ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Habsburger jaw (しゃくれあご) The White Queen [外篇]

Chin of Habsburgと綴ると、分かりやすい。ハプスブルクのしゃくれあごは歴史的トピックだ。下顎(アゴ)が突きだす感じの人は沢山いる。殆どの場合は`感じ`に留まり、肉体的不便に至らない。しゃくれあごの典型例が下図のイラストに示されている。彼はハプスブルグ家の一人の王である。欧州を血族で支配した家系に於いてほぼ2世期に渡り継続している。

The White Queen Hbsuburg Jaw 05

右家系図;英語版が見つからず、オランダ語表示で、綴りが異なる。大きな家系図のしゃくれあご部分の抜粋。フリードリッヒ3世からスペイン王カルロス2世までが、世に言う`ハプスブルグあご`の有名な面々。と言うか気の毒な連中。

ハプスブルク家は13世紀頃に源があるらしい。こんにち21世紀まで8世紀続く家系になる。あごの目立つ期間は2世期余りで、家系図に示される現在数は300名ほどだそうで、彼等にしゃくれあごを殆ど認めることは出来ないそうだ。つまり親族結婚禁止の時代になり、問題は自然に解消されたのである。

ハプスブルグ家の目だった初例はドイツ王で神聖ローマ皇帝だったフリードリヒ3世(1415-1493年)。後世から判断すると`めだつ`が、もしこれが彼限りならば`なるほどそう言えばそうだ`程度のアゴの作りである。ところが彼の息子マキシミリアン1世に激しく伝わった。誰が見ても明らかな顎歪み(デフォルム)が認めらるのである。

The White Queen cor 2 Henry 7 en Karel 5 Chin cor 01

マキシミリアン1世からオーストリアとスペイン二つのハプスブルク子孫へ特異なアゴ形質が伝わっている。下左図5番の美青年は3枚組上の右の人物。静かで有能な皇帝であったが、食事の際、上下の歯がかみ合わなかったのではないだろうか。1のマキシミリアン一世の顎はずんぐりと前方に膨らんでいたと言う。巧みな絵であるけれども、あご骨格の異常が観察される。それが息子`ハンサムフィリップ`とフィリップ息子カルルに正確に継がれている。

下右図;二十とされるスペイン王カルロス二世。5番の皇帝カルル五世(英;チャールズ)の息子フェリーペから2/3/4世と継承され、その次がカルロス2世になる。画家はここまで見られる肖像画に仕上げている。父フェリーペよりさらに膨らみ歪むアゴ、巨大な曲り鼻を持つカルロスは生まれながらに精神異常と身体障害を持っていた。初妻オルレアン家マリー(26)に先立たれ、二番目プファルツのマリアとも努力したがいずれも子供無しに終わる。性機能障害(インポテンツ)が定説。`悪魔にのろわれた`国王だと、彼自身が知っていた。世継ぎ無しのため、一八世紀に入るなり欧州は二つに分かれ、10年余に渡るスペイン継承戦争に突入。従兄妹/従姉弟同士の結婚家系が数十~数百万の戦死を呼ぶ時代…。

Maximilliaan family cor 02 klein

回り道して、やや年下のマキシミリアンと結婚したブルゴーニュ公カーレルの娘マリーにふれたい。上左図3番目の唯一の女性である。このマリーの義理の母がエドワード四世の妹マーガレットである。マリーは父二人目妻の子で1457年生まれ。8才で母を亡くし、11才の時マーガレットを得た。唯一の世継ぎは継母を必要とした。1477年1月カーレルがナンテの戦いで奇妙な死を遂げた。マーガレットは未亡人になり、豊かな公国を継承した若きマリーの後ろ盾である。彼女は政敵フランスに対抗するため、8月に義娘とオーストリア・ハプスブルク御曹司との結婚にこぎつけた。ブルゴーニュ公国のハプスブルク家グループ参入である。上左の有名な家族ポートレートはハプスブルクの欧州席巻を誇示しているのだ。知ってか知らずか、アゴの特徴を示すのと並行しているわけである。マリーはフィリップの産みの母として登場させられ、まん丸い目を飛びださせ剽軽に描かれている。

言うまでも無く殆どの肖像画は実物を修正した美形に描かれる。極端な場合は本人と似て非なる役者のように仕上げられている。注文主の顔が醜く過ぎ、絵にならない場合がある。すると宮廷画家は現代のスクリーン/芸能界の整形手術やハイテックなメイクアップ術に近い努力をしなければならない。そうして出来上がったハプスブルグ家肖像画からすら、本人が被った不便/難儀を想像してみることが出来る。

The White Queen Main women casts

上画像;アマンダ・ヘイルだけを見ると普通の顔である。下半分`白バラ女王`ドラマの主役女優3人の表情を伺うと、アマンダのしゃくれぶりが分る。魅力に留まる個性ならば、心地よく印象に残る。アマンダはそれを役者として使いこなしている。

しゃくれあごとは鼻から上唇が後方に引かれ、そこから弧を描いてアゴの先端に達する`かたち`。アゴが前方に突きだす感じになる。ドラマ`白い女王`中のアマンダ演じるマーガレット・ビューフォートの話す時、あるいは口を閉じたままで上歯と下歯を横ずらしさせる時、彼女だけが出来る仕草/演技に感心する。女優はそれを役柄に生かし、巧みかつ綺麗に収めている。

このテーマで街を歩いていると、かなりのしゃくれあご風情を観察できる。左様な人々はハプスブルク家の末裔かもしれない、と思うと愉快である。カルル五世と子/孫/曾孫のような現代の希少例は、手術で正常形になるそうだ。トップスポーツ人に現れる傾向と言う話を聞くが、私には良く分からない。歯茎の悪い人や入歯着用(老)人に、しばしばシャクレアゴっぽい表情を感じる。

先日、私は顎に繋がる下歯茎を手術した。そこが一週間ほど腫れあがり、ハプスベルク形と青みに染まり、かなりの難儀を味わわざるを得なかった。`名無しの権兵衛`なれども、ハプスブルク王家の痛み/辛さの体験になった。

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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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