ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Politics and economics 政治/経済

"フクシマ”がドイツを変えた 選挙津波 アルペンフローラ 

メッケンブルク・フォルポンメン州を歩かれた方は風景に魅せられたと思います。Mecklenburg-Vorpommernと言う綴りはややこしいので日本人には馴染みがたいですが、場所はすぐ分かります。バルト海に北側を開き、海向かいにコペンハーゲン、西にハンブルグ、東にポーランドをおきます。ロストック(Rostock)と言う中世港湾都市からスエーデンのマルモやフィンランドのヘルシンキへのフェリーが出て、利用された方も多いと思います。

ドイツ連邦共和国の北から2番目の州。一番目は西隣のユカタン半島に伸びるシュレスヴィフ・ホルシュタイン州。広々したこのあたりの風景、別にたいしたこと無いと言えばないですが、ノンビリ動いていると、アアあれがホルシュタン牛かと思う群れが草を食む牧場が一杯あります。見たことも無い草花をなんだと聞くと、聞いたことが無い語彙が返ってきて面白いです。

大昔ノルウェイから海を渡り、ユカタン半島に上陸、南下してこのあたりに定住したヴァイキング族があり、ここから東西に二手に別れて行ったとも言われます。東のゴート、西のゴートとか習った部族かな…と想像します。縄文時代の左右の大岩に天井として水平に岩を乗せた構造物が残っていますが、ここにも同じものがあります。それは彼等よりもっと昔でしょうか…。北方ヴァイキングの南下侵出は相当な時間巾があるそうです。スコットランド原住民はヴァイキング…と思ったりします。

時代を下れば、東プロイセンがデンマークとこのあたりの取り合い合戦ですね。そんなわけで言葉も色々、方言ばっかしで、耳を突き出しても頓珍漢でサッパリ分からない場合が多い。間もなく、ここで選挙です。ハンブルグにも近いせいか、社会民主党SPDが強いと思います。連邦政府与党CDU/CSU(キリスト教民主/キリスト教社会)とFDP(自由民主)は間違いなく大なだれで負けるでしょう。

ドイツ各州選挙で今年、与党コンビは惨敗続きです。東北大震災抜きでこれを語れません。三陸海岸沖の地殻変動がもし起こらなければ、独語ブンデス・カンセスレリンこと連邦宰相メルケル女史も自民党首で副宰相ウエステルウィッレも大過なくリラックス・チェアーに座って、選挙に臨めたのです。事実はこれまでになかった地殻地すべりが起きた。

       Landschauft Klitiek Melker Westwele
       これ昨日のスナップか、または写真部取りだめの一枚をFAZ紙が掲載。

3月11日地震津波発生、わずかの日にちを置きアンゲラ女史はドイツ17基原発の先年九月議会決議を反故にした。それはFDPマニフェストである原発十年延長だった。カンセスレリンが議会決議を議会討論と投票無しで棚上げにしたのだ。まずドイツ戦後史に無い出来事だった。本日27日、何にでも順位を付けて商いする雑誌フォービスが世界で最も力ある女性50傑を公表した。トップにAメルケルが上っている。既に3度目のトップ。たいてい馬鹿げた人気投票順位であるが、これには同意しなければなるまい。

バーデン・ヴュルテンブルグ州はメッケンブルク・フォルポンメン州の遥か南の反対側にあり、東にバイエルン西にフランス南にスイスと接する。エリザべス・ステューアートがフリードリッヒ5に嫁いだプファルツ選帝侯領ですね(ボヘミア編をご覧ください)。彼等が住んだ宮殿の町ハイデルベルグも、ドイツ代表車BMWの生産拠点かつ州都シュトゥットガルトもある。そこに新規原発が計画されていた。

バーデン・ヴュルテンブルグ州は戦後キリスト教保守の牙城である。宗派はフリードリッヒ5の親父(と言っても生涯わずか36年)時代からカルヴァイン派新教の土地である。選挙があった。東北災害の生々しい報道が続いているさなかである。3月末の日曜日だ。その前日ベルリン/ハンブルグ/ミューヘンなどで原発反対デモがあり、それぞれ10/5/5万の人々の具体的意志が示された。翌日の結果が以下なんです。

       Landschsft  Baden-Wurttemburg
       中ほどに、敗北の原因ヤパンにあるべし、なんて小見出しがあります

CDUは負けたが、酷いのはFDP。半滅ですね。議会生存権5%を辛うじてクリアー。SDPは惜敗したが、兆進したグリーンと連立できる。CDUは州政権を左派連合に渡さなければならなかった。5月初め総理大臣に(ドイツ連邦16州はそれぞれの法律を持つUSに準じる。従って16の政権と16人の総理大臣)就任した環境党々首Wクレッシュマンが言う「人的ミスによる原発事故可能性は既に充分に検討され分かっていた。それをフクシマ90%人的災害が証明したわけ」

