ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Hacking, Spy and Battle of secuarity

Edward Joseph Snowden ブクブク泡騒ぎ

上画像;左ヴェネヅエラ大統領マデュロ(Nicolás Madurono)。後ろ写真のチャベスの死後に一番手に成った。 右;ニカラグア大統領オルテガ(Daniel Ortega) 中画像;ボリビア大統領モラレス(Evo Morales】 下画像;国連のバン・キー・ムーンと並ぶアルゼンティン大統領キルチネス(Cristina de Kirchner)。南米の3人大統領が米国の指名手配容疑者の亡命受け入れを争っている。メリットは何だろう。
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大ブリテン島を占める「王様寄り集まり」と言う正式名の国で、数年前に電話盗聴スキャンダルが起った。メディア帝国と言われる`マードック`によるあらゆる個人の盗聴であった。ルパート・マードック自身とブリテン持ち株会社トップとが自由に政府/内閣府に出入りすると言う`異常`を誰も不思議に思わなかったスキャンダルでもある。

一月近く前の6月10日ガーディアントップ一面が下の記事/写真である。今回の盗聴/ハッキングは民間企業によらない。アメリカ合衆国州政府の1部門NSA(National Security Agency=国家安全保障局)による大規模な情報収集。もちろん秘密なる違法行為である。これを暴露したのはNSA勤務スノーディン(30才)。内部告発で、見出しにある`口笛吹き`である。「プライバシーと基本的個人自由を侵害するUS政府を許すことが出来ない」動機が明らかにされている。

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ガーディアンのグレン記者のすっぱ抜き記事以来、30才青年の行方に世界中ジャーナリズムの関心が集まる。ボリビアの・大統領モラレスがモスクワに`私的`風なジェット機で出かけ、スノーディンを乗せ飛び立ったと言う分刻みのトイッターが昨日流れた。何故、貧しいボリビアの人気`実は独裁的`大統領がシャシャリ出てくるのか? 何故プーティンが内外記者人を集めて会見をしなければならないのか?香港からモスクワに飛んだそうなスノーディンは今何処にいる? 

格好良いジェット機のメーカーが気にかかる。正式持ち主はボリビア共和国の筈だが、事実上はモラレスのオモチャであろう。つまりモラレスのモスクワ行きはジェット機メーカーへの興味と同じような取るに足りないことなのだ。US政府から国家反逆罪で指名手配を受けて青年をなんとかものにして、人道上の名を挙げると同時に、日頃のオバマ人気とその大国に腹いせしたいと言う単純なゴシップなのだ。

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エドワード・ジョーセフ君はNSAの香港出先で、手短に言えばインタネットスパイ作業に関わっていた。PC学士で卒業後、CIAでコンピューター/インタネット部員として、マア修業をした。それからNSAに移り日本駐留米軍でさらに腕を磨いたそうな。NSAの日常業務スパイ実態を熟知、そしてガーディアンのアメリカ版の記者グレン・グリーンワルトと接触、今回騒ぎ`渦中の人`に浮かび出た。グレンは40代初めジャーナリストで、おそらく意気投合したと思われる。

記事が出て、すぐさま手配容疑者になった彼は身元を明らかにして、淡々と事情と動機を語っている。どこにもいる明るいきちっとした青年。事情とは、今日まで公に知られなかった`同盟`EUの盗聴/あらゆるインタネット交信の収集実態をリークしたこと。ブリュッセルとワシントンだかにあるEU情報中枢ビルから、言わば大水がNSAに漏れていたのだ。

ドイツやUKで具体的証拠がゾクゾク発見されだした。例えばハッキング器機が壁に埋め込まれていたり、コンピューター室の配線がマニュアルと違っていたり…。アンゲラオバサン曰く;もう冷戦の時代は終わったのよ! EU議会の委員長Martin Schulzが「こりゃーとんでもねーことだ。あってはならん」とドイツ訛りの英語で顔を曇らせている。信頼しているUSに騙されていたショックを隠しきれない。

ジョーセフ・スノーディンは自由な個人として[勇気を要したが、するべきことをした」と`清水の舞台から飛び降りた`後のスッキリした表情である。正義の行為をしたと言う確信と落ち着き。父親は理解を示しつつ、お上に堂々出て来るようにメディアに話している。しかし息子は18か国だかに亡命依頼をだしている。アイデンティティーを明らかにしながら、国家の犯罪に対する警鐘者/内部告発者としての自由を確保するためだ。こうした晴れ晴れさは今までに一寸なかった例である。

