ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Politics and economics 政治/経済

フランスの大統領選挙 

フランスに初めて大統領が生れたのはフランス革命後でしょう。革命始まりは1789年、日本は田沼意次が失脚、松平定信による寛政の改革に進む時代。北米ではジョージ・ワシントンが13州をまとめ、プレシデント・オブ・ユナイティッド・ステイツに就任したのではないか…。プレシデント即ち`統領`を用いた近代国家の最初の人物と思われる。

建国以来はじめての共和制体に成り、絶対君主は立憲君主に衣替え。1793年、ルイ16世が国民公会による何度もの選挙の結果、一月にギロチン台に上がり、10月に女房マリア(=宝塚公演のマリィ・アントワネット)もそれぞれ処刑された。全欧の君主が身震いする大変革だった。この共和政の指導者を統領と言わず、総裁と言ったが、言うまでもなく現在の`大統領‘にあたる。

その後も党派の血で血を洗う争いが継続するも、エイジプト遠征から帰還したナポレオン・ボナパルトが総裁政府を倒し、政権を掌握した。この1799年がフランス革命の終焉になる。ナポレオンの呼称は総統あるいは統領と和訳されているが、殆ど`大統領`に近い感じになる。

フランス史が面白いのは共和政と王政復古を繰り返す、いかにもフランスらしい血湧き肉躍るダイナミズムではないか。第4共和制はもろく、チュジニア植民地絡みでフランスが内戦動乱に成りそうだった。これを収支したのは一端、引退したド・ゴールだ。望まれ復帰し、強力な大統領制を作り今に至っている。

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トゥルーズ市のテロ事件後、現役サルコジーが首位を挽回。そりゃーそうだろう、大統領として毎日テレビラジオに`出演`できたのだから。それは選挙管理委員会の公正なメディア割り振りに属さない特別待遇に成ろう。不条理な殺戮が発生して、国民が怒り、犠牲者に哀悼を尽くす場面に、ニコラさんが神父のような表情と台詞で現れる。多くの視聴者がやはり信頼できる人物だと思う。

そのようにメディアは単純に作用するものなのだ。ゆえに、フランスでは正式に認知された立候補者へのメディア割り当ては秒・分刻みでストップウォッチ計測されるような公正選挙を期している。人々によって選ばれた中央/地方議会メンバー500名の署名を得て、初めて大統領立候補を認められる。彼らはだから等しい広報機会を与えられるのである。

テロ後の2度目の予測調査が上の写真入りリスト。社会党オランドが0.5%で首位に返り咲いた。極右マリィ・ル-ペンと極左ジャン・ルック-メレンシャンが続く。2007年に3位で7健闘し、民主連合党を起こしたフランソワ・ベイルが三度いい線で頑張っている。彼が食うのはサルコジーの中道左派票だろう。単純に左と右だけで言うと、この予測順に従うと、左→右→右→左→右となる。

他の女性二人は`労働者の戦い`党のナタリー・アルトゥと環境グリーン党のエヴァ・ジョリー女史。男性は、かつて大統領候補選挙に出て長い政治キャリアーのジャック・シャミナーデ、労働組合を基盤とする極左っぽいフィリップ・ポゥトゥ、さらに二期エール市々長を務め人気あるニコラ・ドュポン-エンニアンらの三名。予測リストにないが、これら五名は10~1%の間である。第二次選挙になる時、3位4位候補者が上位の誰を支持するか/しないかは重要な要素になる。加えて下位五名の動向もまた相当なファクターになるだろう。

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九つの選挙争点を挙げ、選挙民の関心度合いの調査結果である。社会不安と移民の二つが最後に並ぶ。トゥルーズ市に於けるテロがあったばかりだが、殆ど影響をあたえていないのが印象に残る。もしも、これがフランスエネルギー大部分を供給する原発事故ならば、日本の民意選択に等しい感じになるのでは…。第一番のPowerとあるのはエネルギー関連かと思われたりするが、ユーロ通貨とギリシャなど危機に襲われる不況感を反映している。要するにユーロ購買力の問題を心配している。ものを売れず、物を買えない、これを何とかせねば…と人々は切羽詰まっている言うこと。

儀礼職ドイツ大統領が先に決まったところだ。危機の欧州を引っ張った独仏枢軸は言い換えれば旧東独市民メルケルとハンガリー移民二世サルコジーの仲良しコンビだった。どう言う分けか、ドイツの左右はフランス大統領選に明確な態度を表明している。党首;メルケルのキリスト教民主党はサルコジー支持を公にして、対する社会民主党はオランド支持である。

本日四月入り。四月馬鹿と言う。フランスでは熱のこもったと言うか、こもらないと言うか、四月馬鹿`統領選挙`がまだ三週間続く。決まるのは頃合い良くて五月晴れの日々。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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