ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Nature 雑草 フローラ/ファウナ

Immigration と Migration ナイル雁に寄せて

溝向こうはNilgans、溝の手前は画像内のようにNijlgansと書きます。Gansはガン/ガチョウを意味する中高ドイツ語由来[参照:蛇足1] ニルガンズよりも、ナイルの雁と解すると分かりやすい。属名Alopochenを置いておき、次の種名aegyptiacus (画像内綴りはaegyptiaca女性形)からエジプトと言う地名が読み取れます。エジプトの雁と呼ぶ場合も多い。しかし長大なナイル川渓谷を中心に広くサハラ以南アフリカに棲息分布する雁なので、ナイル雁が当たり名だろう。

我が家から左右何れにも200mほど歩くと、小さな池がある。上手の池から下手の池に数十年前まで絶えず水が流れていたそうだ。右側の上手は森なので陽射しが殆どなく、鳥にとっては日向ぼっこが出来ず、いざと言う際の空への逃げ場がない。垂直に飛翔(または海面に突っ込み魚をとらえることが)出来るのは海鳥に多いようで、雁の類は出来ない。だから空の広い下手の池にだけ、今年ナイル雁が住み付いた。どこか他の群からはみ出したのか? 家族と思われ、珍しいように思う。彼らも移住先状況に合わせ、核家族化しつつあるのかもしれない。

カモ科 Anatidae エジプトガン属 Alopochen ナイルガン。我が村の草原、雌と雄の番い(ツガイ)。
Nijlgans (Alopochen aegyptiaca) Corrage 00
首回りの茶色部分の違いや全体パターンから個体識別ができる。でも、どちらが亭主で上さんなんでしょう? ホモサピエンスにも最近、どっちがどっちと言う例にぶつかるが、鳥の雌雄判別も素人に難しい

タイトル二つの語彙はギリシャ/ラテン由来。ラテン語にmigrationemが見つかる。便宜上ここで英綴りを採用。中世に、例えばEuropean birds migrate across the seas or to Asiaと言うように用いられた。しかし今日、渡り鳥の習性を説明する語としては忘れられているようだ。

言い直すと、アフリカで見られる鳥がアジアに移動する。あるいは夏に北に移動、冬に南のアフリカに帰る。つまり周期的に移動する鳥・魚・動物の生息地変更をMigration/Immigrationと呼んだ。人類はホモサピエンスで、哺乳類に属する動物である。従って人類である清教徒が命を賭けブリテン島から北米大陸に移住することにも、当時用いられた。ピューリタンは迫害をのがれ、代わりの新天地を求めた。先住民の居る土地に入植し、2度と故郷に戻らない。やがて先住民を迫害/殺害しなければならない皮肉な歴史を作る。これをMigrate/Migrationと言うと、斜めに定義している有名なUS写真家がいる。

現在、いずれも「人間が移住/移民すること」に使われる。難民とは内戦や自然災害ゆえに他の土地に避難せざるを得ない人々だ。経済移民とは自国の貧しさから逃れたいために欧米諸国に潜り込む(認められない為あらゆる非合法手段を用いる)人々だ。前者も後者も受け入れ/審査先の手続きは、Immigration+Nationalization当局が行うと思われる(国によって別名称がありうる…)。[蛇足2]

Nijlgans (Alopochen aegyptiaca) Corrage 02
上は生後間もない幼鳥と片親。下は同じ幼鳥の3週間後。親鳥は上下共に恐らく同じ個体で。雌雄は不明。人間ならば母親になるのが普通だが…。子は1匹だけで、一人子と言うのは多産の雁や水鳥で珍しい。彼らの巣は10m四方の池の近くにあり、5~10匹の大家族なら狭すぎて養育できないために、縄張り空間に適応する子作りか?

