ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Nature 雑草 フローラ/ファウナ

雁の季節 [the zone of migration≒移住圏]

      COR 02

雁の季節だ。渡り鳥の代表だろう。12月半ばころから、雁の逆V字形に飛ぶ編隊を見る。南に渡ってゆく冬空の景色だ。あるいはシベリアから渡ってきて、いまや着地せんとする。季節の抒情、、、古人は多くの詩を残しているに違いない。

    DSC_0622.jpg

湖池や川、沼や湿地に生息する鳥類はカモ目カモ科に分類されるのが多いようだ。いわゆる水鳥の仲間で殆ど水かきをもつ。その下位グループに例えばマガン(=真雁)属と言うのがある。

↓の野原に遊ぶ雁をハイイロガン(灰色雁)と言う。夏季に露西亜から東シベリアにかけて生息する。別名ツンドラ雁と言われる。日本列島に飛来しないので、欧米語の通称をそのまま仮名に移した日本名になっている。真雁仲間では最も大きく重い。1970年代に蘭北東の湖の多いフリースランドに初めて飛来。70年代末に孵化が確認された。毎年6%づつ増加して今では50万羽と勘定されている。冬季逗留地として内陸部ライン/マース河川域の常連になっている。つまり我がフィールド湿地帯や牧草地でもっとも見られるガンである。

普通、他の水鳥と混じり合いながら大軍団と言う感じで観察される。しかし1対カップルだけの仲睦まじい姿もしばしばみられる。
      Anser anser Corrage 01 Grauwe gans

雁は支那の漢字で、音読みで普通ガンと読むようだ。詩(ウタ)詠む人ならカリと読む方が多いだろうか。カリを前に置いたカリガネと言うマガン属の小型種がいる。黄色アイラインが目を廻っていて、日本に棲息するそうだ。京都中京に(も)雁金町と言う小さな区画がある。渡り鳥の雁と、どんな云われがあるのだろう。宇治茶にカリガネと呼ぶのがあったが、あれは煎茶か番茶のどっちだったか。

の雁は小型エジプトガン。ツタンカーメンの目の化粧は現代女性のアイライナーの元祖と思われる。その化粧法はエジプトナ・ナイル川域からそれより南に棲息するこの雁からヒントを得たのでは…。と言えるほど強い茶色縁取りで目立つ。

昨春から秋までの小家族。一対のツガイ雁と子雁。通常のエジプトガンは多産だが、我が庵の近くの池は20x10mで子雁一匹の餌しか供給できない為… [補註1]
      Nijlgans (Alopochen aegyptiaca) Corrage 05

和名はヒメガンと言うらしい。姫は小さい意味でつかわれる和名分類接頭語。上述ハイイロ雁より少し小さいマガン属のガン。両鳥互いに似ている。橙桃色のクチバシ根元が白く、腹部に不規則な黒い模様がヒメガンの特徴。英語彙の名称はクチバシ特徴を形容している;Greater White-fronted Goose。
      DSC_0632.jpg
鳥のテキスタイルパターンのようなトップ画像はこのグースである。上の込み合う写真は一斉に鳴きながら飛び立つ場面で、嘴よりもバック・ビューティーと言うべき尾羽の二重白線が目立つ。

雁の諸語にGから始まるのが多い。gås(デンマーク/ノルウェイ)、goose(UK)、gęś(ポーランド)、ganso(スペイン/ポルトガル)…、これらは共通語源だろう。独蘭はgansと綴り日本語ローマ字書きと似ている。発生は独蘭それぞれの癖があるが…、万が一どこかでリンクしているかもしれぬ…

渡り鳥`移住`は本来、冬季と夏季に往復する現象を指す言葉だった。英語彙だとMigrationと綴る。エジプトガンはフランスがエジプトに進出、ロゼッタ石のエピソードと共に欧州(動物園)に移入された。 可哀そうにエジプトガンは嫌われ者だ。なぜなら孵化期になると、マガン仲間を追っ払う強い性格を持っているとされる。

ここに画像upした灰色と姫雁の二種は言わばフローラ(植物界)における`自然分布`だが、エジプトガンは人為的にもたらされ、居心地がいいため居ついてしまった雁である。それは移住してきて再び元に移住するMigrationでない。エジプトガンは帰化=Naturalizationしたのだ。[補註2]

何十万、何百万の雁たち。雪で真っ白な放牧地に群れを成す雁。彼らはクチバシで盛んに雪のカバーを取り除き、しきりに何かを食いちぎっている。緑の草を食しているように見える。羊や馬と同じ腹ごしらえだ。驚くべきエネルギー供給力を草が持っていると言うこと。草食動物を創造した神…、と言うか生物進化に眼(マナコ)を見開く。

フランス人ならばゴクッと舌を舐めるだろう。逸品クリスマスディナー料理の素材が畑に一杯並んでいる。健康この上ない自然の恵みではないか。ジンワリとオーブンで焼き上げる小さな野鳥もおつで小粋…。だがセイジ
とローズマリーにリンゴ詰めデカイ雁のコッテリ焼、その厚切りスライス肉…。心臓も腎臓も。と書くと動物愛護者が気絶しそうだが、7~8㎝直径ハートとレバーなどの内臓器官にグルメ真髄と``骨頂``があるという。

      乱舞するガンとオウシュウナラのシルエット
      ヒメガンと夏楢 cor 01

[補注];
1.参照;2012年7月17日「Immigration と Migration ナイル雁に寄せて」

2.エジプトガンは言い代えれば永住権を得たのだ。ガストアルバイターだったトルコ/モロッコ/チジィニアと言ったイスラム教圏からの移民はまっぴら御免とする民族主義≒極右的現象のアナロジーになろう。英語(≒アングロサクソン語)綴りの場合;migrationの同義語が幾つかある。emigrationは人の移住/西部開拓民/他国での出稼ぎ。immigrationもほぼ同義。ラテン語migratioからの追加/変化の言わば`変種`と思われる。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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