定めているらしい。各当する証拠が挙がれば、やはり失格する。例えば先月の露西亜大統領選の例を当てはめると、プーティンは即刻、失格になる。

フランス国籍を持ち、税金支払いを滞納しない成人なら、誰にも等しい大統領立候補資格がある。しかし売名や宣伝を目的とした泡沫候補を防がねばならない。全ての条件をクリアーすると、正式な立候補者として公式発表されるんですね。マリーヌはスイス事故のあった日にそれを認知された。インタヴューの声は溌剌として、抱負を語っていました。

フロント・ナショナールを日本語でどう訳されているのか知らない。前衛的国民戦線…そんな感じでは。とまれフロントだから、突出していて右傾の保守。真正のフランス国民が優先されなければならない。イスラムに対して厳しく、移民の規制は重要なスローガン。[参照;欧州の極右] 彼女の父親ジャン・マリーは党創設者で、欧州諸国の極右政党の代表的人物の一人として名高かった。これまで何度も大統領選に出ている。いっとき、20%近くの得票率を得たのではなかろうか。数年前、高齢で引退。

マリーヌはその後の党首選で選抜された。やはり育った水の良さと言うべきだろう。世襲のようで世襲でない…。なぜなら、極右政党とは一般にカリスマ的個性の強いリーダーによって存在する。ベルギー・オランダ・デンマークすべからく例に漏れない。オーストリアの場合、ハイダーの事故死後、ぱっとしない。言い換えれば極右政党に於いて、創始者が健在の時、下位の重要メンバーが「民主的なリーダー選挙をすべき」などと下剋上をもくろんでもマズ失敗し、党外に放り出される。

ル・ペンが出たので、今現在、4つ巴である。一週間前にあげた二人の女性カルラ・ブルーニとマリィ・セゴレ・ロヤルのそれぞれの新と旧の旦那が既に名乗り上げている。ニコラ・サルコジー(57)とフランソワ・オランデ(58)の狸のような粘り政治家二人。もう一人は極右に対する極左のジャン・ルッチ・メランション(61)。共産党がまだ生きているのだ。それは社会党の左派票と重なるので、オランデにとって悩ましい。

マリーヌの敵と言うか票分捕り合戦の相手は現大統領である。当初、オランデに後れを取ったサルコジーがグイーッと右に急旋回して、フロントの株を採っているのだ。ニコラは中道左派や急進左派が決して採れない激しい移民受入規制を言いだしたのだ。ホットな話題で、軒並みに各国極右党派が着実な支持を得ている。サルコジー陣営(UMP=保守中道右派)の的確な作戦と言うべきだろう。

現在の年間18万人を10万に抑えること。さらに移民資格を得ても10年後にしか(失業の場合)社会保障を受けられないこと。オランデは移民と労働者及び左派知識層を頼りにするのに対し、反イスラムと移民嫌いの保守票を呼び寄せる巧みな選挙戦術だ。これではフロント・ナショナールは戦いにくい。

頻繁に選挙調査結果がでてくる。現政権にスキューされたロシヤとベラルーシのような似非民主ではない。公平な選挙戦である。現在のところ男性二人のわずかのアップ&ダウンが伝えられている。ル・ペン陣営がどんな戦術を展開しているのか? 普通の健全な主婦イメージで穏健保守層を取り込む戦術なら、サルコジーの幅広い保守層を逆に奪えるかも知れない…。彼女に並び11%ほどがメランション支持だ。この数字に私は少し驚いている。極右が流行れば、むろん極左も出てくるのだけれど…

急進的または本来の信仰に忠実なモスリム女性がまとう(全身を隠す)グルカは禁止されたようだ。サルコジー・フランスが欧州初めて施行し、EUスタンダードになるかもしれない。そう概観すると、大統領選は一筋縄でいかない。オランデ陣営は、マリーヌとニコラが分捕り合戦するならば、棚から牡丹餅なんて望んでいるかも知れないが、より左のメランションが彼を引きずる。

選挙とは蓋を開けねば、分からんゾ。と言うのもまた真である。3つ巴または4つ巴? 前回サルコジー国民戦線とマリィ・セゴレ・ロヤル社会党左派に対し、3位ながら健闘したフランソワ・バイルが再び立つのかどうか知らない。とまれ4つや5つ絡みだから、4月22日一時選挙で独りが過半数を採ることはまずない。5月6日の二次=決戦選挙に成る。2期目か、新人か、サア欧州政治の節目ですね。

関連記事
スポンサーサイト
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment form













管理者にだけ表示を許可する

Profile

ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
この記事にリンクを貼る

Designed by Shibata

タグリスト

access
access online
現在の閲覧者数:
Latest trackbacks
Search form

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