ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Nature 雑草 フローラ/ファウナ

はぐれ鳥 ガンとハクチョウ

ライン河床の耕作地に迷い込んだ雁。下画像は3枚を一つにまとめたもので、同じ一匹。顔白雁に似ている。カオジロガンは60㎝長の大型雁で、北部オランダの海岸部で冬を過ごし、夏の孵化期はグリーンランド東海岸からバーレンツ海の群島・スピッツベルグまでに棲息する。

独蘭では池や草地など条件が整っていれば飼育が許され、留鳥的扱いを受ける。冬季の砂丘に万と言う大群を見たことがあり、絶滅種にほど遠い。しかし恐らく保護鳥に指定され、狩猟は許されない筈。

Blanta leucopis Brandgans 011

眼から嘴下部分までの上部が黒く、胴体上部にたたまれた羽に白い縞模様が無く、標準カオジロガンと異なる。カオジロガンの変異なのだろうか、それとも別種か、判断が付かない。ただ一匹だけで、彼/彼女自身もどうすべきか、思案にくれているように見える。他大陸の山岳地に迷いはぐれた渡り鳥は豹や鷲など肉食野獣の餌食になる。が、幸いにもスイスから海峡河口までのライン河床にそんな野獣はいない。

何かの理由で仲間が留まる河床湖を見失った個体か…、それともしばしばツガイで別行動する途中にパートナーが事故死したとか…、想像をめぐらしてみる。次の画像も`はぐれ者`。ハクチョウで、森を縦貫するアスファルト道の路端でやはり、どうしようもなく思案していた。単体のハクチョウが水気の無い場所にいるのはまず見ない。カモ科の水鳥が単独行動するのが本来珍しいのではないだろうか。

下のはぐれ白鳥の呼び名として、Höcker付きSchwanと言う意義が多い。下右画像の頭部側面から、クチバシ上たもとに膨らみが分る。これをヘッカーと言い、和名でコブを採用してコブハクチョウと呼んでいる。ラクダや人の背の膨らみも、蜂に刺されたり衝突して出来る頭のたんこぶも、ヘッカーの類になろう。ウムラウト付きO(オー)綴りの人に時々出会い、言ってみればタンコブさんや猫背氏になる。一般に見られ人気のあるコブハクチョウの語彙を持つ苗字だから、あるいは綺麗に響く…。

Mute Swan 01
ヘッカー姓は、小高い土地に住まう家族の字名/呼び名だったと想像する。コブのように盛り上がった敷地に建つ農家/屋敷は大河川域に多い。河川氾濫への予防策である。近くに溜まり池があり、コブハクチョウが番っている。かようにイメージすると、ドイツ名から和名をとった生物屋さんもすんなり納得したことだろう。仮に長崎出島の商官界隈から入った情報であっても、蘭語も同趣旨の命名故に、同じ和名になる。商館の有用生物の担当者は蘭共和国に就職したドイツやスエーデン人だったから、どこの由来でも変わりはなかったに違いない。

5mほど距離を置き見守る私に、まもなくクロスサイクリングの女性が加わった。カッコイイ滑々グリーンレース用ウェアーとヘルメットかぶりの彼女も迷いこんだハクチョウに驚き、トレーニングをしばし中断しなければならなかった。曰く;こんなのに始めてであった。怪我をしているのかしら?
ウォーク・イヴェントのトレーニングを兼ねる撮影歩行中の私はついでにハクチョウを写すことができたのだが、考えこむように留まるハクチョウにずっと付き合うわけにいかない。まだ10㎞を残していたのでシャッターを2度だけ落としてその場を離れた。クロスサイクリスト嬢も首をかしげつつ「助けることも出来ないわね」とペダルを漕いで遠のいて行った。

