ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Sport スポーツ/ホビー

Ticket for Sochi [Speed Skate]  ソチ五輪選考競技[スピードスケート編] 

五輪出場選手の選考競技が各国でたけなわである。スピードスケート(以下SS表記)のオランダ選考大会が27-30日の4日間行われた。その間ライバル諸国の結果が伝わってくる。日本では長野Mウェイブであり、出場メンバーが決まったようだ。その模様を日本のテレビは中継するだろうか。

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男子1万mの結果。1位から10位までの記録が並ぶ。スケートリンクは北部フリースランド州のヘーレンフェーン市にある”チャールフ”。オランダSSのメッカで、海抜ゼロに等しい故に好記録を出し辛いリンクである。Mウィブの海抜は342m。カルガリーとソルトレークの両リンクはそれぞれ1034と1423mで世界記録を作る場所である。最低海抜リンクの記録が並んでいるのだ。だがこの10位記録の13分18秒94を超える選手が他SS諸国にどれだけいるだろうか。この記録表に互角に並ぶ他国選手は数えるほどしかいないのである。ソチ五輪に向かうオランダ勢のトップ・コンディション作り、すなわち迫力を伺うことができる。1-3位の三名がソチで滑る。メダル独占が可能である。一位スヴェン・クラマーの記録を海抜の補正計算すると、ソルトレークで彼が作った世界記録をはるかに上回る。

五輪の晴れ舞台への出場スケーターを決める競技会を一部始終テレビ中継する国は、じつはオランダだけである。SS競技が国技であるかのようなオランダ特有の現象である[補註1]。1998年2月の長野冬季五輪に於ける日蘭メダル会得数はそれぞれ10と11個である。SSの個数はそれぞれ3と11個。オランダSSへの気狂いぶりを理解されるだろう。

日本10個は開催国たる発奮ぶりで、SS3個は清水宏保の500m金と1000m銅、岡崎朋美500m銅だった。この3個で日本中が歓喜したのは言うまでもない。オランダで皆さんが覚えているかもしれないのは、長距離男子5千と1万をダントツで制したジャニー・ロンメと女子1000と1500を突然のようにかっさらったマリアンネ・ティンマーだろうか[補註2]。日本スポーツ記者がSSの見方と分析方を即席で勉強し、報道した五輪だった。

SS日本勢の金メダル候補は、インタネット情報によると、男子500mの長島圭一郎と加藤条治の両選手らしい。ヴァンクーバーでそれぞれ銀と銅を得ている。SSで国際的に知られるスプリンターである。32と28才のヴェテラン。ヴェテランだから、大試合への調整とイザ出陣の気合作りが上手である。と言うか、あの清水宏保の大試合への集中力を学んでほしい。彼がスプリントのカイゼ(皇帝)と形容されたのは、これ故である。二人が日本スポーツ報道陣の期待にかなう可能性はあろう。ただ前期/今期の成績にムラがありすぎるのが気にかかる…。

最低海抜リンクで一卵性双生児ムルダー(Michel/Ronald Mulder)の先日の記録は、今なお500m世界記録であるウーサースプーン(Jeremy Wotherspoon)によるソルトレークリンクの34.03にほぼ匹敵する[補註3]。彼ら'南蛮'阿蘭陀人はかつて決して日/露/米のスプリンターに及ばないだろうと言われていた。だが21世紀になり様変わりしたようだ。ヴェテラン日本の二人が一卵性双生児に挑戦するような印象を私は受ける。

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一位のマーフォ・ブール[補註4]は飛び抜けている。75.332を半分にすると、37.666秒になる。最低海抜リンクだから、ソルトレイク換算すると37秒を切る36秒後半になるだろうか。小平のソルトレイク日本記録を大幅に上回る。このトップコンディションをソチまで維持するなら、優勝候補リー・サン・フワのライバルになりうる。