"グリューネン"党が州首班を占めるのは初めてのこと。津波によるフクシマ原発事故がこの州の政治津波を起こしたと言えますね。理論主張でいくら説明しても、実際の出来事で証明されなければ、科学/学問や政治/文化において、具体的影響を及ぼさないと言う例になるのでしょうかね。たいてい根拠に乏しく事実証明されない自説/仮説/主張が2チャンネルや右翼ブログ御仁によって叫ばれますが…説得力に欠ける所以(ユエン)でしょう。

九月以降、ドイツにまだ一つ州選挙がある。どちらの場合もバーデン・ヴィルテンブルグと変わらぬ政治的地すべりが予想される。もはや経済優先の原発推進マニフェストを掲げる政党はドイツでは生存権5%を得られるかどうか分からないと言うこと。17基のうち10基は十年以内に、やや建設年度の新しい7基はその後に、計画寿命通りに役目を終え閉鎖される。

EUの牽引力ドイツのエネルギー政策の大転換。「アルタナティブをどないスンネン!」と言う心配の声が小さくブツブツあぶくをあげている。だが誰も大声で言わない。言えない。言えば選挙大負けになる。太陽と風と、既存の水と石炭の改善/見直しで、10年後いま以上の電力をひねりださねばならない…。日本と同じ難題である。

同じ言語を用いるスイス連邦共和国も等しい状況にある。山岳国家で東京都に及ばない人口のスイスに、五つの原発が稼動しているから驚く。最も話される公用語のひとつドイツ語でSee(ゼー)と言う湖が沢山あり、水量に恵まれ、高低差による水力発電の充分な"資産”を持つにも拘わらず、安易なエネルギー政策が行われてきた、と批判派がコメントする。

スイスがまず想定使用期間に達すると原発を閉鎖し、全廃を決定した。先月だったか、同じ言葉のドイツが続けて同じ議会決定を採択した。女の怖いと言う本能的感覚がフクシマ事故ニュース数日後に、メルケルをして、異例の決議棚上げを行わせた、と私は思う。男ならば、そのような感覚に陥りづらい、と言うか恐ろしいと思っても、直ぐに棚上げする"即断”行為にためらうのではないだろうか…

      Alpen Floewer  01
       6月から8月まで、アルペンは沢山の草花を見せてくれる。

スイスの面積は、山岳だらけであるから、谷折・山折した折り紙がこじんまりしているが実はキチンと折り紙一枚分あるように、相応な広がりを持つ筈である。谷すじ尾根筋に育つアルペンの草花/灌木/高木を合わせた種(シュ)の総数はほぼ2500。エーデルヴァイス又はエーデルワイスはそのうちの1種ですね。この種(シュ)は1959年からスポットライトを浴びるようになった。

スイスの6倍近い国土のブリテンは、大西洋性の1700種。もっと広大なフランスは大西洋性と大陸性に加え地中海性植相を持ち4000種と豊富である。軽々しい単純比較であるが、スイスの高山環境は狭いわりに多様なフローラと種数を抱擁していることが分かります。

もしも人為的ミスで”フクシマ”が起こるならば、人命とその健康と共にこれらの草花たちは壊滅的な打撃を受けるかも知れない。食材としての野菜への放射性物質侵入、そして残留はこ”東北”機会に詳しく調査されるだろう。残念ながら、広島・長崎に於ける生物への影響調査は無いのだけれど。ウクライナ・チェルノブイリ周辺広範囲な土地は四半世紀後なお不毛の汚染土壌だそうだ。欧州諸国は密集してひしめき合っている。ドイツとスイス両連邦国家の人々大多数が原発を廃止に票を投じるのは理解されよう。

サイエンス・フィクション・ホローフィルムには小さな生物か何かが突然変異したモンスターが登場する。そのような想像をアルペンの滅多に見られない草花たちにするのは難しい。スペイシーズの数をあげれば、貧しいロシアより遥かに大国であるフランスは70とか?の最大原発サイト数を誇るから、もしも"フクシマモドキ”が起これば、大変なシュベラシになり、ずっこけるのではないか。

望むべきはスイス・フランス、それにドイツも多くの草花をそのままで、毎年出してほしい。パリ言葉に流暢な半ばフランス人ロミー・シュナイダーや、動物堵殺反対運動の旗手ブリジッド・バルドーは(高齢)女性であるから、怖さを本能的に知り徹底的な菜食主義者で、従って"ノン・アトーム"エネルギー派である。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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