ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Ordinary People 雑人雑名

行く人来る人 ドイツ大統領

Joachim Gauck 03

先の日曜18日にドイツの新大統領が設置された。米仏露と異なる職で、政治的権力を一切持たない。儀礼的名誉職で、願わくば道徳的規範になる人物であってほしい…。ホロコーストを経験したドイツとその犠牲者民族であるイスラエル、ややそれに近いポーランド、さらにアイルランド/アイスランドなどが儀礼大統領制を定めている。世襲君主制を残す諸国に対して、共和制(英;=リパブリカン)の選挙で選ばれる任期制の職制。欧州圏内に限っては21世紀に成り、まず民主的に機能している。

共和国と名乗る旧共産圏または現共産国家群の大統領(≒主席)は程度を違えるが、殆ど独裁者に近い。半世紀の共産主義体験が大多数の人々に根付き、民主主義の理解と実践は言葉だけに留まっている。実感していないから、分からない。白ロシア(べラルース)のルカシェンコ大統領は東欧に於ける最後の本物`独裁者`と言われる。アラブ圏も東欧旧共産圏に似ている。アラブ蜂起によるチヂニア・エジプト・リビアが本物の民主主義になるかどうか…。

ヨハヒム・グァウク(72)と言う人がドイツの頭に18日選ばれた。CDU/CSU+FDP保守連立内閣メンバー党にSDP+Grunenなど野党の大多数支持を得た。連邦と各州の両議会メンバー合わせて1228名の投票で991票を得た。これまでの前任者11人の内で党派色の無い珍しい例と言われるが…。

前回選挙2010年に於いて社会民主党・SDPと環境党Grünenの支持を得て、クリスティアン・ヴュルフと決戦投票まで争った当人。旧東独DDRロストック市の神父からDDR崩壊寸前、自由を唱え議員に当選。東独時代、父親がシベリア送りにされ、その父の影響を強く受け共産党に入るのを拒み、信念の自由主義者であった。

Joachim Gauck 04

宰相メルケルがSDPに推されたグァウクを金輪際こばみ、党友ヴュルフに固執した前回は勝利にこぎつけた。だが、ネーデルザクセン首相時代のこせこせした役得(≒汚職)が明るみに成り辞職せざるをえず、明らかにメルケル執行部の見間違いだった。彼女は党派より人格だと、学んだかもしれない。女の浅はかさではなく、党派政治にこだわり過ぎた。

今回もアンゲラオバサン、誰か他をさがした。何故か? 彼女も東独出身。同じ共産政権を体験しているから、++/--の磁石ように反発するのかも…。しかしヴュルフの前も失敗して、オバサンにすりゃー三度目を繰り返すわけにいくまい。そんな塩梅で18日大多数を得て承認を得たグアウクに花束と祝福を贈ったわけだ。

ヨハヒムの後ろに、強力な後ろ盾をする緑党々首ルナーテ・クーナストが見える。とは言え緑党と`連合90`会派は野党で最も小勢力だ。かつてシュレーデル内閣で連立を組んだ頃ほど勢いはない。グアウクは党派色がないと言われるが、2月のグリューネン党大会で一石も二石も打っている。根っからの左翼の人かもしれない。

Joachim Gauck 10

彼はたしかエーリッヒ・ホネッカー退陣前後、抗議デモを組織して、東独崩壊に力を尽くした筈。統一後、グァウク機関と言われる東独秘密警察シュタージ(Stasi)ファイル管理と調査の大組織をヘルムート・コールから任された。自由への闘士と言われ、旧東独人として頑固な珍しい人物に思われる。

前任者ヴュルフより20才年長。逆に前任者のふつつかが目立つのだが、グァウクはキャリアーから想像すると言いたいことを言うタイプかも知れない。先妻と離婚後、ジャーナリストであるガールフレンド(50)ダニエラがあり、大統領になるのだから、結婚してほしいと野外席の声が高い.。

過半数ドイツ人は女友達の独立個人性を尊重して、そのままラット関係(=Living Apart and Together=結婚せずに自由に性交渉を持つカップル)で公式行事に望めば良いと考えているらしい。60年代までホモを罰則とした国が半世紀後にここまで変わったのだから、驚くべきことだ。

左様な熟年者男女の在り方がフランスでもドイツでも市民常識となっていると言うこと。様式とは言えない。(熟年)離婚が普通になり、互いに新しいパートナーと新鮮な生活を始める権利、、、と言うか心地よさは万人に了解されよう。

一夫一婦制を死ぬまで維持しなければならないと言うのは大方の人にとっては困難である。大統領であろうが、君主継承者であろうが、再婚あるいはラット関係は国民にとって、もはや好ましい/好ましくないの範疇外になったと言うことだ。ごろごろ転がる日常茶飯事なのである。

個人の自由、個人の尊重、この観点からヴュルフもグアウクも離婚して、結婚とラット関係をそれぞれ選んだわけだ。しかし両者のコントラストは著しい。戦後生まれ52才と戦前生まれ72才、自由西独と共産東独、政治家と宗教職、芝居がかりの偽善者と一徹な頑固爺…。

ヴュルフ・スキャンダルのきっかけを作ったドイツ1の大衆タブロイド紙ビルトはグァウクについて「心を持つ大統領」と、高級左派週刊誌シュピーゲルは「前任よりベターな大統領」と歓迎の辞を贈っている。左右を問わぬ殆どの国民も同様であろう。

ヴュルフは新妻ベッティーナと`大統領夫妻`として任期の半分を満喫したそうだ。任期満了の前任者すべてが厳粛で壮麗な退任儀式をその官邸前広場で受けている。主要閣僚や大統領経験者、知名人と一般参会者を迎える軍隊出演の行事である。晴れの就任式に対応するのだから、マア当然ですね。

Joachim Gauck 09

ヴュルフの場合、幾つかの腐敗訴訟が今後まっているので、上述の殆どが欠席している。11人統領史で初めて奇妙な夕べの行事だった。党友で最大支持を行った宰相メルケルも不在だった。ドイツ国家一の権力者である宰相不在の大統領退任式は異例中の異例なのだ。それ故であろう、彼は僧院でしばらく生活すると伝えられた。今時、時代遅れの発想に思われるが、彼は敬虔なキリスト教者である(ことを示したい)。

スキャンダル浮上後、やましいことをしていないと大統領は繰り返した。同胞の人々に、いつも白々しい感じを与えるようだった。証拠ある事実と異なるからである。これを見聞して、私はつい小沢一郎を連想してしまう。軽率で白々しい裁判場面の証言がヴュルフと重なってしまう。こう言う人を選ぶのは選挙民なのだ。ネーデルザクセン人と岩手県人が同じだと全く思わぬながら…。

数年がかりになるかも知れぬ裁判に於いて、もしも有罪が立証されるならば、52才にして受け取る年金2千万ユーロが減らさるのかどうか、不明である。嗚呼、それでも大統領に成りたいと下々は夢見たりする。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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