ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Here&there lands 雑なるアレコレ大地

[前編]ベルギーは素っ頓狂 不可思議な国 レイテルメ珍事


連邦立憲君主国ベルギーの道を走ったり電車やバスに乗ったりすると、しょっちゅう迷い、どうなってるの?と不思議な気持ちになります。高速に行き先や出口表示が少なくて、気づいた時は後の祭り。列車は戦前のような古臭い印象を与える"ヴィンテージ”だし、道は凸凹だし、町並みは楽しいほど汚い。一党のリーダー政治家が暗殺されたり(20年前か、古いネタで恐縮)、少女誘拐・秘密地下部屋幽閉と言う犯罪史に残るマルク・デュトローのようなのが出る。

昨年6月総選挙の後、組閣アドヴァイザーを次から次に変えて、国を運営する内閣が不在と言う珍妙なる世界新記録を更新しつつある。誰が国家運営の日業業務をしているか?いうまでも無く前内閣のメンバーである。新政権成立まで数ヶ月ほどならしばしばありうる。稀に半年例も欧州にある。だから1年と半は"ベルギーの誇り”だ。一年目の時、大都市で若者達の"祝宴”行事が開かれた。ブラックユーモアと言えば言えるか。

長期間のデュトロー裁判期間に、法廷への移送中、彼が車から逃げ出して姿を消す珍事が起った。付き添い警察官は何処にいたのだろう?ふっと笑いたくなるエピソードではないか。事件発覚まえ、情報を得てデュトロー自宅現場の探索をした担当者たちが、相当精度ある聞き込みや証拠を集めながら、数年何もしなかったのである。ふつう、あんまり聞かない話ですね。さようなチョンボが発生するのが"ベルジュアン”たる所以である。

一方で、彼による犠牲者の慰霊と二度とそのような社会悪夢を繰り返さない目的で、ブリュッセル大通りを埋めるウィッテ・マルス=白い行進と言う静かなプロテストが組織される。数十万の人々による祈りのマーチであった。子供も家族も老人も、全ての世代が参加した世界で前例の無い行事で、国際的な反響は大きかった。それもベルギーだから起る。

愉快なこんなのもある。新政権組閣まで国家日常業務を代行する前閣僚達を、例えば”辞職しつつある首相”と素直に呼ぶこと。ホントの首相ではないが、本物が決まれば辞職すると言う意味を述べているんです。オランダでも同じ語の筈。ところが現実に聞かないんです。恐らく3ヶ月より長い期間は無いので、わざわざ言わずに、現職の時と同じ「○○大臣」で済ませていると言うこと。ベルギーでは組閣期間と無関係に、キチンと表現する/言い切るわけです。今回、世界記録の更新中ですから、この言葉がグッと迫ってくるところがミソでございます。

ベルギーから銀行株が下がる? この題目はベルギーの面白さと関係が無いでしょう。昨日ヨーロッパの銀行で初めて、ギリシャ債務問題の直接の影響が出た。初めてなので全てのサテライト局が24時間流し続ける。ベルギーとフランス両国において業務を展開するDexiaと言う銀行が焦点。ギリシャに巨額債務を持ち、回収困難の読みから4分の1株価を下げた。直ぐに300万ユーロ預金が引き出され、本日インタネット経由でさらに100万。

Demo Athen
アテネのデモ。どの場所か分かりません。給与20%カットでギリシャ人はEU条件をのめない。10人に一人は無収入で電気ガス水道代を支払えない。EU援助は俺達に死ねと言っている…。

3年前リーマンショックの時を思い出すとこんな塩梅でした。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドが政府援助を受け、債務整理をしなければならなかった。RBS頭取は辞任、莫大な退職金がスキャンダリに発展。政府介入による救済ですから、マネージメント大失敗の頭取は国家公務員と同じ立場。その余分な報酬金を税金で支払う格好だから納税者が怒った。さもあらむ。

RBSはショック直前に買収していた蘭ABM/AMRO(+白Fortis)を返却する形で売却した。ABM/AMROとファルティス蘭部分は蘭政府によって、フォルティスのベルギーとルクセンブルグ分はベルギー政府によってそれぞれ引き取られた。次にベルギー政府はこれをフランス銀行パリバスに又売りすべく交渉に入る。しかし銀行から売却差し止め訴訟が出る。イヴェス・レイテルメ首相は裁判官に「時間に迫られている」と電話をした。それが政治の司法への干渉とみなされ、彼は迂闊さを恥じつつ責任を取り辞職した。お人よしのベルギー気質デスゾ。

Grees Ireland Porgal
フランスの銀行(多分大手3行)がギリシャ・アイルランド・ポルトガルに貸している額。Bはビリオン。次は同じイタリアとスペインへの貸付総額。もしギリシャ債務返済が不可能になった場合、直ちにこれらの国に同様な問題が波及すると言うグラフ…
Italy Spein

レイテルメ(51)の辞職後、現EU大統領ヘルマン・ポンプイが首相職を継ぎ、ヘルマンは僚友イヴェスに外相を要請する。ところがEU大統領選に小国のダークホース・ポンプイが当選して、再びレイテルメは首相に返り咲く。偶然の成り行きとは言え、あまり起らない話。

Brussels-Halle-Vilvoorde はオランダ語圏のど真ん中にある二ヵ国語義務使用圏ブラッセル(+ハレ-ヴィルフォールデ)。ワロン(=フランス方言)とフラームス(オランダ方言)の二ヵ国語に関する核心問題の場所である。2010年4月にこの主題を契機にしてどん詰まった。潔いレイテルメは辞任願いを国王アルベルト二世に提出。こうして彼は二度の宰相職を辞任する。一寸した珍事記録である。

そして昨年6月の総選挙。常に与党のキリスト教民主は敗北。N-VAフラーンデレン民族党が大勝、二位ワロニアの社会民主党。この2党間の相克はレイテルメ二度目の主題であるブラッセル二ヵ国語問題。八党調整会議が繰り返され、絶えず揉めに揉め、ベルギー人と言うのは妥協しない民族か…。先月アルベルト王が再び/三度/四度、お言葉を発せられた。本日BHVに於けるフラーンダレン語検事のリーダーの元でワロン語判事が働くと言う非常に込み入った裁判2カ国語争点が解決に向かったそうである。だがN-VA党首と議会代表は失望し、たっぷりの棘入りコメントを述べている。

Jardin Zoologioue Dierentuin
アントヴェルペンはフラーンダレン地方。見事な終点中央駅の隣にある動物園。門柱表記:左フランス綴りJardin zoologique du Antwerpen、右オランダ綴り Direntuin  

これで、組閣にまだ遠いが、プラス方向に傾いてゆくかどうか? 国王に慰留されたが結局辞任を許された"辞任しつつある首相”が既に1年半を実質的首相として勤務中である。さきほど、彼はデキシアは健康で何等問題ない銀行だとインタヴューに答えている。明日になれば、引き出し額がさらに上乗せされ、パニックが広がるだろう。そしてフランスとドイツの銀行株をどう引っ張るかだ。これを素っ頓狂な事態と言わないで何と言おう。
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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