ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Politics and economics 政治/経済

共産支那のサヴァイバル [愛国心への投資 パラリンピック篇]

オーストラリアのKelly Cartwright (22) F42 走幅跳の空中姿勢 [補足註1]
Paralympic 05
 9月2日観衆で埋まるロンドン・メインスタジアム 女子走り幅跳びスコア―ボード
 

未来永劫たる万物はない。共産主義にも賞味期間がある。ソヴィエトの場合ほぼ1世紀。共産支那は現在80年ほど。資本-共産主義などとレッテルを付けても、後者の賞味期限は早晩切れるだろう。テーマは期限切れをどこまで伸ばすかと言う共産支那の生き残り戦略について。

8月29日から9月9日までパラリンピックが進行中。ふっと覗いてみる。過去にテレビ実況を観たことがなかった。驚くことが沢山ある。無知を反省しなければならない。

40年前に長野で身体障害者のスキー競技を見たことがある。片脚または両脚を無くした人の義足スキーの催しだった。さらに近年、車椅子テニスに於いてパラリンピック女子の部で連勝する人がオランダ人。しばしばメディアで紹介されるので、ホォーッと印象に残っていた。この二つだけが身体障害競技、すなわち対麻痺(ツイマヒ=paraplegic)患者スポーツとの微かな接点に過ぎなかった。

ところがだ!このパラはパラレル=夏季五輪と並ぶと言う意味に模様替えしたらしい。連日の、特にブリテンメディアの報道に接し、教えてもらうことが沢山ある。最も個人的に学んだことは、ここでも共産支那が目立つと言うこと。チャイナやシナと言う発声があちこちのサテライト局から聞こえてくる。政治と経済のニュースではなくて、パラリンピックのニュースなのである。

いったいどれだけのスポーツカテゴリーがあり、それら個々にどれだけの区分けがあるのか全く知らない。障害の種類と度合いによって、無限の階層や区別があるに違いない。すると沢山の金銀銅のメダルを用意しなければ…と心配したりする。そのほとんどのメダルがどうやら支那の競技者に行くらしい。サテライトニュースのアナンサーがシナやチャイナを頻繁に読み上げる筈である。

パラリンピックは身体障害者競技の総合イヴェント。夏季五輪に比べると遙かに小規模イヴェントだが、この30年に発展して、アイ・オー・シー(国際五輪委員会)に吸収統合されたと言う。夏季も冬季も従って、五輪のすぐ後に同じ会場で開催される。左の開会式の出し物、両腕を欠いた女性像が直截に身体障害スポーツを語り印象的。
Paralympic 04
8月30日:女子卓球 C10クラス・ポーランドのナタリア・パルティカ選手が写っていないトルコのウムラン・エルティス選手と対戦中。アテネと北京の両パラリンピックに於けるこのクラスの優勝者だと言う。片腕を欠く障害カテゴリーのようで、彼女は先に行われた五輪にも出場した唯一のアスレートだと解説されている。五輪卓球では支那チームと個人が全ての金メダルを制した。


オリンピックのゴールド会得数から順位がつくメダルランキングに於いて、支那は米国に次ぐ2番手だった[参照:8月12日:宴の後]。見えないドーピング戦略を含め、スポーツ大イヴェントへの傾注努力は凄まじい。それは支那の国家方針である。愛国心の高揚は様々な効用がある。人々の国民意識が上がり、士気が上昇。それは同時に、山積する国内問題を人々の眼から逸らせる(反日教育は左様な典型…)。

一党だけの国家は五輪対策方針をそのままパラリンピックにも当てはめる。日本の保守層あるいは右翼的傾向の人々が内心馬鹿にしていた``眠れる獅子``が対麻痺患者の領域に於いても、飛躍したと言うこと。麻痺患者のスポーツに国家レヴェルで取り組んでいる。さもなければパラリンピック4日目の今日まで、既にメダル数でダントツトップにならないだろう。USも吠えるRussaすらもパラリンピックは二の次だから、気にしない。UKもそうなのだが、今回は開催国ゆえに投資した分のメダル分を得ている。恐らく、大差をつけられようが支那に継ぐ2番手になるのでは…。

日本が`失われた15年`にアップアップしている間、支那は宇宙技術開発で日本を追い越した。そして身体障害スポーツでも大きく水をあけつつある。彼らは充分な金をつぎ込んでいる。民主主義が無いので、北京からどこぞの小さな村まで首尾一貫、メダル会得機構として作動していると考えて良い。メダルに拘泥するのはずいぶん子供っぽい…。しかし雛壇に並ぶ共産幹部にも州幹部にも、メダル会得一番は重大なのである。

8月29日:聖火の点火式。
  Paralympic 01
陸上女子:100m車椅子T34クラス優勝者ブリテンのハンナ・コックロフト。彼女は両脚が無い。その代りがイニシャルTのTruck競技に特化したレース用車椅子だ。34は彼女の切断した障害度を示すようだ。ハンナ嬢はこの部門の世界記録を作ったばかり。


