ライン・ワール・マースの狭間から、草の如し徒然の観察八景。 政ごと/商いごと/言の葉ごと/遊びごと。

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Hacking, Spy and Battle of secuarity

オランジェリーとマードック帝国の崩壊


橙色と言うのは文字通り果物"ダイダイ”の色。今になって気づいた。ダイダイはやや苦味があり、私には夏みかんと同じである。あるいはそのもの(の一つ)かも知れない。大まかに言って、オランジェに違いない。これを仮名漢字に音あわせすると”お蘭じぇ”になって、何処までもオランニェ・ナッソウー家に絡んでいく。

Orangeryと言うオレンジにryをつけた建築用語がある。明らかにブリテン人が創意した言葉である。このオランジェリーは一種の温室で、寒い土地でダイダイなど柑橘類を育てる納屋と言うか建物だったと思われる。いつこの言葉が定着したか定かでない。

きっと太陽を迎えるために南向きにぎょうさんの窓を並べ、北側を構造主体の壁にしたような温室的作りの建物だったに違いない。柑橘類が育たない土地でムリヤリ育てて、口にしようと言う贅沢だから、施主は貴族王侯に限られよう。南の珍しいフローラを集め観賞する知的好奇心と贅沢との相乗りは恐らくここから始った。まず食足りてと言いますから。

将軍家慶(イエヨシ)治世の黒舟来航近い嘉永4年・1851年ハイドパークで催うされた万国博覧会でガラス張り鉄骨建築がお目見えした。The Great Crystal Palace Exhibitionと言える大儲けの博覧会だった。クリスタルとは今では普通の厚ガラスのことで、それを鉄で結わえた構造物は同時に人類最初の大温室だった。このアイディアの源はダイダイ栽培にあったのでは。

接尾語ryをつけるのがわざわざオレンジを指示する用語であるのは、勘が働く人なら分かるでしょう。オレンジ公ウィリアムと関係ありだと。時代的にも建築技術的にも符号があう。彼が1689年、名誉の革命と訳される政変に於いて、大量の血を流さずに妻メアリー(=マリー=マリア)とロンドンに迎えられ、撰んだ住まいと言うか別宅はテームズ川の船通いで都心の宮殿からそう遠くない村だった。

そこに既に瀟洒な屋敷があったのです。なかんずく野菜園やハーブ園に加え温室的施設をもつ庭園があった筈。所有者の貴族は喜んで国王夫妻に提供し、引き換えに爵位と重要官職とをもらったと思います。温室だけでなく、すぐさま建築造園家によって図面が描かれ、大工と石工職人(フリーメーソンの萌芽期?)たちの手が入り、王の館に相応しい大改造が加えられた。

温室に限れば、ダイダイ類を栽培できる構造と言うか一つの格好が出来た。そして名前が冠せられた。後にこれを手本に作られた建物は即ちオランジェリー様式と言われたのは自然。ウィリアムはアイルランド旧教勢力を一掃するため、半年以上この館を留守にした。妻にもつくせず、このため夫婦仲は思うように行かなかった。言ってみれば、外で稼がにゃならぬ旦那と内で子供と家事に忙しい女房の標準形だったのではあるまいか。メアリーは18歳までに三度の流産を繰り返し、さらに不幸だったのかもしれない

亭主は自分より継承順位の高い妻に声望が集まるのを嫌ったと言う説がある…亭主が威張るのは当たり前の時代だし、一方メアリーは旦那不在の時は政事を慎重にさばき、常に旦那を立てる誠実な人となり。それをよく知るウィレムだからこそ、妻の為に充分に楽しめる温室施設を作らせた。ハーグで帝王教育を受けつつある時、若き少年がもっとも関心を示したのは造園設計だったそうだ。それが、従来の都心ホワイトホールの住まいと共に、別宅として緑豊かな郊外の村を選んだ理由であったのだろう。

新造なった屋敷は離宮と言うべきだが、以上の経緯を考えると屋敷Houseが似合いそうだ。オランジェリーが一角にあり、その日の新鮮野菜も厨房に入る。その後メアリーは一見ぶ愛想な亭主に尽くし国教会に力を入れつつ、五年ほどで病死。議会も新旧両派も国民も揃った珍しい葬儀で見送られた。当時ごくあり得る三十路初めの死ながら、この屋敷を愛すべく`住まい`として後継家系に残した意味は大きい。

国王が不覚にも落馬原因で亡くなった後、王位を継いだメアリー仲たがいの妹アンも、時代を下る親族たちも常に住まい続け、21世紀に及んでいる。メアリーよりやや長生きしたものの不幸な事故死であったダイアナFスペンサーもここで暮らした。そこはメトロ三つの駅から近く、一般にケンジングトン・ハウスと呼ばれる。

