ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Sport スポーツ/ホビー

聖なる芝生  That`s tennis と男女の差

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聖なる芝テニスコート。1922年に複合テニス施設にアップグレイド、2007年ボールのアウト・イン判定にセンター/第一の両コート電子システム導入。2009年センターコートに移動屋根を装着して、全天候型に成る。座席数1万5千。後方席だと、選手の表情まで伺うには、オペラ座のように双眼鏡が要る。

慶応4年は近代日本の夜明け。西暦1868年に当たり、秋に慶応から明治元年に脱皮する。この年ロンドン郊外・WimbledonにAll England Croquet Clubが設立された。全英クロケイクラブ。クロケイとは日本で創案されたゲイトボールのオリジナルで、150年前のブリテンでもっとも人気あるスポーツだった。と言うか、年齢男女を問わず誰にも楽しめる国民的な屋外娯楽だったのかも知れない。

9年後にAll England Lawn Tennis and Croquet Clubと名称変更。クロケイの前に、芝テニスの語彙が加わる。テニスがスポーツとして盛んになり、一端クロケイの名が正式名から削除された。世紀変わりの頃、この民間テニスクラブは国際テニススポーツの中心的存在になったそうな…。同時にクロケイの名を復活したのは、さすがにヤードやマイル、さらにポンドにこだわるブリテン気質と言わねばならない。

のどかなロンドン郊外ウィンブルドンはテニス発祥と普遍化の聖地と言えるだろう。初めからこんにちまで、手入れの行き届いた芝生で球をおう。美しく雅(ミヤビ)。維持管理に時間と努力を要するために、テニスグラウンドとして主流でない。それ故に、他3つのスラム・グラウンドよりもこの芝生は余りある価値と尊敬を集めている。そしてプレイアーは白衣に限られる。聖なる芝と言われる所以だ。

Cor 01
上;Andy Murray /Jo-Wilfried Tsongaのセミ・ファイナル観覧席。テニスコートのサイド前列を占める家族/コーチのブロック。近い距離なので選手とコーチの目線コンタクトが可能。陽射しに手をかざす女性はマレー母親のスコットランドの人。右下のサングラスの人物はアンディーのコーチ、グランドスラム8回を制したイヴァン・レンデュル。しかし聖なる芝生で勝てなかった。実現できなかった夢を弟子に託す。彼は表情を変えない。珍しいコーチに属する。
下;ウィンブルドン複合テニス公園の名物。スタンドに入りきれないファンが大画面に見入る。この歓声がタンド内の歓声と共鳴する。


Cor 03
フランス第一人者ツォンガ対するスコットランド人マーレーにブリテン耳目があつまった。74年ぶりのファイナリストが出る期待が集まる。マレーは続けざまに2セットを先取、ツォンガ3セットめを楽勝。4セットめはタイブレーキにもつれこみ、家族もブリテン諸島も手に汗を握った。コーチ・レンデュルは身じろぎもせず、タイブレーキ接戦を制した愛弟子の興奮を静かに見守った。


1936年、Fred Perryが聖なる芝生で優勝。ブリテン最後の勝者だと歴史は言う。同じ歴史が日本その年2月26日の軍部反乱を伝える。首相官邸と放送局とを占拠。岡田啓介(提督)内閣辞職。8月、ヒトラー国威発揚のベルリンオリンピック開催。(人種差別故の)五輪ボイコットを避けるため、ナチスは期間前後に人種政策標語・材料にびしっと蓋をした。だが欧州列強に並ぶ支那利権のための日本軍国化、同時にAヒトラー・ナチス生存圏の牙研ぎは進んでいた。

2年後にBunny Austinが決勝に進出。テニスを国際スポーツにした聖なる芝生の国籍を持つ最後のファイナリストだった。この1938年、大日本帝国は支那大陸に軍靴を響かせている。その日々、誰かテニスをしていただろうか。敵のスポーツだが、いったい日本人にスポーツする余裕があったのだろうか…。