支那の頭数は13.5億ほどか? 総国内生産に見合う税金額は凄まじい。国内の誰の拘束も受けず、北京政権は使途を集中できる。国家予算に占める軍事費は公の数字と違い、恐るべき額でなければならない。愛国心高揚のために割かれる様々な使途も、同じ脈絡で考えられる。

愛国心高揚は共産支那のサヴァイバル術の一つだ。1970~80年代の東独が思い出される。それは共産国家作り。オリンピックまたはパラリンピックへの投資とは愛国心高揚事業なのである。13億の人々が余裕をもって覚めるまで、まだまだ時間がかかる。人々が眼を覚さないように共産北京は頑張っているのだ。尖閣の無人島嶼は言うまでもなく沖縄諸島域まで、支那固有領土だと人民日報で宣言するのも、愛国心の醸成に他ならない。`本来支那の領土を日本が不当に占有している`、ならば13億の愛国心が黙っていまい…。

かたや日本は高度経済成長期を半世紀余り昔に経験して、もはや「サラリーマンは気楽なもんだ」と逆説トリックに浸ることは出来ない。3.11地震/津波/原発の後の国家作りイメージも希薄に思われる。国会成り行きは相変わらず政局だけに熱心なようだ。それに人々が失望すると言うのは、行儀良く成熟した社会の達観ではあるまいか…。`眠れる獅子`が世界の小銭稼ぎを独占して、支那抜きで世界が存在しないまでに、ポンポンに膨れ上がっている。矛盾だらけの単なる膨張なんですが…、日本は達観して何となく`負け戦`気配か。

陸上片脚100m予選スタート地点:ハイテク義足。義足は片脚義足スキーと基本的に同じ。傷害部位に応じてそれぞれ異なる。身体障害者器具スポーツ・ヴァージョンは通常器具の高度な発展応用である。体の一部になり同時に大負荷に耐える特殊道具。高価であるために、身体障害に関わる組織(器具メーカー/競技団体/福祉健康当局etc.)の相互協力が不可欠。
  Paralympic 03
陸上女子200m予戦:テレンジナ・グレルミナ全盲ブラジル選手のゴール。見えない選手のためにグレルメ・ソアレスと言う男性が伴走している。高価な器具の代わりに、呼吸のあう伴走者を必要とする。伴走者も陸上短距離選手でないと務まらない。ぴょんぴょん跳ねるような義足選手のレースと全く異なる印象の種目で、二人の力強く美しいハーモニーを感じる。


体に麻痺を持つパラなる人々のオリンピックは彼ら肉体の限界に挑戦するほんとのスポーツだった。あらためてそう思ったのではない。今まで五輪TV実況を観ても、その後のイヴェントを私は無視していたのだった。無知の愚かさ…、この数日初めて実況を垣間見て、教えられたのである。

ぐうたら普通人の私にとって、彼ら身体障害者スポーツ人は驚くべき存在に思える。その一人がインタヴューに応えて曰く:普通の人と異なる特別で特異な行為をしているのでない。体の一部を欠く日常に加えて、さらに鍛え努力している。それはトップスポーツを目指す営みとして誰にでも共通する。障害の無い貴方も、障害を持つ私も、みんな生きているってこと…。

支那のスポーツする障害者だって、それは同じかもしれない。一党体制下の人々だけれども、生きている皆の一人一人に違いないのだ。その傍らに、昨日と今日のメダル荒稼ぎと言う事実がある。どうしてそんなに支那はメダルを獲れるの?と不思議がるベルギーの少女がいる。なぜならベルギーは4日目にして初めて一つの金メダルが取れるかも知れないと期待を膨らませているのである。

1千万人口ベルギーvs百倍以上の大人口国家・支那とメダル比較。ベルギー初めてのメダルと言うのは数字上では可笑しくない。それにも拘らず、支那のでっぱりが不自然に映る。共産支那の毒々しい腹のデッパリ…。

[補足註1]
ケリー・カートライト(22才)は15才の時、右脚腫瘍(癌)のため膝下部分を切断。4年前の北京パラリンピックにT42カテゴリーで、短距離とフィールド種目に出場したそうだ。2日の走り幅跳びで優勝。障害度42は北京と変わらず、FはField種目をさすのだろう。Truck種目は短/長の走る種目…。ケリーを除く選手たちはField44クラスである。優勝記録4,38mはどのF44選手の記録より劣っているが、障害度に応じた補正のためにケリーが1位になった分け。身体障害競技における時間/距離の記録と障害度との補正値作成は容易でない筈。この種目の場合、片脚切断も両脚切断いずれの選手も出場している。弾力に富むファイバーグラス義足の片脚または両脚装着をどう算定するのだろう。
余談を加えると、ケリー嬢は2つのスポーツ専門学校を卒業。日本にもスポーツ専門大学または特定スポーツに優れた教育機関があり、在学中から競技に専念する人々がいる。五輪出場選手の大部分は彼らである。カートライトの未来はスポーツ関係職業。苗字はブリテン伝統職業名`荷車大工`だが、ディスエィブル・スポーツの名工になるべくキャリアー作りの真っ最中だ。

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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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