ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Euro crisis 通貨危機

ユーロ危機で芽を出す分離独立主義

不景気だとセパラリストが元気になる。地球上あちこちに分離独立運動があり、数え切れない。時代によって上手に`親元`と袂を分かち独立する例がある。歴史上、平和的分離はまず見られない。戦い無しに分離した初例は20世紀を待たねばならなかった。

ポーランドに芽生えた共産主義崩壊の津波がおこった1990年以降、例えばチェコスロヴァキア・ビロード革命後のチェコとスロヴァキアのような分離もこの範疇に入れてよいかも。すると東欧やバルカンにウジャウジャ分離独立を見る。今世紀初頭の東ティモールや昨年7月の南スーダン独立。占領されていると感じる人々はしばしば別の言語/歴史/文化を持っていると考える。

通貨危機との絡みで欧州三例がアップデイトな話題。それらはベルギー連邦のフラーミング、ブリテン王様連合のスコットランドスペイン共和国のカタロニアである。前者の理由はウェーヴェル(42才)と言う政治家の人気に関係する。後者二例の背景は南欧に端を発した債務問題・統一通貨危機・緊縮節約政策による失業率高騰…、八方塞がりの状況になると、分離主義が常に頭を持ち上げる。

上と中はNVA党首Bart de Wever。上は昨年の選挙大勝時、中は日曜日14日の地方選挙大勝で挨拶するバルト。ある薬の効き目で50㎏減量。この異様な変わりざまが何となく北ベルギー即ちVlaanderen(フラーンデレン)の来たる変化を暗示するような気もする…
        Separalism Vlaming cor
下;アントヴェルペン市役所(onder; Antwerpen stadhuis)16世紀半ばルネッサンス建築。中央部分はバロック的でやや表情をちがえる。でかくて賑やかな建物だから、ユネスコ世界遺産になったのもうなずけるゾ。

新フラームス同盟N-VA党首ウェーヴェル(Bart Albert Liliane De Wever)は14日選挙の結果、フラーンデレン最大都市アントヴェルペン市長になると見られる。ベルギー連邦は三語圏(蘭・仏・独)からなり、フラーンデレンはほぼ北半分を占めるオランダ語圏で308の行政単位を持つ。フラーンデレン議会と政府が連邦議会/政府と共にブリュッセルにあるのだが、フラーンデレン中心は地理的文化的にアントヴェルペンと言うべきだ。

ブリュッセルは連邦を構成する三つの政府・議会が集まり、しかもEU議会もある言わば多機能/一点集中`東京`である。フラーンダレン語を話すのは人口の10~15%に過ぎない。ブリュッセルは地理的言語的にフランス語圏に属するのだ。もしもフラーンデレンとフランス語圏ワロニアとがそれぞれ独立すると、ブリュッセルは後者の首都になるだろう。

アントヴェルペン(Antwerpenをブリテン人はアントワーペンと読む筈)は100%フラーンデレン故に実質的に最重要な都市である。市長は90年に渡り社会党に占められてきた。ベルギーに於ける社会主義の実際を知らないが、キリスト教民主主義と並ぶ支持を長期間受けていたことになる。14日の選挙結果が90年の伝統を破る。革命に近い変化が北ベルギーに起こっている印象を受ける。

昨年7月N-VA(エヌーヴァ)は南ベルギーのフランス語圏社会党を上回る第2院議席数をえて、ベルギー最大党になる。だが一党過半数に遠いため、中道左派連立政権に対する最大野党に甘んじている。その時点で地方行政区308のフラーンダレン色分け地図を見ると、N-VAが占めるのは所々である。先の日曜選挙でこの地図の殆どがN-VA過半数地域に変わった。地すべり的勝利だ。

バルトの党は今回フラーンデレン25~30%の支持を集めたようだ。残り75%が分離にJa(≒OK)すると、私にも考えられない。殆どの人々は連邦よりもさらに進んだ自主性を望みつつ、しかし完全独立国家までの分離を考えていない筈だ。とは言え、この傾向は2014年の下院選挙につながるとベルギー人は言うまでもなく隣国も他EU諸国も考える。つまりN-VAの綱領が国政/連邦レヴェルに影響を与えるわけだ。その核心テーマは北ベルギーの分離独立なのだ。

     Separalism Catalan cor
上の地図はイベリア半島の東南部、カタロニア地方。首都はバルセロナ。旗は独立した場合のカタラーン国旗

今日の日曜日、西班牙のバスケンランドで地方選挙が行われたそうだ。あいにく結果もニュースも聞かなかったのだが、その地方出身ラホイ首相の正念場になる。EUからの莫大な債務援助をネゴする西班牙政府は一方でかつてなかった緊縮政策を進めている。それに対し連日ストライキが各地で打たれる。25歳以下の失業率35%…、いやもっと大きいかもしれない。ギリシャと同じだから、暴動的なデモが発生する。