庭球とは硬いボールに代えて薄いゴム球に空気を入れた軟らかいボールを用いるテニスを指すと私には思われる。何時から軟式が体育教育に採用されたのか、うかつにして知らない。もしも一次と二次大戦の戦間期に盛んであったならば、日本で応用開発された体育種目で、加えて敵国語彙でないから、戦時にも試合開催があったと思われるが…。

同じ年クルスタルナハト(Kistallnacht)と後に呼ばれるユダヤ人市民迫害がドイツで起こった。大規模に起こった。プロパガンダ相・ヨーゼフ・グーベルツのヒトラー取り入りが動機。ポーランド系ユダヤ人強制ポ-ランド移住に絡む、パリにおけるドイツ将校殺害事件を利用した策謀だった。寒い11月の二日間に各地の秘密警察が動いた。既に、市民権を剥奪されたユダヤ人15万が国外への`エクゾドス`のさ中だった。宰相チェンバレンは7月の大イヴェント・ウィンブルドンテニスを見ながら、共産ソ連を恐れドイツと融和策を取りつつあった。他の列強、日米仏は15万ぽっちに、あるいはその10倍でも、関心を示す根拠も暇も持たなかった。

アンディー・マレーは74年ぶりのファイナリスになる。昨日、いま進行中の決勝座席券の値に1万7千ポンドが付いたそうだ。2百万円以上になろう。その値段ならば歴史的スポーツ事象に充分引き合う…。昨日買の平均値は5千ポンドと言うから60万円ほど…。南欧諸国の債務問題によるユーロ危機の影響をもろに受け、ブリテン経済は下降低迷している。しかしスポーツ好き資産家は無限にいる。選挙の代わりに貴族位階で選ばれ、何もしないで高給だけをもらう議員がいる。1万も2万ポンドも関わりなく、例えば彼らはUK伝統と気質を発揮してテニス史の証人になれる。歴史的決勝であるから、宰相デーヴィッド・キャメロンも76年前の保守党先輩ネヴィル・チェンバレンと同じように貴賓席の最前列で観戦している。

Cor 02
女子決勝戦:ポーランドAgnieszka RadwanskaとアメリカSerena Williams。ポーランドの愛国心とスポーツの歴史的結果にならなかった。スコア―は6-1, 5-7, 6-2セレナの貫禄勝。

アグ二ェスカ・ラドワンスカと言う名と姓の末尾にkaが付く。キリスト教女性名で最も多いMariaの波蘭形はMariskaである。ポーランド国自体をPolskaと表示する。スラブ系諸語にチンプンカンプンだけれども、この接尾語のようなkaはポーランド語の特徴だろうか? 地続きで近いウクライナやチェコで聞かないのでは。あるいはユダヤ=イスラエル語と関連している? 

幾人かの(ワレサ時代に必死で逃げてきた)ポーランド女性を知っている。ユダヤ人肉体的な特徴と言われる、例えば鍵鼻らしき印象を受けなくもないのだが…、よほど政治的に開けた人々でなければ、それを言うことはない。ユダヤ人でないポーランド人は世紀を通じユダヤ人であるポーランド人(≒アシュケナジム)を排斥差別したが、古都クラカフから半年実習に来た若者によると、独ソによる波蘭分割秘密協定はポーランド人即ちユダヤ人と言う偏見が下敷きになっていると言うことだった。ユダヤ人でないポーランド人は迷惑千万な話と思うだろうか?