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女スパイで売るアナ・チャップマン。実は漫画チックなセルフメイド女スパイ。チャップマンは元亭主のUK苗字。離婚した筈だから一種の芸名。ロシアにない姓だから芸能界で目立つ。こんなイカレ女性がロシアに出る。自由な民主主義国家に錯覚する奇妙な現象。建物は不便で悪評高いモスクワの空の玄関シェレメーチエヴォ国際のターミナルビル。プーティン殿さまもまだここまで手が回らない。

とりあえず彼は香港からモスクワへ移動。香港では市民グループが彼を支持するデモを組織した。それは欧米の数ヶ所に伝播。ロンドンのエクアドル大使官`亡命中`ウィキリークス創始者ジュリアン・アッサンジェ[補註1]はスノーディンのために滞在/旅行全てのコスト援助を声明する。

そのエクアドルがまず亡命候補の一番に上がる。実体は、貧しい中南米がUS交渉の札に使うと言うこと。スノーディンはモスクワ空港の乗り換え空間にいたが、モラレスのジェット機に潜り込んだらしかった。直ぐに現場にいるジャーナリストからのトィーター情報が飛び交った。まもなくモスクワを離陸した飛行機はオーストリア上空で着地を強制された。そこからも着くや否やトイッターが入る。深夜だった。眠気まなこのモラレスとお付きの外務大臣はウィーン空港で「どうして足止め食わされる?」と両手を挙げて浮かぬ顔。記者会見中、疲れたパイロットたちは傍の椅子でウツラウツラ仮眠を取っていた。

オーストリアに続き、フランス/スペイン/ポルトガルがジェット機の飛行ルートに当たる上空通過を禁止した。このスッタモンダに巻き込まれるのを避ける外交措置と思われる。茶番劇、と言うか、空しい出来事である。ジェット機はエドワード君抜き、つまり獲物無しでボリビア首都に帰着。するとアルゼンティン若作り大統領クリスティナ・キルッフェナー[補註2]が隣のパラグアイ大統領をさそって、オーストリア初め欧州諸国さらにオバマUSに対し、国際条約に違反する強制着陸/上空禁止の措置は怪しからんとタンカを切るのである。欧米先進諸侯と開発諸国の対立図に一寸思える。今日あたり、南米同盟(中南米を含む)が集まり対策を協議するそうだ。

NSAがEU他の同盟諸国のワイアー・タッピングをしている。公共の水道管や電気線から水/電気を密かに盗む家庭屋根裏ケシ栽培家は多い。それぞれ水と電気のタッピングである。光と水、それら植物栽培に必要なエネルギーを本菅/本線から別菅/別線を引いて只で入手するわけだ。それを、電話の送受話器内部の配線を細工して盗聴するWiretappingになぞらえている。それ故コンピューター交信の収集作業もタッピングと言う。

あるUS外交官によると、ワイアータッピングは常識だと言う。外交における基本的裏方と言うこと。驚くに値しないと彼は言いたいようだ。この暴露があって、`西側`各国は自国情報機関は「そんな違法はしていない」と控えめな声明を出した。しかしフランスではジャーナリストによる`タッピング`が報告されている。ロシアのKGB後身である国家保安局は言うまでもなく、共産支那のインタネット・タッピング/ハッキング部門は3千名だとかの部隊を要し、1にUS、2以下に日本/韓国/EU諸国の情報収集と攪乱を行っている。

USに於いて幾つか世論調査が行われた。スノーディンの勇気を称え支持する人々と、国家利益を損なう反逆行為と思う人々とは半々の印象を受ける。同盟国によって情報盗掘を受けたEU圏ではスノーディン支持が過半数を超えるかも知れない。しかし犯罪者としての扱いはUS法律に従うから、何十年もの収監判決を受ける公算は強い。そこで内部告発=警鐘者の身柄保護に関する法律化を目指す動きが10年来議論されている。告発による社会悪が公になる傍ら、告発者自身が解雇され、困難に陥る場合がある。社会正義に貢献しながら、支払う代償が過酷である。これでは社会が逼塞する。とは言え、悪はたいてい栄えると言う常識が非常識になるのは遠く長いトンネルの向う…。