アフリカから地中海の波間に出て、ギリシャ/イタリア/スペイン海岸に密入国する経済難民が絶えない。航海中に嵐に見舞われ、粗末な船に満員なのでしばしば多くの死者がでる。すると救助と収容にこれら諸国はてんてこ舞いになる。地理上の不幸を呪う彼らの本音が聞こえてくるのだが、彼らは又たまたま債務不履行/国家破綻のEU/Euro圏の当事国。南の国々なので、Zuro圏と言われる。南北ユーロ分割案の駄目国家グループ。北の健全ユーロ圏をNuro圏と呼び、南を切り離さないと共倒れになる声が強まっている。

イミグレーション問題と、債務支払いが出来なくなった彼らの財政運営とは、まず関係ない。どこの国から来たのか分らない連中が例えばローマや他都市にドォーッと見られる。スペインにもいくつかの行政区が臨時避難民で占領されているそうだ。彼ら外国人がほんとの国民である若者の職を奪っている可能性はゼロ。そもそも25才以下の失業率30~40%らしいから、仮滞在人に職が回る筈がない。国家が病で苦しんでいる国民にとって、移民希望者の群れは目障りと言うか煩わしく感じられるのは分る。

生まれ故郷を見捨てたアフリカ-イスラム人にとっては次のより良い場所への休息地である。あたかも渡り鳥が地中海沿岸EU圏にひと時の休息を取るように。渡り鳥にとっては居心地がいいと思われる。しばらく滞在して、栄養を付けてさらに北の欧州に向かう。あるいはアナトリア半島から黒海向うのウクライナへ移動する鳥も知られる。[蛇足3]

Nijlgans (Alopochen aegyptiaca) 020-4
``一人子``ナイルガンの家族。子の傍にいるのは首の細い茶色模様から、上述した同じ成鳥だ。右端に歩く個体の首回り茶色部分はやや広く、あるいは雄雁かもしれない。

Nijlgans (Alopochen aegyptiaca) Corrage 01
3週間前との比較。 雁の家族との撮影距離は池を挟んで25mほど。やや接近すると、彼らは反対方向に回り込む。さらに静かに歩を進めると、2匹の成鳥は小さな鳴き声を発し、空中に羽ばたいた。それぞれ180度別方向に消え去った。同時に子は慌てるふうでもなく池にはいった。まだ彼/彼女は飛べないのである。両親のように飛ぶのは目の周囲が茶色にくまどられてからと思われる。

ナイルガンはアフリカの代表的ガンとして、昔から動物園で飼育され、一般に紹介されていた。シナノキの人と言う意味の分類の祖・リンナエウスは1766年にこのエジプト義の種名を与えている。それ故、譲っても1800年代つまり19世紀には欧州広く知られるガンだったのではないだろうか。

近所の老人によると、子供の頃から知っていたそうだ。それが逃げ出した。餌の得られる都市部公園だけでなく、何時の頃からか、あちこち湿原/草原に群れを成して現れるようになった。強い性格で特に孵化期に非常に攻撃的になり、他の鳥類を駆逐する。老人曰く:怪しからん!

キリスト教に敬虔で善良な多くの長寿者にとって、流れ込む移民への嫌悪感は強い。懸命に働き今日に至った彼らにとって、楽な暮らしを求めて辿りついた移民受入先で、何もせず老人たちが納める税金だけを費やす難民/移民を許しがたいのである。

愛玩動物として熱帯から導入されたインコの野生化を5月21日「女性名ファウナとフローラ その外来種テーマ」で紹介した。ナイルガンの独蘭(北緯50前後)における繁殖拡大も同じだ。これらは、アフリカからの渡り鳥一部の留鳥化と異なるケースである。

渡り鳥のそんな生涯生息地になったライン-ワール川沿い湖水を私も見に行ったことがある。するとその中に混じるナイルガンを目撃したことがある。人間が愛玩または知識文化として持ち込んだ鳥と、本物の(元)渡り鳥が混在しているのである。MigrationとImmigrationの類似語彙が現実の入管審査手続きに於いて混在しているごときである。

両者は`移住した``移民ならぬ移鳥`である。2度とアフリカの地に戻らない。難民/経済移民の殆どが入国先にすがり付いて留まる現象に似ている。鳥の導入種の野生化は例えば1960年代の労働者不足時代にアフリカ・トルコから招いたゲストアルバイターに比喩できる。

ドイツのトルコ移民数は人口1割ほどと言われる。フランスのアルジェリア/チジニア移民、ベルギーのコンゴ移民、ブリテンの南アフリカ/インド/ローデシア移民、オランダのトルコ/モロッコ/インドネシア移民、、、旧植民地からの`流民`と60年代導入労働者の`留民`、以上2つに加えるこ現在進行中の`難民/移民`の総体がもたらした欧州の姿である。