聖なる芝生の2回戦で男子優勝候補の一人、グランドスラム7回を制するランキング2位Rafael Nadal(ラファエル・ナダル)が敗れる番狂わせがあった。Lukas Rosolに最終5セット目で敗れた。世界順位100番目のチェコのプレイアー曰く「奇跡。勝ったのが信じられない。ナダルも人間だった」。女子ならしばしば起こるが、男子ではまず起こり得ない珍例になる。

Мари́я Ю́рьевна Шара́поваをラテン文字に直すとMaria Joerjevna Sjarapova。マリア・シャラポヴァ(25才)は先月の全仏オープンを制覇、ランキング1位に返り咲いた。決勝進出が多く、ウィンブルドンのダントツ優勝候補だ。ナダルの番狂わせ感想を聞かれ曰く: That`s tennis (テニスはそういうスポーツなの)。

テニスは陸上/水泳などの肉体の基本競技と異なる。直径66㎜/57gほどのボールを一定の区画内に打ち返す`球`スポーツだ。試合形式は総当たりでなくシード・トーナメント方式。特定番付組織によるシード選手をまんべんなく散らばせる。しかし一回きり故、くじ運に左右される。

くじ運は女子の場合に目立つ。おそらく女と言う性が重要なファクターではないか。女性の気まぐれ、理解不可能な些細な行動…。、ネガティブな意味ではない。男は理屈好きで、情緒に欠けると言う一般的な文脈において考えるだけである。

他の原因の一つとして、実力接近と言うより、2ゲーム先取を勝者とするルールが考えられる。少し気分が悪く所謂unforced errorが出ると、直ぐにゲーム・オーバーになる。これとくじ運が絡む。シャラポヴァの感想は、彼女自身の属する女の`さが`と`くじ運`を言っているのだ。女子トップはランキングに拘らず、1-2回戦であっけなく敗退する。50位ほどの下位がシード選手に勝ってなんら不思議でない。

左様な観察に従って、身長188㎝マリアはシード15位Sabine Lisicki(ザビーネ・リシッキー23才)に4回戦で敗れた。10㎝低い独選手が勝つチャンスは定評ある強烈なサーブを決めることだった。それがたまたま良く決まった。相手のロシア女性はグランドスラムを各一回づつ勝つ稀な記録を持つ人だが、テニス外の広告で億万ユーロ長者だ。メディア/商いに関わり過ぎ、時にエラーを出し過ぎる。そのために自滅した。それを、ザビーネに当たるくじ運の悪さが手伝ったと言えよう。

これは4回戦Kim Clijsters(キム・クライスタース)も同じだった。長い負傷期間後に復帰して、Angelique Kerber(アンジェリカ・ケルベル24才)の好調になす術を持たなかった。シード8位にノーシードが順当に負けたように見えるが、出産後に復帰して連続スラム2つを制したキャリアーを考慮すると、大いなるThat`s tennisになる。

一回戦、Stosus(シード5)Woziniacki(シード7)Cibulkova(シード13)、二回戦、Bartoli(シード9)Li(シード11)Penntta(シード16)等の早々撤退を見れば、女子シードが当てにならない制度と言うか、女子テニスの特性を理解できよう。逆に言うと、下位順位者がたまたま調子に乗れば、3回戦以降に進む機会があると言うこと。

Cor 04
男子ランキング1位Novak Djokovic 対同3位Roger Federer。セルビア22才vsスイス31才。聖なる芝生で初めて戦い、昨年の覇者ジョコビッチは元気なく6-3, 3-6, 6-4, 6-3で敗退。セミファイナル二つの塩梅は似た様な結果で、現在マレーとフェデーレルがボールを打ち合っている。スマートフォーンで、実況画像を見ることも、戦況報告を刻々読むことも可能である。


左様なThat`s tennisはトップ10とそれ以下の男子選手間でなかなか生じない。5から10位以内の強豪間でも、たいてい起こらない。主要原因たる男子3ゲーム先取ルールを既に述べた。加えてトップ間に、技術/作戦のトータルな微妙差が存在すると思われる。

徹底する冷めたチェコ人コーチのイヴァン・レンデュルは男子テニス`融通に欠ける`現実を噛みしめることになるだろうか。王様連合国家ブリテン5千万の人々の夢は文字通り夢に終わるだろうか。76年に渡る願いはまだ続くのだろうか。もしも今回かなわねば?と言うジャーナリストの質問に、ある若者が屈託なく答える。There is always NEXT。 ムム天晴れなり。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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