ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Nature 雑草 フローラ/ファウナ

ハナトラノオと小春日和 インディアン・サマー ナ・ソーマー 


前項ハナノトラノオに見える開花の様子。上から軸を見ると四群の花列が十字になっている。四角錐の四つの稜に乗って、四列はやがて天辺に集まる。天辺は成長点だから、花芽がちらほら付きだした初期成長段階では無限に成長してゆくように見えます。茎の上部に付く花列は、しかし15cm長ですから、実際は無限と言うほど長くありません。

軸を中心に花が咲きあがる。虎の尾っぽと言うのは、成長限界に達し、四稜の花列が出会う時の姿を例えたと思われる。恐らく虎のパターンに似た黄茶と黒の花からのイメージではないでしょうか。本種はピンク色花弁であるから、いかにも”花”らしい。それゆえハナトラノオとされたのでしょう。漢字は"花虎の尾”。シソ科と聞くと、なるほどそんなかすかな香りがする。

溝に群生する。庭から逃げ出したのでブリテンではガーデン・エスケイプと分かりやすいですね。脱出したのだから漢字の場合、逸脱か逸出(イッシュツ)かいずれかだが、後者が普通使われているようだ。農家が近くにあり、この溝か路端に何かを捨てたのかも知れない。混じっていた種が好条件で発芽して開花、翌年にもっと増え、数年通り過ぎるたびに見ると、大体こんなヴォリュームで落ち着いているように思う。

この群から端っこの小さな3株を頂戴して、自宅のトユ壁際に植えたのは5年位前。日陰だし、土壌も工事場の土をならした不良地だし、それに世話なしだし、どうだろうか?目的は逸出植物の強さを知りたいとそんなことです。翌年は枯れたままで、もちろん開花なし。駄目だったかと思っていましたが2年目に数本出ました。根を張り、養分を蓄えるに一年要したと言うことでしょうか。

地下茎網さえ作ると、日陰でも毎年増殖すると言うこと。自宅例にすぎませんが納得。隣の日本産の一輪草と勢力を二分しています。日米均衡デス(均衡したのは二大海洋国家として対峙した太平洋戦争初期だけ一回キリ…)。このハナトラノオは”庭”に里帰りしたことになります。逃げ出した所で自力で育つから、何もしない貧しい庭でも”自生”できると言う行ったり来たりするヨーヨー・グループに入るのでしょうね。

帰化植物の上位ランクに入るのは多くの地方の似たような植生環境で数年の生存が確認されないといけないのでしょう。帰化植物になるのはチョット難しそうな感じがします。天候異変の陽気に左右されるかも知れません。さあ...

Physostegia virginiana 002 しそ科フィソステギア属Obedient plant

インディアンサマー、この言葉を知ったのはオランダ語彙Nazomerからだった。ナ・ソーマーは文字通り読むと"夏の後”だから九月頃から十月半ばあたりまで気持ちのよい天候を指す。初め、私は"夏の名残”と言う感じで受け止めていた。英語彙Indian Summerがこれに当たると分かり、なんだ日本の"小春日和”なんだ。

ポッカリあったかい秋日和に"小春(コハル)”をつけるのでオカシイと、伯母に文句をつけたのを覚えている。それから数年して高校生になって、小春を付ける落語家が何人かいたので、何故"小秋”と言わないかと思った。春が秋より、チョット優遇されている感じですから…。

Physostegia virginiana 001-6 栄養繁殖 via Roots
やっぱり地下茎で増えることがわかった。すると溝の一群全て同じ遺伝子持ちと言うことですね。

八月が閉じ、九月になりました。夏らしい夏日よりはなかった。雨が降り、8月の新記録を作った。1時間でも降れば雨降り日として勘定する月間日数と、降雨量の合計と、そう言う新記録である。生物も例年と勝手が違い、困ったと言う。濡れすぎて卵を落とせない蛙がいたそうである。

昨日今日は日差しがあって暖かい。ラジオでこの陽気をエルニーニョと言っている。数年前からよく聞く言葉で、海流が原因で気温が上昇し、それが世界中に影響するらしい。気温下降もあるらしいが、良く分かりません。ともかく今夏の珍しい日和なので、ラジオは何か説明を付けたいのだろうと思う。

夏はなかったのだけれど、私には夏の後と言う気分がします。だからナ・ソーマーーだと思い、前庭で隣の上さんと立ち話して、気持ち良いナ・ソーマーや!と言った。すると彼女はネーーーと否定を長引かせ「まだ夏なのよ」と訂正するのです。彼女のファイルにはナ・ソーマーは秋頃"小春日和”とキチンと整理できているわけで、教えられました。

Physostegia virginiana 001-5 from South
一番上の細長写真に十字に付く花列が手前(南側)から左右(東西)に動き、向こう(北側)2列と45度で接している。普段太陽は通り側の左(東)から差すので、好日性と言えないように思う... 今のところ、何故こうなるのか分からないのです。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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