‘Snowden, will you marry me?’
とトウィートしたのが上のアナ・チャップマン[補註3]。インタネット交信のタッピングに鐘を鳴らした青年に「私と結婚してくれない?」とソーシャルメディアに書き込み、再び脚光をあびた。青年がシェレメーチエヴォ空港内・乗り換え空間にいる状況を巧みに利用した自己宣伝である。辛うじて若いうちのあがきと解して良いように思われる。プロスティテュート風な流し目トィートがメディアに取り上げられる。それがリーク(告発)実体と関わりの無いブクブク騒ぎを良く示している。

空港のTransition Space=乗り換え空間は該当国法律の及ばないニュートラルな空間。そこで長期に渡り生活する例が知られる。収入なしだが、同情者や面白いと思う支援者による助けを得て、目立たぬ場所でまさに`棲息`し続ける。世界記録は2年ほどに及ぶだろうか。スノーディンがモスクワのその空間で日々を過ごしている詳細は伝わってこない。あるロシア女性は「まるでお伽話ネ」と洩らす。トイレ清掃や売店、巡回警備人が日常付き合う人々に成ろう。彼の場合は数え切れないジャーナリストにインタヴューを乞われる筈だから、二重に厄介且つ込み入った生活だろう。お伽話…おおかたの人々の感想であるまいか。

鐘を鳴らすこうし勇気ある人々に羨望を覚える。妻子があれば躊躇する行為に成ろう。鐘を鳴らせるような政治環境を保障する国がホントウの民主主義国家で在るように思う。これに、6月10日以来のブクブク騒ぎが一助するならば、誠に良き哉…。

チャップマン・ゴシップ女史と同じやはりセルフメイド大統領プーティン[補註4]曰く;US政府の情報収集実態の告発をこれ以上しないならば我が国への亡命を認める。スノーディンは直ちに、ロシア亡命依頼を引き取った。どう言う分けか、チャベス後を継いだヴェネズエラのマデュロが「USから近くて遠いここなら亡命生活は快適になる」とOK信号を出した。すると争うように、北と南を繋ぐ細い回廊の真ん中にあるニカラグア・オルテガが「ぜひ我が国においでくだされ」と言わば亡命招待状を出す。ほか数ヶ国が`口笛吹き`君の会得を目指しているようだ。

何処が首尾よく`もの`を掴むか?パスポートと出国するための紙類、さらに飛行便とその切符などを整えること。そしてUS他の妨害を潜り抜けること。さすれば髭伸び放題?のスノーディンが乗り換え域から機体に搭乗できるだろう。彼の勇気に賛辞を呈し、モスクワ脱出の成功を祈りたい。

[補註];
1.Wikleaks, Julian Assange。ジュリアンはエドワードの先達。コンピュータースペシャリストで、国家や企業の不正行為に対する情報開示を行う組織ウィキリークスを立ち上げた。US/UKなどから逮捕令状をうけ、亡命先を探っている。逃げ込んだ大使館から出られないのは、UK外務省の「絶対に出さない」方針による。

2.Cristina Elisabet Fernández de Kirchner。旦那ネストルの不健康で2003年5月、大統領選挙に出て当選。2007年2期目は現役と固めた自陣官僚とにより他2候補に差をつけ再当選。過去の軍事政権を否定、女性大統領として巧みに立ち回っている。旦那がドイツ系だが、スペイン語読でキリチネルのように読むそうだ。参照;4月初頭「アルゼンチンのホルヘ三人」と「アルゼンティン話に付いた尾ひれ」

3.以前のロシアスパイ項を参照されたし。3年前ワシントンからウィーン経由でロシアへ強制送還された。ロシア保安局の他9名スパイと共に、ウィーンでCIAの露西亜スパイ一人と交換された。冷戦時代を彷彿させるドラマだった。アナの人柄は単なる派手好みのいつもスポットライトを浴びていたい典型。

4.大統領選挙過程は先進`西側`手続きにほど遠い買収/二重投票/脅しなど謀略に満ちていた。EU首脳が首を大きくかしげ、外交担当のキャサリン・アッシュトンをして「プティンはその独裁故に歴史の暗い部分ネ。次選挙で直ぐに没落するわ」と言わしめた。


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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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