ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Nature 雑草 フローラ/ファウナ

コムギとコメ 


8月に入り小麦の収穫。
例年と同じ時期と思いますが、普段思うことありませんから、アレッ秋ではないぞ!と。

コムギはパンの材料で、パンの主食民族にとって大事中の大事。一方アジアの主食は米です。いずれもイネ科、分類したリンネはPoaと言う科名をつけています。ポア科は沢山の亜科と言うか、異なるグループから成り立っているようです。総括的な写真を見ると、似たり寄ったりの草ばかりですから、その何処にコムギ属とイネ属が配置されているのかサッパリ分かりません

Triticumと言うのがコムギ属名で、その後にspecies がくっ付いています。普通は生産地名や用途別などの呼び名をつける。例えばロシアコムギとかウドンコムギとか、そんな感じです。コメは私すら知っているオリザ、即ちOryza属。果実や葉っぱの形状などで多くの種名があるようです。品種で有名なのは御存知コシヒカリ。その中にフクシマ/シチュアン(Sichuan四川省)/カリフォルニアなど産地名つきのコシヒカリがあるわけですね。美味い一番はどこか?

ある友人が昔、上画像に見るようなコムギ刈り取り機の開発に精出していました。一種の自動機械で、日本や東南アジア市場に相応しいコメ収穫車です。ロボット工学と農業生物学とのシナジー研究で、大手メーカーとの産学協力プロジェクトだったようです。

その時、聞いた話で、ナルホドナーと驚いて納得したことがあります。コムギとコメの農作は北半球温暖域から始った。インドシナ半島先端から本州あたりまでの経度範囲でしょうか。

コムギ地域とコメ地域には大きな違いがある、と彼が言うんです。コムギは粉にして焼き上げる穀物。コメはそのまま炊き上げる穀物。こめは粉にする必要なし。つまり無駄なエネルギーを使わない。コメ域はそれゆえにコムギ域の数倍人口を養える。

目から鱗が落ちるような明快な事実デス、これは。別な解釈はコメがいかにコムギより勝れているかと言うこと。

コシヒカリは産地国によってばらつきあれども、欧州で寿司飯用以外に求める人はまずいないでしょう。そんな高価なライスを食べても、半値以下の例えばタイやスリナム産ライスと味差・区別を彼等は付けられないから。それなりのレストランさえ、シェフコックは日本のコメは言うまでもなくコメのたき方を知りません。水をドバッと入れられ、火加減は目茶苦茶で、フニャフニャだったり、芯があったり、米粒たちはエライ災難です。しかしミシュランの星と無関係な普通のレストランなら、オコメとオをつける文化と無縁なので、奇妙なライスを出されてもクレームをつける客は誰もいない。そんなもんだと思っている。知らないことは時に便宜であるのです。

その代わりパンについて奴さんたちはウルサイ。国によって様々。「ジャーマン・ブローチェン」は英独ポンチャン言葉の"ドイツの小さなパン”、ジュリー・アンドリュースがサウンド・オブ・ミュージックで歌う一つの歌詞です。この早朝焼き上げのパンが最高よ!と言う人は多い。マイニチヤクルトみたいな、焼きたてマイニチブローチェン商いで百万ユーロ長者になった人がいます。

そうかと言えば似たようなイングリッシュ・スコーンが美味いと言うのもいる。でもUKからUSへのパンは進駐軍持込の四角い食パンです。戦後日本はそれに犯されました…、コッペパンを含めパンとはそう言うものだという概念を刷り込まれたのではないか。今はパンについて造詣の深い日本の方が沢山いらっしゃる。戦後はチョット不幸だったと考えられるでしょう…

知り合いのいる溝一つ向こう側と私のこちら側のスーパーマーケットで、パン揃えが全く異なります。フランク王国から神聖ローマ帝国を経てついこの間の一次大戦まで、自由に行き来していた地域なんですが、国境が出来て、混ざり合い方言がそれぞれの側の標準語に置き換わり、パンの好みすらに国境が出来たかのような具合です。

酸っぱいパン(酸っぱいキャベツは御存知ですね)とライムギのパンは向こう側の特徴です。がっしりとまとまっている。そう言うパンは、佐藤栄作総理のお声掛りで出来たデュッセルドルフ日本人街のスーパーマーケットにさすがになかったと思います。日本人の舌にそうだとしても、ドイツやオーストリアそれに陸続きのデンマーク(コペンハーゲンもつながった)のパン屋さんには歯ざわり見事な極上パン種が揃っています。スーパーマーケットのパンはパンでは無い…。ヴェネチアは長い間ハプスブルグ家に属しましたから、やはりそれらしい洒落たパン文化が育っているようです。

おい!スペイン・ポルトガルを忘れるな。マルセイユとバルセロナのブレックファーストで食べるボロボロこぼれるカチッとした豪快パンがなんとも言えん、と声が聞こえそう。欧州狭いようで広うござんす。全てコムギ=パン文化の素晴らしい開花と言わねばなりません。

まだ一つある。北海で切り離された北欧、例えばスエーデンの小麦粉常食品は今で言うクラッカーだった。王族貴族を別にして南の大陸庶民の柔らかいパンは、白夜に半年いつかれる激しい土地に適さなかったと思われます。

knäckebröd このスエーデン語を仮名にするとクナッケブリョードかな?英;クリスプ・ブレッドに言い換えると、味が吹っ飛んでしまう。煎餅状30センチ大の丸い中心に数センチの穴が開けられている。穴は小麦粉地を焼き上げ、棒に差し込み、言わば養生させるため。そのまま保管出来ます。客が来れば外して紙袋に入れる。現在はナショナルグッズですから、10枚20枚入り色々と求めることが出来ます。スエーデンはこれによって、たいてい長四角な形のクラッカー文化を世界に広めたんですね。


[記:2011-08-06]
関連記事
スポンサーサイト
Comment
Trackback
Trackback URL
Comment form













管理者にだけ表示を許可する

Profile

ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
この記事にリンクを貼る

Designed by Shibata

タグリスト

access
access online
現在の閲覧者数:
Latest trackbacks
Search form

Page Top
Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。