ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

Politics and economics 政治/経済

Extreme Right in Europa 欧州の極右と社会民主/労働党 デンマーク

新しい丁抹の(デンマーク)宰相になる女性を 'Gucci Helle'と言うのだそうです。グッチー・ヒールと聞こえるのでデンマーク発音も特異ですね。グッチーはイタリア皮革製品老舗を買収した某によって他ファッションアイテムを加えたトータルブランド名。ファッションに敏感なヒール、お洒落な欧州議会女性と言うプラスマイナス込めたアザナでしょう。[なお元々のグッチーはイタリア会社だが、ブランド名の強さを買われ数度オーナーを変えている。本物グッチーと変わらぬ品質コピーが出回り、状況は皮肉且つ複雑になっている。支那や韓国が絡んでいるらしい]

4年前選挙、既に党首。しかし大敗、今回は背水の陣。さもなくば彼女自身は責任ゆえ退陣だった。`赤`所帯は隣国ノルウェイから思わぬ支援を得たんです。過去10年、中道右派政権を支える要のデンマーク国民党コンセプトと同じ考えの青年が北欧社会に恐怖の波紋を広げたからです。波紋がオスロの湖から伝播しなかったならば、グッチー・ヒールは政界引退か、ただの議員に戻っていたでしょうな。

連合を組む他三つが自由+国民の右票を分捕り、四つ集合"赤”が179議席中92を占める僅差で勝つ。予測通りになったわけです。彼女の労働党は前回を一つ下回り、過去100年で2番目の敗北。選挙と民主多数制と言うのは時に不可解な"喉のつかえ”を生じます。多数を得たグループの第一党がグッチー・ヒールの党ですから、自動的に彼女が首相になる。町で通りすがりに会うと、ただの芋オバサン風情ですけどね。

Danmar Copenhagenコペンハーゲン選挙

欧州議会メンバー当時の溌剌とした魅力はゼンゼンありません。欧州人にとり五年と言うのは前と後の落差が大きい…。牛豚の四つ脚動物の肉と酪農製品輸出が本職の国で、彼女もそれで育った。米/魚/大豆で育った女性と比べると、肌の潤いが足早に消えてゆくんですね。そんなことは政治と関係ないですが、それでも女性初首相と言うのは話題になります。十年ぶりに振り子が右から左に揺れて、新しい風が吹くと言う感じがします。

テロや移民/難民政策は、しかし中道右派政権のこれまで通り厳しいでしょう。それは16年前ピア・キィァレスコ-ル(Pia Kjærsgaard)63才のイニシアティブで起こった。丁抹国民党を立ち上げた女性。1990~2000時代を思い出すと欧州の極右は花盛りだった。今でも、と言うか常に「人気取り/民族主義/極右」と形容される政党が存在します。北欧の丁抹でポピュリスト政党が13%支持を得た時、さすがにニュースになりましたよ。

その頃、オーストリア自由党のヨルク・ハイダーとフランス前衛党のシャーン・マリー・レ・パンは日本で知られていたのでは。自国の国民優先/移民を歓迎せず/国際援助カット即ち他人を助けない等共通テーマを持っています。ベルギー連邦フラーデレン(蘭語域)のフラームセ・ブロック(二つ右翼が結集=ブロックを組む)党の顔になったフィリップ・ドウィンテル49才も1990年前後から現在まで、欧州の民族右翼として著名。

ハイダーは3年前酒飲み運転のため享年58才で逝き、レ・パン83才は昨年娘マリーに世襲のように党首交替。旧世代の極右の顔に変り、世間を騒がせるのは蘭"自由”党のフェールト・ウィルデルス47才(GW)。ウクライナだったか東欧移民の上さんをもらった人で、元は現政権"国民自由党”で見習い、六年前"自由党”を一人っきりで立ち上げた。昔の党同僚から「甘えん坊の馬鹿め」と言われながら、社会民主労働党の典型的"左党”甘さに承知できない保守票を集め第3党に飛躍。もしも今選挙すれば第2党になり、常なる既成政権党だったキリスト教民主の凋落に代わる連立政権の半分を担う勢い。

7月下旬、オスロで77名殺戮テロが発生。アンデルス・ベーリンク・ブレイヴィック32才の数年に渡る周到な準備の結果だった。ブレーヴィックは湖と言う意味らしく、ノルウェイどこにも転がる苗字だと言う。同姓の知人が戸惑っていると娘から聞いた。市内中心街の政府建物を爆破、その脚で郊外の湖ウトヤに向かう。ノルウェイ社会民主労働党の青年部集会に機関銃をぶっ放した。

Norwegen 01-1
77名の慰霊行事

むごい惨殺だが、社会に毒を流す"社会民主”思想に罰を与えなければならないから止むを得ない。尋問に対するアンデルスの真面目な回答だ。彼の思想的背景にGウィルデルス言辞が重い比重を占めている。綿密な準備計画ノートと、インターネットブログ記述からオランダのゴールデン・ボーイを賞賛しているのが分かる。そのアザナは酷く目立つ金髪のせいと一躍スポットライトを浴びたせいである。ゴールド故によけいにストレートな反イスラム姿勢が目立つ…と言うヤクザな見方もある。ノルウェイのテロリストもやや濃い金髪であるから、共通項には違いない。