カタラーン又はカタロニアと言う闘牛の本場。フットボールチームのバルセロナの土地。ガウディ―の教会はカタロニアのバルセロナに立っている。ここは他
スペインに比べると豊かであると言う。何故われわれの稼いだ分が我々の年金に反映されないのか? ラホイ政権は財政の栓を堅く閉じ、あらゆる分野で出費がカットされる。年金が減って怒り天をさしたカタラーン人士はここに至り、西班牙からの分離を蒸し返し始めたのである。 


アーレックス・サルモントとデーヴィット・キャメロンがスコットランド分離に関する近未来レフェレンダム合意文書にサインしている。
アーレックスはスコットランド民族党の党首。
       Separalism Skotland cor

     先日の自党大会で、将来への分離に関するキャンペーンについて説明する党首。

1503年、ヘンリー7世の長女マーガット・チューダーがスコットランドのジェームス4世に嫁いだ。ランカスター系分家チューダー当主・ヘンリーはバラ戦争を勝ち抜きヨーク家エリザベスと結婚し、イングランドに平和をもたらした。同じ理屈で戦いを繰り返す敵国スコットランドとの融和を図るために、彼はジェームスと娘との婚姻を模索して、1503年に停戦協約と同時にその婚姻締結に成功した。

この政略結婚[補足1]が1世紀後のクラウン合体の前提になるのだった。マーガレットの曾孫ジェームス6世がイングランド国王ジェームス1世として二つの王冠を戴くことになる。歴史と言うのは偶然の結果だ。もしエリザベス1世が所帯して健康な子を作っていれば、青いたすきのスコットランド国旗と赤十字のイングランド国旗が重なって大ブリテン国旗にならなかった。少なくとも早い1世紀後に合併しなかっただろう。いずれ起こったであろうが、それはマーガレット婚姻と無関係になる。

スコットランド王ジェームス名も后マーガレット名もいわば伝統で同じ名前ばかりが登場してややこしい。チューダーのマーガレットは北欧や大陸(デンマーク/ノルウェイ/フランス)からのマーガレットで無い点が肝心な点だ。ブリテン島内から嫁いだから、マアその後の歴史が回ったと言えるかも。

そして余談一つ。船好きジェームス旦那が確か航海中事故で没したために彼女は1514年再婚[補足2]。1才半の赤子ジェームスが5世として王に立ち後見指南役を迎える。だが再婚旦那ダグラスが権力欲につかれ、王を幽閉、横暴を尽くす。このお家騒動ドタバタ劇をネタにした「湖上の美人」叙事詩が後に書かれ人気を博す。マーガレット曾孫がカッコよく輝いて物語が跳ねるのだが、それもこれもマーガレットの孫スコットランド女王マリーとマーガレット兄ヘンリー8世の娘エリザベスとの確執を経たジェームス6世によるスコットランドとイングランドの統一合体へ導かれていくのだ。

波乱万丈の美しい騎士物語の時代から4-5世紀が経った。アーレックス・サルモントは不況と節約財政でスコットランドが連合国家(United kingdom)に寄与する財政額は受け取る額より遙かに多い。もし分離独立すれば、一人当たり千ポンドの増収になる。加えて北海地下油田収入を100%国家財源に出来る。独立国家として、EU加盟が実現する。ポンドと言う融通の利かない通貨から、欧州全域と円滑な経済関係を結べるなど、分離キャンペーン・リーフレットの準備に余念がない。

目的はレフェレンダム(国民投票)に於いてUKに留まる派に勝つこと。マーガレット・チューダーが嫁いできた独立国家の栄光を取り戻すこと。留まると考える人々が最近の調査で圧倒的だが、もしもアーレックス派が勝つようなことになれば、再びジェームス国王名を復活させイングランドに並ぶ立憲君主国になるのか[補足3]、それとも非民主的王室への税金無駄使いをしないリパブリック・オブ・スコットランドになるのか? それはリーフレットに書いていないように思われるのだが…。


[補足];
1.王侯貴族の結婚は常に政略結婚だがら、あえて書くのがおかしい気がする。
2.マーガレットとジェームス夫婦は仲睦まじかったと思われる。彼女は10年の結婚生活に六度の出産をしている。幸と言うべきか次男ジェームスだけが幼逝せずに育ちあがった。再婚・再々婚による子は無い。唯一の子がその後のUK王室流れを左右した…。流れ途中の小石に枯葉が溜まったり、溜まらなかったリ、、歴史とはそんな感じか。
3.いつの時代にも崩壊した王権子孫を騙る連中がいる。事実、イランのシャー直接血統だとか帝政ロシア・ロマノフ血続きとか言うのが居るのである。どこかに眠る資産/財宝目当てだろう。もしも、もしも立憲君主の復古調ならば、さぞ多くのマーガレット血筋が君主の名乗りを上げるだろう。すると湖上の美人に続く、21世紀のシンデレレラ物語…
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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