ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Oh every day 日々そうそう

Waters rise in central Europe flood

ライプチッヒ/ドレスデン/ウィーン…怒り狂う大水にさらされている。特にパッソウ、、
Floods 07

2002年8月だったか、Moldau (Vltava)川の水位があがった。流域に溢れた水が大きな被害をもたらした。モルダウは両河岸を飾り、プラハのシンボルだ。`めくらのヤン`が請われてボヘミア王に成った時も、この川は流れ、下流のエルベに豊かな水を供給していた。しかし暴れ川だったと言う。

Flood 01
デュルベンはネーデルザクセン州の小さな町。いったいエルベ本流が何処なのか?分らない。昨日がこのありさまだから、ドイツ東北部とチェコ山間部との降雨量がしのばれる。この地点から100㎞?(もっと)さらに東斜めに下るとベルリンで、どんな様子だろうか。

盲にも拘らず出陣する親父に付き添った息子カーレルは大学創りと共に、モルダウ治水事業を含むプラハ都市計画を実現した。皇帝選挙に勝ったカーレル全盛期である。中世からポツポツ継続した河川事業は、しかし、8世紀後に地球温暖化/天候異変による`想定外`水位上昇に対し無力に等しかった。

2002年災害後にプラハ市当局はカーレル4世橋のたもとなど主要点に防水壁を整備したそうだ。普段は見えないが、スワ危険水位と言う時に壁が設置される。今週、早速取り付け作業が始まったようだ。美しい観光の街を守らねばならない。上手に働くだろうか? 

Flood 02

Flood 03
ラインに流れ込むネッカーやチェコから入りエルベとなる河畔市町村も対策に大わらわ。砂袋積み/水汲みだし/仮歩行橋など出来ることはするが、猛烈な水量にお手上げ区域も出ている。地下部分は水漬かり、地下パーキングの車はエンジン部分までどっぷり。流され焼失するより増しとは言え、厄介な修理になるかもしれない。


昨日今日、スイス、ポーランド、ドイツ、チェコ、ドナウ川が東行するオーストリアとスロヴァキア、これらが濁流に洗われている。2002年の洪水をドイツではJahrhunderthochwasserと呼んでいる。世紀に2度とない大洪水、そんな意味。その10年前から今年までの間に、東に流れるドナウ川の大雨被害が時々起った。河川維持に金を回せない東欧共産時代の`遺産`を背負っている感じを受ける。

反対の西側に流れるライン支流マインやエルベは護岸工事が進んだそうだが、サテライトニュースでオバサン曰く;前回に見舞われなかったのに、ほんとにすごい雨降りだわ! 経験しなかった浸水と言うのだ。つまり補強改修された場所で`水抜き`が発生しないので、その水が他の弱い場所を襲うと言うことかも知れない。土嚢作りにボランティア集めをする市長、被災者をボートで救出する消防/警察関係者、家財道具を2階にあげても無駄だと空を仰ぐ人々。流域市町村の物的被害が続出しつつある。

Floods 08

パッソウ(Passau)はドナウ(Donau)/イン(Inn)/イルツ(Ilz)三つの川の合流地点の街。イン川は南のザルツブルグ方面から北行し、イルツ川は北のバイエルン山地から南行し、それぞれ西から東に流れるドナウ川に流れ込む。インのドイツ東側高みから合流地点に向かい、蛇行坂道に沿って自転車を転がらせたことがある。ヴァカンス先で借りたボロ自転車ブレーキが利かないことを知ったのはスピードが増すさ中だった。大けがに至らず、ドナウに落ちて溺れることもなかった。しかしパッソウはかような危険な場所である。

交通標識が水没しかかっている。夕方の計測地点で9m増水値がでた。他メディアで12mと言う数字も聞いた。パッソウの街は電気/水道が途絶え、多くの住民は避難しなければならない。かつてこんな記録はない。5百年ぶりとニュースリーダーが伝える。根拠は何処にあるのか? 好い加減であるが、状況は十分に分る。
明日アンゲラ・メルケル女史がこの国境の街に慰問に来る。何故か?