女子500mの総合得点結果。 スプリント500mをSSの華と見なす通は多い。陸上と水泳の100mに匹敵する種目だからである。SSにおいて内と外のスタートがあるため、500mに限り、1回目Insideスタートの選手は2回めOutsideで滑ると言う二回制になっている。公平を記しているのである。二回を総合した最小値が優勝者になる。したがって、必ずしも一回の一位記録者が優勝するとは限らない。二回とも二位で、総合で1位がありうるから…。

現時点の女子スプリンターで、ダントツの選手がいる。Lee Sang-hwaと綴る韓国選手。2013年1月から世界記録を四度更新、この11月ソルトレークで36.36を記録する。もはや国内レヴェルの男子並みである。恐るべき記録だ。もちろんクラップ・スケート靴のたゆまぬハイテック開発競走に負っている。彼女の金メダルは動かしがたいと思われる。日本女子エース、小平奈緒のメダルチャンスは'万が一’だろう。彼女はワールドカップで三位以内に数度入っている。どこまで独/中/米の大型選手に迫るだろうか。

team Liga 01
下記[補註2]のリガチーム。女子5000m蘭の出場枠は3名。3位になり二人のコーチから祝福を受けるイヴォンネ・ナウタ。彼女は3000mで100分の3秒差で4位になり、出場資格をのがした。だが、インとアウトの交差区間に於いて、同走者によって二度、明らかな妨害を受けた。試算によると1,5秒の損失。もし妨害がなければ悠々3位になっていた、と言うのが大方の専門家の意見。リガTEAMは選考委員会に抗議したが、同走スケーターの失格扱いだけで抗議は受け付けられなかった。リガは上位の(法的)審査機関に上告。もし抗議が認められれば、3位者とナウタが再び滑り、最終結果を得るSkate Offになる。五輪出場権は裁判で争うほどの価値がある…。以上の背景を知ると、'有名な二人'コーチの祝福を理解されるだろう。

スプリント男女のソチ前哨戦が1月18/19日にある。世界スプリント選手権が長野Mウェイブで行われる。ソチを目的にする調整いかんによって、不参加選手が出るはず。世界選手権より、五輪が優先するからだ。地元日本勢は参加するだろう。もしムルダー双子やブールも長野に行くなら、中島・加藤それに小平らとの、ソチ五輪に向かう力量を伺うことができよう。


【補註】;
1. 日本のフィギャースケート、伊藤みどり以降のスーパー人気に匹敵する。しかし阿蘭陀SSの国民スポーツは近代SS歴史と平行している。

2. Gianni Romme / Marianne Timmer 長野五輪当時それぞれ25と24才。トップスケーターとして最盛期年齢と思われる。二人は阿蘭陀にのみ存在する独立SSチームの一つ、Ligaのコーチである。マフォー・ブールが属する10名ほどの女子スケーターのみのチーム。独立チームが成立するのはSSの人気によるビジネスが阿蘭陀で可能だからである。10前後のTEAMがあり、それぞれコーチ/ドクター/スタッフを抱えている。所属スケーターはスポンサーと契約して、前年実績とそれぞれ人気に応じた収入を得る。フットボールやテニスのトップほどでないと思われるが、トップスケーターは相当な年間所得だそうだ。

3. 世界記録保持者ウーサースプーンは不運の五輪出場者。確か三度出て、すべて転んだりつまずいたり、散々な始末。引退後、ドイツ自然リンク・インツェル国際スケート教室のコーチをしていた。だが再びソチ出場に意欲をもやし、先日のカナダ選考会で滑る。六位で夢ならず。過去の栄光と自負によって、五輪カムバックを試みるスポーツ人は多い。五輪の栄光が人を誘う。だが、成功例をまず聞かない。

4. 蘭語彙 Boerの独語彙は Bauer。意味は百姓/農民。職業の代表ゆえに、いずれの綴りもよく知られる苗字。高名なアイスホッケー靴メーカーはこのバウエルである。多分、創業者はドイツからカナダへの移民…。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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