無関係な脱線話。多くのブロンド不精男が極右であるわけでないので、断っておきたい。独蘭に於いて、男の金髪はモデルでない限り地髪である。女の金髪50%は偽ものでは。ヘアー染剤が安く、扱いが簡単だから。イタリア等フランスでさえ欧州南部女性のブロンドはまず偽物でしょう。サンサンと降り注ぐ太陽の土地だとゲノムに防御色素が組み込まれます。それと夏にブロンド(亜麻色)で冬にブルネットっぽくなる中年世代もいますね。季節の光量に髪の色素が順応するんですね。人間にもカメレオン的資質があると言う戯れでございます。

先々年スイス連邦において、Turmspitze(=尖塔)が並ぶ宗教的建築に対する国民投票が行われました。スピッツとはブンデスリガ(独サッカーリーグ)等のシュート役のことです。先頭に突出して攻撃する位置のプレーヤー。空に突出する搭の先端と言う語彙からの借用です。日本スポーツ記事に司令塔が出てきます。少し違いますが、語彙と語義の成立過程`塔`がその分母ですね。

鼻の尖った犬をスピッツと言うのも多分そうでしょうか?スパイアーと言う英語彙があり、Spireは語源に近いspitzeからの匂いがする。カールスルーエ北にスパイエル(Speyer≒スパイアー=Spire)と言う小粋な町があり、標準的な二つ搭が並ぶ司教建築があります。ここから原意が出たのか、尖っているから町名にしたのか、偶然ソックリさん? 分かりません。

Arabisch-muslimischen Minarettenと綴り、本来のキリスト教国家にも拘わらず、アラブ・イスラム教に属する"ミナレッテン”が林立する風景にお目にかかります。スイスで昔、これらの搭をスイスの独語で表現していたそうです。ところが、いつの間にかミナレット/ミナレッテンと呼ぶようになった。イスラム教とその単語がいつの間にか、見慣れってと言うことでした。

チューリッヒ近くに住む我が息子の叔母が半ば怪しからんと言う表情でこう言います。「湖の手前に搭が突っ立って、ミナレット(単数)だって、イスラムなのよ。風景破壊もいいとこ。困るわね」彼女一家はカルヴァイン新教です。けれどもミナレッテンについては旧教も皆が大反対しているそうです。

レフェレンダム元祖みたいな連邦国家ですから、喧々諤々あって、わずかで尖塔イスラム建築反対が多かった。バーゼルやジュネーブの西南域では建築OKが上回ります。東北のチューリッヒ方面域では70~80%反対もあった。多数民主制にのっとり``アラブ宗教尖塔許さぬ``結論が出たわけです。

この問題は欧州の極右政党の大きな反応を呼びます。ポピュリズム(≒芸能的な人気取り主義)とは現在ではイスラム教と不可分の関係にあります。言うまでもなく、全ての超保守主義または反イスラム政党が"良識ある国民判断”として歓迎します。

>北欧スエーデンなどは「民主主義の許容性/寛大性を逸脱する。イスラムへの偏見」と言う世論が強かったようです。先日ギリシャ支援に異議を唱えた独CDU古参ウォルフガング・ボスバッハもスイス投票結果に否定的感想を漏らしています。メルケル宰相自身も開かれた許容度の高い民主主義と言いましてCDUの気前良い路線を匂わせる感じだった。

2001 0911 001-22 smoked

ナインイレブンが、その関連テロが、ドイツで起こっていないせいだと私は思う。このあたりはベルギーやフランスと一味違う。ドイツ保守はカッコイイ所を見せたいのでは、と思ってしまうのです。アドルフ・ヒトラー狂気に戦後ずっと耐えてきた心性の裏返し、ドイツ人はこんなに開かれているんですよ…、私はそう感じてしまう。

スイスのレフェンレンダムが実行された時、結果はもちろんモスリム諸国の怒りを買います。リビアの"酋長”がスイス製品ボイコットを提唱。彼の家族親戚一味はスイスの銀行に何十億フランを置いているにも拘わらず。奴さんが如何に好い加減に世界をもてあそび、一方それをアラブ均衡維持と石油との為に長年支援してきたのは主に西側"列強”に他ならない。着せ替え旦那にしてみれば、トリポリ陥落させたサルコジー+キャメロンのコンビが恨めしく思え、同時に`ロクデナシの恥知らずめ`と心底思っているでしょう。

グッチー・ヒールを頭にする"赤”グループのわずかの勝ち分は恐らく北隣ノルウェイ7月末テロによる上乗せではないか。端整な顔立ちのブレイヴィックは冷徹に社会民主主義に銃火を放ち、移民とイスラムに寛容な"甘茶”を断罪したんです。特定のイズムと宗教の抹消と言うこと。ノルウェイとスエーデンとフィンランド、そして丁抹の人々はドイツ第3帝国統領の狂気を思い出して震撼となった。ピア・キィァレスコ-ル国民党はもはや中道右派政権を支える力をなくした。その実りを踏襲しつつ、商いに精出そうとする中道左派政権が間もなく組閣される。ドイツ連邦はあるいは繰上げ総選挙になるかもしれない。するとメルケル保守政権が丁抹並みに中道左派に席を譲らねばならないかも…。女性宰相の浮き沈みになるかどうか。550万"大国”の44才のおなご宰相や、お手並み拝見候。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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