2002年8月は総選挙前だった。二期継続を目指すSPD現役ゲルハルト・シュレーデル党首の旗色は極めて悪かった。初のCDU女性宰相が予測されていた。その時、未曾有の洪水が発生。両党は選挙活動中止を約束。首相は被災地を必死で廻り、人々を慰め現場行政関係者を励ました。この連日の報道が選挙結果を左右した。ゲルハルトはアンゲラを破り、再びベルリン・ブンデスタクの宰相席に座れたのだ。9月に3選にチャレンジするメルケルオバサンにとって、このジンクスにあやかり…と言うか、チャンスを逃してならない。

↓緑色はドイツを除く出水諸国。ドイツの東でチェコの北に位置するポーランドは緑になっていない。が、大水が出ているようだ。カーレル橋は左右欄干に歴史人塑像を並べる観光名所。6月入りの晴れやか日和の筈だった日本観光団の方々は突然の洪水騒ぎで余分の興奮を覚えられるだろう。
Flood 04

↑チェコ共和国の文字列から真東に目を移すとルクセンブルクに突き当たる。左様な事実に普段なかなか気が付かないものだ。ヤン(1296-1346)と言うのがルクセンブルク領主だった。エリザベートと所帯すべく、彼は間に横たわるドイツ諸侯領を真っ直ぐ抜けてボヘミアに行ったのだ。スイスやオーストリアに行くより簡単に見える。上さんの父親が勇猛なるヤンを欲した。敵を排し国を治めるのは知と武を備える人物でなければならない。同時に伯爵から王へ出世である。晩年、戦傷の病で盲になりながら、なお軍配を握った。チェコ=ボヘミアで'メクラのヤン'と親しまれ尊敬されている。いずれの土地でも、ヤンと発声する。

Floods 05

Floods 06
土嚢を作り、ヴァンに積み、低い浸水可能な地下建物まで運ぶ。橋足下すれすれまで水位が上がっている。これが1~2時間後にライプチッヒあたりに達する。ドイツとチェコの共同戦線になる。これらサテライトニュース局のキャプションは英語になっている。

EU圏各国の`顔`TV/Radioも民間24時間サテライト局も、水騒ぎ報道に明け暮れている。浸水面積は膨大だが、死者数は現段階で10名に満たない。予防対策と迅速な対応が効を奏しているようだ。もしも開発諸国(東南アジアや支那、南米など)で似たような洪水がおこれば(経験則によって)被害者数は大きい。昨日、支那の養鶏企業の惨事が洪水ニュースの陰になって報道された。死者が数百名以上と伝えられる。人命の尊さを考えるならば、どちらの騒ぎを丁寧に報道し、今後に生かすべきだろう?

Normaal Amsterdams Peil と言う海抜標準がある。NAP(エヌ・アー・ペー)と簡略化される。各地の河川水位はNAPから○○㎝高い/低いと表現される。明日又は明後日、ドイツに続き独蘭ボーダー水位が上昇するだろう。ライン川が蘭国に入る地点をLobitと言う。そのLobit計測がまず重要。しかし1996年と2002年の大洪水データなどによって、綿密な警告プログラムが組まれ、必要に応じ具体策が実施される。既にライン流域の例えばキャンプ場は対策を採り、常駐キャンピングカーを高みに避難させている。下流であるから、時間稼ぎできる長所がある。

Frood Rijn en Waal 01
↑に北ラインと打っている。正式と言うか、普段の呼び名はドイツ/スイス上流との対比で`下流ライン=Nederrijn`である。

用意周到であっても、現実はしばしば予期せぬ事態を結果させる。各国の洪水状況はそれぞれ時間差があり、また運河の連結とその高低差によっても異なってくる。欧州の洪水とは、二つの大河ドナウとライン、それらに合流する支流を含めるネットワークの物語にもなるだろう。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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