橙ネタがあちこち散らばっている国だから、そのあたりに橙色の建物があっても不思議で無い、と昔おもった。ところが見ませんね。ヴィクトリア女王の旦那は万博を組織した商才人で、その名Albertを冠した同じ敷地にある半球形の文化ホールはこじつければオレンジ系に見えないこともない…。確か煉瓦作り?のせいかも知れない。しかしベルファストのオレンジパレードの鮮やかな雰囲気に遠い。

極東に赤から橙スキームの木造構造物が多く、ポイントカラーとして、紅葉の秋さえ、見事に映える。日本の神社のシンボルカラーは朱か橙か? 全国一律に色調管理されていると思われない。17世紀はじめに橙色の神社が江戸や駿府にあったかどうか知らない。あったと仮定し、天下を治め経済外交に意欲を燃やす家康から、貿易許可の朱印状をもらったオランニェ外交団が橙色を目撃したとするなら、「わが統領家の色じゃ~」と気分をよくした筈。

当時の東インド組合会社の主要株主に七つ余の都市自治体が絡み、それらの頭(カシラ)をウィレム1世の甥っ子でモーリッツと言う。山賊の親分みたいな頭/統領と将軍とでは釣り合いが取れぬので、国王の肩書きを捏造して朱印状をものにした。嘘丸出しながら、幕府は後、こう言う欧米外交に振り回される。日本が今でも外交にたどたどしいのは、侍気質の初(ウブ)でお人よしな一面を見透かされている…。この数十年外務省チャイナ・スクールが共産支那詣でをして、近い大陸にらみの外交の糸瓜もない。嗚呼、つい空を見上げ嘆息する。

MillyNOW.jpg


オランジェリーはケンジングトン宮廷敷地にあるものの、今では民間経営のホテル・レストランとして名声を謳歌。アルバートホールのロイヤルボックスに招待される客人がディナーに予約する場所だそうな。いわば帝国ホテル並みの格式かも。三週間前、労働党ミリバンドと首班キャメロン、副首班クレッグがここでランチ会食をした。

議題はルパート(≒ルーペルト)とジェームスのマードック親子のスカイ・サテライト全面買収。40代与野党の党首達が揃って、昼間なので生絞りのオレンジジュースを飲みながら、News Internationalの43才Rブルックス嬢のあたりもいいので、BBCとの共存を前提に了承一致したと伝わる。全ての党がメディア帝王との相互協力を望んだわけだ。

昨日/本日、しかしながら事態は一変。メディア帝国崩壊の雰囲気が飛び交いだした。スカイ買収を断念せざるをえなかったマードック親子は、次週の火曜日に臨時設置された議会調査委員会に出頭を要請された。盗聴スキャンダルの火種だから、いわば容疑者の感じである。かたわらNIに長年勤める法律担当重役が辞職、ニューヨーク0911被害者のNowによる盗聴捜査をFBIがはじめ、豪州ではマードックNCの独裁的振る舞いが表面化。

Milley Doeler col 01

ブルックス女史が出世街道を駆け上がったのは、首相キャメロンと同じオックスフォード地元と無関係で、Rマードックがあたかも5人目娘のように可愛がった故である。新情報というかゴシップが噴出している。先ほど午後2時、彼女は2002年に誘拐殺害されたドウラー家族に陳謝をささげ、NIトップ職の辞任を発表。40前後の若さで英国一の新聞グループのトップになったから、はね返りは大きい。

既に社会的圧力が高ま、時間の問題である。決定的要因は昨夜のBBCの時事番組NewsNightでインタビューウィ受けたNCの2位株主サウディアラビア王子ビン・タラのal-Saud とやらの発言: 不法なNoW活動に明白に関っているならば、ブルックスはやめるべきだ!

マードック親子も大株主に抗せない。キャメロン曰く:正しい決定。ミリバンドはトゥイーターを通じて曰く:そのままの在職はドウラー家族への侮辱だ。ようやく責任を取り、職を辞すのは正しい。さらにマードック自身がドウラー家族に謝るように望む。この後にマードック親子とドウラー家族の面会があり、老人は誠実な謝意を繰り返した。それをスカイサテライトが画面に流しているのだから、出来た話ではある。

ライバルになる筈だったBBCはブルックス辞任の決定的ニュースを伝える一方で、ラジオ番組100人レイオフ、ワールド・ニュース部門の大幅なコストカットなど自組織の窮状を訴え、今日も明日も激しいストライキを打つそうな…。

[記 2011-07-15]
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ken minatoya

Author:ken minatoya
Victor Westhoff(1916-2001)碑文Hij observeertからのHNを本名と苗字に先立つ屋号に変更。ウエストホフは生物フローラの相互生息環境を丹念に観察したBiotop概念の先駆者。ザザーッとフィールドを歩きつつ、こぼれ見える外史/雑人/雑草の風景

日本語→英語自動翻訳【星条旗】
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