世界の主に北半球に、同じ現象がみられる。日本の場合は韓国/朝鮮民族の、即ち``在日``問題だが、欧州に限ると、ナイル雁の横着さは過去の欧州の横着さの跳ね返りなのだ。難民/経済移民(またはイスラム化と言われる国籍会得者の急増現象)テーマは、教会の`古き良き人道主義`に基づく保守党と戦後の社会民主主義を標榜する左派政党との合作である。街の清掃のような汚い仕事や激しい工場重労働のために導入した主にイスラム圏の人々に、用済なので帰国してほしいと彼らは言えなかった。 

アンゲラ・メルケル女史は数か月前に、恐怖に等しい独白をした。過去30年、ドイツ連邦政府は膨大な時間と予算を投入して移民のインテグレーション即ち健全なドイツ国民化政策を実施した。その結果はゼロだったと彼女は告白したのだった。同時期に蘭国に於いて``多様文化の融合発展``と言う論が賑やかに展開され、欧州を駆け巡った。しかしこれもバルケネンデ凋落内閣が夢物語だったことを認めざるを得なかった。

理由は、不毛の砂漠で生まれたイスラム原理にあるのでは…。流民/留民して30~40年の第一世代モスリムの殆どが移民先言語の片言しか話さない。言葉が通じぬ、仕来たりが違う、食習慣も合わぬ、イスラム式屠殺肉しか食べない、、`郷に入れば郷に従え`と言った柔軟さは微塵もなく、`文化の融合`を説いた欧州人を裏切って余りある。

ナイルガンにお願いだからアフリカに飛んで帰って、と言っても`鳥の耳に念仏`。ギリシャ文化より続く二つ語彙のシッチャカメッチャカ、その悩みは尽きない。


[蛇足]

1.ガン⇔雁→はつ-かり⁼初雁…と連想。 Gans⇔ガン/雁の音が似ており、研究者の断片がありそうだ。印欧語に属するサンスクリット経由にて、片方からもう一方へ流れたと想像してみる。渡り鳥ガンが飛ぶ家紋をカリガネ=雁金と言い、雁金町と言う名を思い出す。この京の小さな町は東西の錦小路と蛸薬師、南北の高倉と堺町、これら四つの通りに囲まれた区画らしい。通りと町のいずれも郵便宛先に用いるようだが、町名は多くあり過ぎ、住民を除いて知る人は少ない。

2.共産国家・支那は世界中の原材料を買占め、今年も成長率8%弱、宇宙に人を打ち上げ、軍拡で他諸国海域を侵略または恫喝している。そのシナから尚も移民が出てくる。主に福建省からで、北京はだんまりを決め込む。都合悪い事象に土をかぶせ世間は知るまいと思う鼻垂れ小僧の可愛い単純さ…。あらゆる地方・都市における廃物排煙による環境汚染のほったらかし、高速鉄道事故車両の穴埋め、袖の下を通さねば許可認可を得られない役人根性、これらを難民輸出と同じようにミグレイト/いミグレイトしてくれぬように望みたい。

3.ギリシャは保守サリアス内閣なって、アンゲラ・メルケルおばさん主導の大節約を受け入れ、イタリアはモンティ実務内閣が大ナタを振るい、スペインは30兆ユーロ支援を実現するため首相と財務相がブリュッセルに日参している。3ヵ国はアフリカからジブラルタルや地中海の島伝いに押し寄せる難民処理に悲鳴を上げ、過去20年、北のEU圏への分散処理やEUによる難民対策案作りに忙しかった。我々だけにアフリカ窮乏・難民の尻ぬぐいをさせられるのはたまらない…と言うのは納得できる。長いヴァカンスと60才前に年金生活に入る南国的伝統を楽しむ。就職から生活便宜の万事まで地元政治家コネにより、組合は強くデモを繰り返す。生産性は上がらず税収も一向に上がらない。国債を発行し続け、欧米大銀行に借金をかさね、利子がかさむ。こうしてとても返済できない債務問題が津波のように発生した。`アラブの春`ならぬ``地中海の冬``。

関連記事
スポンサーサイト
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment form













管理者にだけ表示を許可する

Profile

ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
この記事にリンクを貼る

Designed by Shibata

タグリスト

access
access online
現在の閲覧者数:
Latest trackbacks
Search form

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。