コブハクチョウ ツガイ
我フィールドと言うか、村内外れにある池のツガイ。他の水鳥も多いが、コブハクチョウはこのカップルだけ。二等辺三角形の池で、底部60m両辺100mほどの広さだから、定員1組と言うことだろう。ほか数ヶ所にやはりツガイを観ているので、数キロ範囲のコブハクチョウ数は10羽前後に思われる。過ぎ去ったばかりの厳しい冬期に、彼らは姿を消していた。恐らくまもなく戻ってくる。5年ほどの観察結果からである。2年前の画像で、水に半分浮かぶような巣をつくり、孵化に備える時期。

ウィキ辞書によると、京都競馬場にスワン・ステーキ盃と言う馬の駆けっこがあるそうだ。競馬行事名の由来は何処か近くに飼われているスワンからだそうだ。何羽か不明ながら、オランダから移入されたとあるから、恐らくコブハクチョウだろう。

ラインやマース河川域にプラスと呼ばれる水たまりが無数にある。水たまりと言えども本流とつながる立派な湖も、こじんまりとした趣の池もあり、しばしば生物(主に鳥類)保存地になっている。渡り鳥の休憩地になる場合、渡り鳥が`渡たるの止めた`留鳥地の場合、あるいは此処からツガイが近くのスイートホームに出かける場合、など様々が考えられる。

コブハクチョウの大群を観察したことがない。コブハクチョウは異なる鳥たちの群れに混じらず、やや離れた静かな小粋な水場を好むように思われる。彼らは他の白鳥のように、大声でクワァグワゥなどと叫ばない。エジプトガンのような威嚇的鳴き声も聴いたことはない。寡黙な鳥である。Muto Swanと言う英語呼称はこの寡黙性を説明している。沈黙する白鳥…、だんまりハクチョウ…、

ハクチョウらしい白鳥、と言うと他種に申し訳ないけれども、コブハクチョウの優美さは賞賛され、あちこちに導入されてきたようだ。飼育から野生化する。生活力旺盛なのだ。すると現地の他の鳥たちを圧倒する。自生鳥類が減る原因になるそうだ。ヅウタイが大きく、だんまりで力強いならば、小さな弱者を淘汰するのは自然である。USや恐らく`京都競馬場`辺りで、コブハクチョウは外来侵略種になりつつあると、私には危惧される。公害の範疇に成るだろう。

カオジロガン 公害

ほんもの顔白雁が名物の都はヘルシンキだ。ご覧のように、なかば公害になっている。公園や海岸部の芝部分を占領して、時に人々が歩けず、寝転ばれず、市公園担当課も痛しかゆしのようだ。糞はいたるところに放たれるだろう。その量は膨大になり、当局はどう処理するのだろう。放牧/耕作地ならば、そのままで問題にならない。その代り栽培植物と絡むと、追い払われる場合が起こる。

始めは獲付け又は飼育状況にあったと考えられる。市民/観光客にも歓迎され、ドンドン数が増えた。フィンランドでは恐らく狩猟禁止鳥と思われる。一網打尽して、ガン/カモなど野生鳥レストランでコンガリ丸焼きにするわけにいかないのだろう。もし山地/野原で捕えて食材に出来るならば、完全なgibierになる。フランス料理の神髄・ジビエ、野生鳥のグルメ世界である。

動物愛好者による過剰な甘ったれが行政を混乱させる。希少種・絶滅種は保護されなければならない。微妙なケースが多くでてくる。各種の鳥の生息数を大まかに把握する組織が幾つかあって、警鐘を鳴らす。狩猟によって適正な管理が実行される場合もあるが、実情はかなり難しい事業だそうだ。

個人的と断り、書いてみる。空を真っ暗に覆うような鳥がいる。数匹を捕獲して、食材として凝って料理して味見したい。普段、`工場製品`4本足も2本脚も食べないが、100%野生ならば食部分の心が躍る。カモ/ガンの小さな肝は珍味と言われる。これ以上の逸品はないと三つ星シェフの言葉がこだまする。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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