ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Art 絵画/ 建築

奪われ、秘匿された芸術 [Treasures of Nazis]

``子ヤギを抱く村娘``コーベ―の作かどうか? シャガール風の婦人像。いずれも本物ならば、合わせて数十億円の値が付くだろう。画像は北ドイツテレビ局の今夕ニュース。全ての画像が記者会見スクリーン上のスライド。普通コンパクトディジタルで充分だから、鮮明な写真公開が待たれる。
Art Treasure 02

秘匿芸術の発見!いつだったか、週刊(?)時事誌Focusが第一報をだし[補註1]、大騒ぎになった。昨日あらためて地元Süddeutsche Zeitung(南独新聞)がやや詳しい記事をだした。それをベースに各国の24時間サテライトニュースも記者会見模様を伝えた。ミューヘン市のアパートに保管されていた1400余点の絵画が警察によって発見された。しばらく秘密にされ、当局は公開のタイミングを計っていたようだ。しかるべき準備処置が必要だったと思われる。
アパート所在のミューヘンでなくバイエルン東端の独立市アウグスブルクで行われた。
Art Treasure 04

何故か? 1400点の本来の所有者が主にユダヤ人とみなされ、世界中に散らばるその子孫/近縁関係者からの返還要請に対応する準備期間と言う。過去の同様なケースと、係争中の有名コレクションが知られ、量の多さを考えると納得できる。大都市アパートの居住者の行方が分らない。その父親は戦前戦後に知られた美術商ヒルデブランド・グリット(Hildebrand Gurlitt)。彼の100点余のコレクションが知られるが、残り1300点の由来が謎である。

Art Treasure 01

記者会見の雛壇に並んだ美術史家マイケ・ホフマン女史いわく;ドイツ即物派の雄ディクスやヴェラルーシ人でフランスに帰化したシャガールの知られざる作品を含めた多くのトップレヴェル(市場価値が高い…と言うこと)、総計で数億ユーロー価値の可能性があるそうだ。これが検証されるならば、ドイツ連邦だけでなく絵画競売史上のレコードになる。

Art Treasure 03


大騒ぎになるのは金額の桁違いに加え、二次大戦中にナチスが収集したこれらの作品が何故ひとりの美術商に集まったのか?ドイツ敗戦と同時に作品はバイエルン州ヴィスバーデンにある米軍施設に押収され管理され、5年後に元の所有者に返還されたと言う。なんとも漠然とした話で、ユダヤ人ドイツ中央協会が徹底調査の要求声明を昨日出している。

絶頂期に限りなくデブッチョになったヘルマン・ゲーリング(Hermann Wilhelm Göring)は美術品に眼が無く、今回の作品中の数十点を所有していたらしい。総統ヒトラーは華美な元帥を笑って許していたそうだが、占領支配する土地の価値ある芸術作品の収集方針を知っていたと思われる。軍事財政と絡み、専門部あるいは担当官をもうけ、組織事業であったようだ。

来たる月々に徐々に細部が分ってくるだろう。なお美術品競売に於ける戦争との関係で最もノウハウを持つのはUK(≒+大英帝国時代の情報局MIA)である。何でもかんでもオークションにかけ、総国民競売国家のブリテン面目躍如の分野である。


【補註】;
1.Focusのすっぱ抜き記事を私はどこかに残しているが、一寸見つけられない。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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