ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Politics and economics 政治/経済

オランダ選挙 9月12日

隣村からライン沿いに旧ローマ街道を遡ったの数か月前だったか。あちこちの選挙看板が立ち並び、ウルトラ左からウルトラ右までの政党が激しく争っていた。ピラーテン/海賊党の生存率5%クリアーが印象的だった。ノルトライン・ウェストファーレン州は最大選挙民を抱える。前州政府は少数与党SPD。選挙後、ハンネローレ・クラフト総理大臣が多数派与党として再選され、連邦政府を預かるCDUメルケル首相を冷感させた。

仏蘭西にそのあと、戦後二人目の社会党大統領フランソワ・オランデが生れた。同時にマリー・ルペン右翼政党が堅実な伸びをしめした。左右の亀裂が独仏に於いても明らかである。クラフト女史が連邦レヴェルに出るならば、保守連合CDU+FDPを覆す可能性がある。オランダでは中道右派・保守だったが、昨日今日の地滑り的な予測から、あるいは独仏に続く中道左派が生れる可能性がある。欧州の債務危機≒徹底的緊縮政策と直截に絡む選挙である。[註1]


9月12日 オランダの選挙日。あと2日。
日本で総選挙と言うのは衆院と参院の両院選挙なのだろうか? そうならば、今回は第2院又は下院選挙と言うべきかも知れない。上院あるいは第1院と言うのはオランダに於いて有って無しの飾り制度のような印象を受ける。第1院の廃止説が強い。そこで選挙と言うのは実質的政治を行う第2院の重要事と解される。

蘭内閣は6月に倒閣。少数与党は内閣に組さない`自由党`が重要案件を支持する約束で成立していた。しかしギリシャに端を発したユーロ危機/債務援助などEuroZone問題で、自由党が約束を反故にして戦線を離脱。EUへの政府援助に自由党のNoだから、少数与党内閣は直ぐに倒れた。

自由党はフェールト・ウィルデルス(49)が国民党を離脱して一人で始めた右翼政党。移民とEU専横を良しとしない人々に支持を受け、前回26議席の大兆進を果たした[参照;欧州の右翼]。挙党以来、党運営は党首の独裁だから、騒動が後を絶たず既に4名ほどが離党。

Kermis(ケルミス)=Jahrmarkt(ヤールマルクト)とは本来年末のキリスト誕生を祝う祭。現在は季節ごとに村や町に巡回してくる移動遊園の祭を指す。キリストとの関わりは微塵も残っていない。子供たちが楽しみにする秋のケルミス。蛸(オクトパス)遊具が激しく回転する向うに選挙看板が立っている。選挙ポスターは管理委員会が用意するパネルにしか晴れない。ただし個人住居の窓に張るのは自由。
Verkiezing 10
今回オランダ選挙に出るのは22政党。主な政党;VVD, PvdA, CDA, PVV, D66, SP, Groen Links, Christen Unie, SGP en Partij voor de Dieren (PvdD)。順に和訳すると、国民党/労働党/キリスト教民主党/自由党/民主66党/社会党/緑-左党/キリスト教連盟党/カルヴァン派新教党/動物愛護党。


ブリテンUKとアメリカUSと言うアングロサクソン直系がなぜ伝統的に二大政党なのか?、それは17世紀後期のウィリアム3世とメアリーとの夫婦共同統治の議会から始まっている…。メアリー父親側(Tory)と新王夫婦側(Whig)。現在トーリーはデーヴィット・キャメロンの保守党を指し、ウィッグはニック・クレッグの自由民主党にほぼ重なるような気がする。ブリテンは厳密に3党体制だが、とまれ少ない。

妻メアリーとその夫は従兄妹のウィリアム3世。彼はオランニェ・ナッソウの若君ウィレムである。その蘭共和国に源を成す現オランダとベルギーは常に多数政党である。平和で裕福な小国は少数意見が尊重されると言うか、俺も俺もと言う個性の強さからどうしても小党乱立になる…と私は解している。

本日の選挙予測統計を含めた予測議席数。選挙予測統計を取る組織(企業や大学など)が7つある。その内の3つの予測を順番に11党並べた結果である。水平の赤い線と数字は前回選挙の取得数。
Verkiezing 07 peilingen2


浮かぬ顔の…左;D66(民主66)党首アレクサンダー・ペッフトルト。右;社会党党首エミール・ルーメル。
8月半ばまで20議席以下で低迷していたPvdA(労働党)が急上昇。その煽りをもろに受けたのが社会党とD66
。社会党の新党首ディデリック・サムソムの選挙討論が渦を巻き起こした。中道右派のD66はVVD(国民党)に食われ、社会党は労働党にガブリともぎ取られた。両党に投票予定だった左右の選挙民が首相職をそれぞれ支持の左右最大党から出させるために、戦術的に最大党へ鞍替えしたのである。ディデリック旋風前に予想会得数30議席でトップを争ってエミールにとって腹の虫がおさまるまい。アレクサンダーにとってもおなじだ。5議席増予想が現状に舞い戻ったから。
Verkiezing 11
右;元グリーンピース活動家だった労働党新党首ディデリック。左;当確前のVVD党首で首相マルク・ルッテ。この二人が最大議席数を争う。最大党が首相を出す制度故に、強烈な追い込み討論が行われている。


戦後CDA(キリスト教民主)と労働党は共に政権を分けあい、社会組織のトップ人を独占してきた。自民党にさえ籍を置けば、分け前が良いと言う戦後日本にやや似ていた。例えば、市町村の長は議席数に応じて配分される。キリスト教民主と労働党が殆どを占めると言う澱む気分があった。バルケネンド前党首のお粗末からCDUは小政党に凋落。宗教政党離れは今後徐々に国際化するかも…

戦後、鉄鋼連盟から欧州共同体へ、さらにマーストリヒト協定から欧州共同通貨を実現してきた機関車の一つは1500万人口の立憲君主国家オランダである(半世紀後の今、1650万)。蘭語よりも国際語である英語を国語にすると言うほどの欧州統合理念の塊である/あった。

その国に今、EU離脱とEuro圏離脱を唱える政党が生れている。ギリシャなど地中海沿岸のお粗末な国々に血税をこれ以上つぎ込めないと考える人が多くなった。典型がPVV(自由党)。選挙民の最大議席政党作りのために、中間政党が痩せ細る気配だが、そうした反欧州の気分は強く立ち込めている。

ギリシャを救済しなければ共同通貨ユーロが傾く。この信念で一筋メルケルとサルコジー2人三脚でやってきたが、企業も国家もそろそろギリシャ離脱の心構えがを出来たようだ。オランダの選挙結果と傾向がキリスト教民主CDU+自由党FDPドイツ連邦保守政権に影響を与え無い筈がない。明後日夕方の選挙即票が欧州の耳目を集める所以である


[註];
1.オランデ大統領は数日前、資産家/大企業トップに70%とか言う高率税を決定したそうだ。100円稼いで70円が税金に持って行かれる。これで200億円の税増収になると言う。さすが左翼政権。しかし保守との溝はますます深まる。プジョー・シトロエングループの工場閉鎖で8000人の失業者が出る。欧州債務危機で自動車産業に黒い影が落ちる。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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