ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Nature 雑草 フローラ/ファウナ

梅と桜 梅の実やサクランボ

京の北野に白梅町(ハクバイチョウ)と紅梅町(コウバイチョウ)と言う町名があると思う。それは北野天満宮の紅白の梅の木からでは…。確か相当な古木が植わっていたのだが、半世紀前の記憶だから、今はもう寿命が尽きたのかも知れない。サクラに比べると長寿するといわれるが、平均寿命について知らない。下の画像は友人から送っていただいた三月初めの`初梅狩り`の様子。

紅白の梅 北野天満宮 Collage 01

右の枝が斜めに画面を二分している様子はファン・ゴッホが北斎だったかの浮世絵を真似た習作を思い出す。ほんとは、北斎の浮世絵構図を思いださねばならないが、ゴッホ美術館(またはクルル・ミューラー美術館)やカタログでしばしばその真似画を見るので、つい順序が逆になる。もし北斎のオリジナルならば、欧州印象派の度肝を抜くきら星のごとく彼の作品群があるから、大目に見てくれるだろう。と言うか紅梅の絵がどれだけ深くヴィンセント・ファン・ゴッホに突き刺さったかを想像するのである。

友人夫妻は初々しい出たばかりの梅を満喫したと言う。菅原道真を祭る天満宮は全国に沢山あるらしい。それぞれに素晴らしい梅の木、恐らく紅梅揃って植えられているのではないか。サクラでなくて、道真と梅の縁をうかつにも私は知らない。あるいは聞いたけれど、忘れている。天満宮はすべからく梅の名所だが、天満宮でない梅の有名どころは全国にあるらしい。

本来ユーラシア大陸西部の樹木で、支那を始めにそれぞれの地域・民族で固有の文化があるだろう。つまり薬や酒や果実、生け花などの世界に於いて、お国柄が展開されていよう。梅を愛でると言うだけの観点については、アジアは一つなのだ。

梅を欧州に伝えたのは19世紀植民地時代のプラント・ハンター。直接には、出島で働いた館長や商官医たちの情報と船荷(梅のタネ≒梅干し)送りである。日本の梅干しカルチャーは有機農法(Bio)食品が流行りだした1980年代から広く知られるようになった。相当数の梅幼木が実際に日本から輸出されたのもその頃と思われる。

二枚の写真を見ると、なるほど葉っぱが出ていない。サクラと梅との違いと言われる。同じバラ科だが、そのあたりが属の分かれ目なのだろうか。

Prunus avium 050-05 wild cherry, sweet cherry Collage

22日と23日(本日)は異例の暖かい気温だったそうだ。この数日で欧州の桜が一挙に花開いた…と思った。欧州自生の桜とはサクランボである。本来のサクランボが20世紀前に野生化して、山間に咲くのである。一方、様々なサクランボ品種が20世紀間に渡り開発され、もちろん日本に移植され日本固有の優良品種が作出されている。

さて三枚の画像は一本の木である。サクランボの`桜`と思うのだが、葉っぱが全く見えない。葉は明日から出てくるのだろうか? フィールドで見るサクランボの木はやや細長い鋸歯のある葉を花弁と同時期に出すのである。我が村のサクランボの木は、所謂ヤパンセ・ケルセンと言われるソメイヨシノなどの繊細で綺麗なサクラと比べると、心持ち粗野な印象を受ける。

折り返る愕片や雄蕊雌蕊の表情は欧州サクランボの一つであって不思議でない。しかし葉っぱが出ていない…、少なくとも今日は。もそっと様子をみてみよう。欧州の桜仲間に小木種としてまだ2つある。英語仮名でブラックソーンとプラム・チェリィーと呼ばれるようだが、上の本日の寸法と印象から違うんですね。

セイヨウスモモと言う仮名が日本で使われ、これは梅と同じ3x4㎝果実で紫に熟すプラムまたはプルーンと呼ばれる。杏(アンズ)と異なるのだが、スーパーマーケットなどでは両方紛らわしく使われている。アンズもセイヨウスモモも桜仲間である。北半球の出身地が異なるようであるが、近縁種だから互いに交雑し合う。それらはサクラ属のドメスティカ(≒果樹園に取り込まれた=園芸交雑種)と一括され、市場に出る多くはどっちか似だと言っても、全く分からない。

Prunus avium Wilde Kersenboom 04

良 くわかっている画像を紹介する。`野生桜(ワイルド・チェリー)`と言われるサクランボの木の伐採例。この樹木の管理者によると、毎年のようにどっさり やや小さな実を付けたそうだ。真っ直ぐな幹長は25mある大木で、大変な値打ちがある。胸高直径1mに近く、滅多に出ない逸材なので、買い手は直ぐに決 まったそうだ。それ故、私も村の自然管理グループ一行と共に見学に行ったのだった。

サクランボの果実を目的としない`野生種`は材木価値が優先する。桜材の家具は最高級品に属する。その果実は高い枝になっているために食べられなかったが、開花期は見事で、その林縁を飾った。数年の乾燥期間を得て、恐らく家具に加工され、桜木目の永遠の真価を発揮するだろう。

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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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