ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Art 絵画/ 建築

トゥルーズ郡/市/県 & トゥルーズ-ロートレック


トゥルーズと言う固有名詞をどなたも聞いたことがあるに違いない。私は学生時代の講義で初めて知見を得た。19世紀欧州絵画史で習った画家、アンリ・ド・トゥルーズ-ロートレック。後にトゥルーズは地名でもあると分かった。画家のポスター作品を知っていたので、首都パリに近い場所だろう…。と、思い込んでいたが、10年ほど前にそこに遊んだ娘からピレネー山脈と地中海と三角形を成す場所と教えてもらい、我がうかつさに呆れる。


Toulouse-Lautrec Collage 02
描いているのは作品「ムーラン・ルージュ」1890年。この頃まで同時に劇場のポスターデザインを行った。

地図で確認すると、ご覧のとおり明らかだ。パリから遠く、100年以上前なら大変な田舎ではないか。とは言えど、娘から聞くとローマやフランク王国時代からのオレンジ色の建築群や見どころがワンサカあるそうな。ヴァカンスの彼女たちはトゥール・ド・フランス自転車レースの一つエタッペのゴール日に遭遇して、街が湧いていたそうだ。

胴体/頭の上半身が普通で、下半身が小人の体躯を持つアンリはトゥルーズで生まれ育った。家系が代々の伯爵で、言わば県/郡/市を含む地方領主であるから、ロートレックの前に地名を被せる由緒ある貴族苗字と言うわけ。絵画史に名を成す画家で貴族家系がちらほら散見されるが、アンリほどの知名例はあまりない。エリザベス・スチューアート(冬のボヘミア女王)の三女ルイーゼ・マリア・ホランディーンが肖像画を良くしているけれど…。

トゥルーズ-ロートレック伯爵は不具の息子を作った自らを責めたそうだ。様々な小人症状名があるらしいが、昔は身体障害者と言われなかった。不具/奇形/片輪と扱われ、偏見の対象…。父親は馬に打ち込み、馬の素描と油絵をこなした才能を息子が継いでいるらしいと知り、アンリ18才の時に本格的画家修業の道に進ませるのだ。

セザンヌやドゥガ等の印象主義の面々と共通項がある。互いに影響を与え受け、切磋琢磨している。画家であり、イラストレーターまたはポスターデザイナーとして仕事をする。ムーラン・ルージュ(赤い風車=カンカン踊り劇場)のための一連ポスターイラストは、浮世絵の影響が顕著だと私は思う。

のびのびと跳動する線と幾つかの色を線内にベタに塗りこむ手法。構図も大胆だ。ヴィンセント・ファン・ゴッホと同じように、何度も開かれたパリ万博を契機にするジャポニカ旋風が無ければ、生まれなかったポスター作品群。彼のスタイルは同時代の画家やイラストレーターに大きな影響を与えた。そっくり真似挿絵が頻出している。ちなみに10才ほど若いアンリはパリ時代のヴィンセントに面識がある。


Toulouse-Lautrec Collage 01

ポスター時代のあとの画家的な変化・成長も興味を引く。ポスターの印象から一寸想像できない。ゴッホ的な画法や薄い軽いタッチの新印象派風な作品を残している。しかし一般にはムーラン・ルージュの宣伝挿絵が彼の名前と結びあわされているようだ。浮世絵からインパクトを受けたデザイナー的直観。左様な論が正解かもしれない。

言い換えると、ポスターデザイナーとして新境地を開き、パリ夜の遊興の華やかさを世界に知らしめたんですね。150㎝有るか無しかの絵描きが器用になんでもこなす。しかもパリ名所である赤い風車の名を一層高めるのだから、非常に知られた存在であったと思われる。加えて二つ語彙からなる貴族名だから、絵描き仲間と画商世界で知らない人は居ない。ユニークなこの画家は生来の障害のためか、わずか37才の生涯だったのが残念でならない。


[蛇足]
トゥルーズの固有名詞が浮かんだのは、御存じ通り、フランスが喪に臥したテロ事件からだ。メラ・モハメッド(24)と言う若者がまずパラシュート部隊の兵役3名を、一週間後にユダヤ祭司とその幼い二人を殺害した。犠牲者7名でもう一人は不明。兵隊たちはアフリカの黒人である。

彼はフランス第4の都市トゥルーズの市民。家族は旧仏植民地のアルジェリア人。移民問題とそう遠くない。42万人口の8万余がアルジェリ出身だと言う。5分の1弱の相当な比率。アルカイダ絡みの訓練に参加していた。ネオナチ思想に染まっていたとも伝えられる。

反ユダヤ主義があるのは明らか。黒人にも偏見を持っているようだ。先ほど、既に逮捕されている兄弟一人に加え、母親逮捕のニュースがあった。聞き取り程度と思われるが、詳しい捜査調査がしばらく進行するだろう。

300名の警察/対テロ特殊部隊が彼のアパートを二日間取り囲んだ。踏み込んだ要員とマシンガン銃弾を交した。警察責任者は「自分で窓から飛び出し、落下した時は死亡していた」と発表。実際は猛烈な火力で、窓外にぶっ飛ばされたようだ。

大統領選挙戦の真っ最中のため、事件発生と共に、選挙戦は休戦になった。女性3名+男性7名=10名の立候補者の犯人死亡後の選挙調査順位が明らかになった。2日間の間しばしば、国民への静かなる対応を訴えたのは現大統領だから、この事件はサルコジーに有利に作用した。サルコジー30% → オランデ 28% → ル・ペン15% → バロウ10% →、、、

選挙戦が再開された。「国内の治安」問題が新たに生まれた選挙論点。現役有利が常識としても、選挙民は浮気だ。10人の立候補者は徹底的に公平なメディア手段を得るから、2%差なら、抜きつ抜かれつつのレースになるだろう。

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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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