ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Nature 雑草 フローラ/ファウナ

歌い鳥 生態系に当てはまらぬ都市住民 [鳥専科その1]

しばしば新聞雑誌でZangvogel … と言う語彙を目にする。「ザングフォーフェル達が勢ぞろいして、さあ音楽会が始まる…」そんなふうに絵本のテキストに出てくる。歌う+鳥の熟語だから、綺麗に鳴く鳥を意味する普通名詞と思っていた。ところがこの塾語は鳥の分類語で、専門用語でもあることを先日知って驚いた。スズメ目を指すらしい。

Merel met Blauweregen 02 Klein

ホモサピエンス即ち我々人間は哺乳類に属する。哺乳類は脊椎動物に含まれる。脊椎を持つのは他に爬虫類/両生類/魚類/鳥類だ。これら脊椎動物は声を出す。声帯と言う器官があるためだ。ソプラノからバスまで見事に歌唱できるホモサピエンスは他4類に比べて、この器官の有難さを噛みしめ感謝しなければなるまい。

だが鳥類だけは声帯を持たないそうだ。その代りにある発生器官を鳴管と言うらしい。鳴く管と言うわけで、これを震わせるのだろう。スズメ目はこの管を振動させる筋肉が特に発達しているらしい。鳥全体の6割はスズメ目と言うから、「歌い鳥」が鳥の大勢をしめると言うこと。

スズメ目の下位分類にスズメ亜目として鳴禽(メイキン)類と言うのがある。我が村一番の鳥屋さん(Vogelaar→フォーフェラール→バード・ウォッチャー)ヘンク曰く;そこに属する鳥たちが良くさえずるんだ。例えばツグミ科だがね。
還暦を迎えた彼は早期退職して、鳥観察一筋に打ち込めると嬉しそうだ。先の土曜日も孫を自転車に乗せて、長い短筒と双眼の二つ持ちで鳥三昧に出かける彼に出会った。

`歌い鳥`ことスズメ目の系統樹をウィクペディア公有資料から拝借して貼ってみる。鳥類も分類家によって諸説があって、2次大戦後に分類において常に移動・交代・消滅・統合などがあり、波穏やかでないから、ワシャ―よう分らんとヘンクは両手を下に払う。実際のバードマニアは分類にあまり関心を示さず、何処までも執拗に見る/聞く/追うそうだ。渡り鳥の観察で、鳥と共にキャンパーで移動する`オブザーバー`がいるそうである。

265px-Zangvogels.jpg

ハーグやアムステルダムの都市で糞害を引き起こすオームのたぐいは、ものまねして喋る。系統派生図を見ると、パパガーイ/オームは鷹類の上に派生しているが、`歌い鳥`の下に位置しているので、鳴禽類に属さないようだ。連中は都市環境に順応した外来侵略種であるから、もはや真似することはなく、ギャーギャー喧しいだけの印象を受ける。

欧州都市と田舎を問わず最も見る鳥はクロウタドリ(Turdus merula)だ。スズメ目ツグミ科に分類される鳥。目立ってさえずる鳥で、「歌い鳥」の代表として知られる。それをそのまま和名にしていてわかり良いのだが、雌は黒くないので半分の命名価値である。

ブラックバードが夜の四十万(シジマ)に歌う、暗闇に光を求めて飛ぶ、傷ついた羽でづっと飛び続けよう…。そんな調子のビートルズが歌ったマッカトニー作詞「ブラックバード」はブリテン島のこの鳥だ。ロッキード社の偵察軍用機「ブラックバード」は北米棲息の別鳥と思われる。「黒鳥」と言う名はあらゆる事物に採用されている。カフェもホテルもソフトウェアー会社も…と言う塩梅で名前に付けられている。しかし見事な黒い`白鳥`種もいて、この歌い鳥が常にイメージされているわけで無い。

スズメの独語彙シュペーリングに鳥を付ける熟語SperlingsvögelはZangvogelと同義語で文字通りスズメ目。スズメは戦後どこにでもいた。日本では圧倒的に多かった。この辺りでもブラックバードより多かったかもしれないと言う老人がいる。ここでブラックバードをメーレルMerelと言う。溝向こうはアムセルAmselだ。いずれも雄に注目した命名で無い。メーレルはラテン綴りからで、何故か女性名に用いられる。綺麗に歌う人は女性に多いからだろうか…

Merel Cor  0102
雌は小さく、茶から薄茶色。上左はその年に生まれた若い鳥。
Merel Cor  0101

黒いオスは平均体長25㎝くらいか。私の庭に留まるか又は訪れる鳥たちのれいだが、何処でもこれより大きくも小さくもない。しかし雌はやや小さく、細見。体色は薄茶色、嘴は雄の鮮やかな黄橙に比べ、薄く目立たない。

朝夕にチュック・チュックと軽やかに長く鳴く。他の音色もあるけれど、上手に仮名化出来ない。7m高ほどの唐松の天辺近くに止まり、歌を歌うのを楽しんでいるように見える。猫や侵入者を付近に見ると、甲高い早い鳴きぶりになる。黒い雄の鳴き声が目立つ気がするが、雌のやや控えめな?さえずりが聞き辛い所為かも知れない。

18世紀頃の記録によると、現在ほど多くいなかったと言われる。ドンドン生活領域を増やし、森から住宅地に進出したそうだ。ヘンクによると、2種類いる。林縁に留まる`自然派`と公園や住宅緑地にねぐらを持つ`都市派`の二つである。後者は我が小さな庭の隣との植込みにも巣をつくる。毎年のように作るから、これは`留鳥`と言うべきかも…。同じ夫婦かどうか、識別は難しく、確認できない。いつか猫か子供か、巣を植え込みから放り出したのがいる。卵は無く、巣立ちの後だったかも知れない。

Merel 05

黒歌鳥と言うか、もし雌が目立って鳴くならば茶歌鳥(チャウタドリ)と言っても良いだろう。我が庭では嘴で芝・雑草をつつき、時に引き抜きひっくり返し、ミミズや土中生物を捕食している。その大きな目が役立つと言われるが…。台所用の薬用=ハーブ栽培業者は発芽した芽をつばまれ、引き抜かれる。故に必ず防御ネットを張らねばならない。

夏遅くから秋に近づくと、果実も食すようになる。ガマズミやサンザシなど小樹木果実は良いのだが、黒や赤のスグリなど栽培果実もドッと啄ばまれる。すると害鳥なのだ。非常に多いので、果樹農家にとって頭が痛い状況が生まれる。

クロウタドリは絶滅種でないが、オランダで捕獲してはならない。従って集団`殺鳥`は許されない。ベルギーでは当局許可を得れば、捕獲して飼育できるそうだ。ドイツも似た状況だろう。ベルリンの公園の主は彼らである。

生存数の飽和に達していないならば、それに達するまで増える。生存期間は5年とみられているが、統計があるわけで無い。仮に5年もの長い期間、平均して生きるならば既に欧州は真っ黒に染められているのでは…。実際は病気その他の理由で、数年の生存ではないだろうか。

天敵は猛禽類、例えば鷹や大きなミミズク類と思われる。都市住鳥化した理由の一つは猛禽類逃れかもしれない…。これに限るわけで無いが、世界くまなく膨張する都市化地域に於いて、食物連鎖と言うか生態系の仕組みが上手に機能しないのではないか。


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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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